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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編
邪神となりし光の眷属神 ~ 古代に最高の勇者と称えられた者 ~
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いまだ目覚めぬ闇の眷属神の頭を優しく撫でながら、光の最高神は語り始めた……
眷属神達が反旗を翻した…… あの〝神々の争い〟の真実を……
「あの…… 私達、最高神にとって…… もっとも辛い争いは、私の眷属神…… 最高の勇者と称えられて、緑人から神になった男の意思で、引き起こされた悲劇……」
光の最高神が語るのは…… とある古代の勇者の物語だった……
・
・
・
男は…… 神人族の緑人として生を受けて、突然現れた。
少年期から、類い稀なる天賦の才を持ちいて…… 数知れず多くの魔物を打ち倒す男に、やがて人々は畏敬の念を持つようになる。
そう…… それはまるで〝英雄物語の主人公〟の様に……
次々に、襲い来る脅威を軽々しくはね除ける男に…… 人々は、神の姿をかさねる様になっていった……
男が少年から青年になる頃には、人々から信仰を集め〝神格〟を得ていた。
そして…… 男は、最高神達と邂逅を果たす……
男は…… そこで見た光の最高神に…… 初めての感情を持つ。
自分に媚びない女…… 男にとって、初めての対等以上の絶対的な存在が…… 美しい女神の姿で現れたのだ。
それまでは…… 格上の冒険者、偉そうな貴族やその王ですら、男が英雄になるにつれて……
男の前に簡単にひれ伏し、女は…… 色目を使う様になる。
しかし、最高神達は違う…… 中でも、光の最高神に男は夢中になっていた。
「光の最高神を…… 必ずや、俺の物にしてみせる!」
男には…… 自信があった。
「何故ならば…… 俺は、既に〝神に選ばれている〟からな!!」
男が誰よりも速く英雄にかけ上がれた理由…… それは、男が〝転生者〟だったからだ。
実は…… 男は、新世界を開発した麗華達の下に乗っ取りを画策した麗華の異母兄が送り込んだ〝スパイ〟の開発した疑似人格アバターだった。
「孫が活躍する様に、ゲームを細工しろ!」
そう指令を受けたスパイは、新世界を管理する神々の中に自分が操作出来るアバターを隠して配置する為に……
〝転生者〟として疑似人格アバターを複数作り…… 新世界に放ったのだ。
開発の為に新世界の時を時間加速する中で…… スパイが放った疑似人格アバターの多くは、ただの緑人として消えたが……
男はスパイの思惑通りに…… 勇者的な存在になり、人々に英雄として崇められ、神々の1柱にまでなった。
しかし、男の疑似人格が光の最高神に執着した事で、スパイの計画が狂い始めた。
スパイが、男にした別世界の〝神〟が転生させたと言う設定を信じて行動する男を……
時間加速した新世界で止める者は、いない。
「この新世界の神よりも、高位の神に選ばれた…… 俺こそが光の最高神を娶り、新世界の絶対神になるべき男だ」
男の暴走が始まった……
人々の信仰で、光の眷属神になった男は…… 最高神達の目を盗み、眷属神達と人々に最高神への疑心を植え付け…… 悪意を育てた。
やがて…… 男の植え付けた最高神への疑心が…… 花開き、新世界すべてを巻き込み邪神と魔神が暗躍した〝神々の争い〟が起きた。
すべては…… ただ一人の男が、光の女神を奪う為に起こした戦争だった……
・
・
・
「あの男の…… 私に対する執着は凄まじく、私に瓜二つの〝闇の眷属神〟にも…… 邪気として、まとわりついたのね……」
「あやつの事だ…… 闇の眷属神を捜し出した光の最高神を狙っていたのだろうな」
「アイツの光の最高神に対する執着心は、異常で計り知れないわ…… 今回の件と魔の邪神の事もあるから、さらなる警戒が必要よ」
「奴は、周到で賢い…… こうしてる間に、復活したとしても不思議に思わんよ。二度と奴の様な者が現れん様に、我等の勇者選定も慎重にせねばならんな……」
「混沌神の育てた者達が望んで、勇者に志願してくれればなぁ……」
邪神のせいで、神々の勇者選定が……
さらに、厳しくなりそうです。
・
・
・
「で…… 主さま……」
「…… なに……」
「主さまを…… 後ろから…… 抱きしめている方は…… 闇の眷属神さま…… ですね?」
「混沌のお姉様♥」
あの後…… 光の最高神の膝枕で目覚めた闇の眷属神は無意識ながらも、邪神を祓うカナエの姿を認識していたらしく……
「騙されたと言え…… お姉様とお義兄様に弓引いた私は、御二人にお仕えする訳には参りません……」
「しかし、光の最高神と瓜二つのお前は、邪神に狙われている可能性が高い…… 我等から離す事は出来ぬ」
「ならば…… 私は、私を救ってくれた〝お姉様〟の下に仕えたいと思います!」
「「「「「「「お姉様!?」」」」」」」
「末永く、身も心もお仕えしますね。お姉様♥」
そう言って…… 闇の眷属神は……
チュ♥
カナエの手を取って、手の甲に口付けした。
「えっ、えっ…… え~っ!?」
ピコ~ン♪
〔カナエの眷属神が増えました〕
〔闇の眷属神は、混沌の眷属神に神化しました〕
〔プロプレイヤー【ジノ】の種族称号【混沌の眷属神】が【混沌の夫神】になりました〕
・
・
・
ちなみに…… 邪神になった男が信じる別世界の神の企業スパイは……
先の帝国皇帝で〝元〟王国国王にログインしていた…… 麗華の異母兄と共に、新世界で死んだ側近の中の人で……
今は、新世界に関わる企業団体に複数から訴えられて…… 現実世界の高い塀の中にいた。
眷属神達が反旗を翻した…… あの〝神々の争い〟の真実を……
「あの…… 私達、最高神にとって…… もっとも辛い争いは、私の眷属神…… 最高の勇者と称えられて、緑人から神になった男の意思で、引き起こされた悲劇……」
光の最高神が語るのは…… とある古代の勇者の物語だった……
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男は…… 神人族の緑人として生を受けて、突然現れた。
少年期から、類い稀なる天賦の才を持ちいて…… 数知れず多くの魔物を打ち倒す男に、やがて人々は畏敬の念を持つようになる。
そう…… それはまるで〝英雄物語の主人公〟の様に……
次々に、襲い来る脅威を軽々しくはね除ける男に…… 人々は、神の姿をかさねる様になっていった……
男が少年から青年になる頃には、人々から信仰を集め〝神格〟を得ていた。
そして…… 男は、最高神達と邂逅を果たす……
男は…… そこで見た光の最高神に…… 初めての感情を持つ。
自分に媚びない女…… 男にとって、初めての対等以上の絶対的な存在が…… 美しい女神の姿で現れたのだ。
それまでは…… 格上の冒険者、偉そうな貴族やその王ですら、男が英雄になるにつれて……
男の前に簡単にひれ伏し、女は…… 色目を使う様になる。
しかし、最高神達は違う…… 中でも、光の最高神に男は夢中になっていた。
「光の最高神を…… 必ずや、俺の物にしてみせる!」
男には…… 自信があった。
「何故ならば…… 俺は、既に〝神に選ばれている〟からな!!」
男が誰よりも速く英雄にかけ上がれた理由…… それは、男が〝転生者〟だったからだ。
実は…… 男は、新世界を開発した麗華達の下に乗っ取りを画策した麗華の異母兄が送り込んだ〝スパイ〟の開発した疑似人格アバターだった。
「孫が活躍する様に、ゲームを細工しろ!」
そう指令を受けたスパイは、新世界を管理する神々の中に自分が操作出来るアバターを隠して配置する為に……
〝転生者〟として疑似人格アバターを複数作り…… 新世界に放ったのだ。
開発の為に新世界の時を時間加速する中で…… スパイが放った疑似人格アバターの多くは、ただの緑人として消えたが……
男はスパイの思惑通りに…… 勇者的な存在になり、人々に英雄として崇められ、神々の1柱にまでなった。
しかし、男の疑似人格が光の最高神に執着した事で、スパイの計画が狂い始めた。
スパイが、男にした別世界の〝神〟が転生させたと言う設定を信じて行動する男を……
時間加速した新世界で止める者は、いない。
「この新世界の神よりも、高位の神に選ばれた…… 俺こそが光の最高神を娶り、新世界の絶対神になるべき男だ」
男の暴走が始まった……
人々の信仰で、光の眷属神になった男は…… 最高神達の目を盗み、眷属神達と人々に最高神への疑心を植え付け…… 悪意を育てた。
やがて…… 男の植え付けた最高神への疑心が…… 花開き、新世界すべてを巻き込み邪神と魔神が暗躍した〝神々の争い〟が起きた。
すべては…… ただ一人の男が、光の女神を奪う為に起こした戦争だった……
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「あの男の…… 私に対する執着は凄まじく、私に瓜二つの〝闇の眷属神〟にも…… 邪気として、まとわりついたのね……」
「あやつの事だ…… 闇の眷属神を捜し出した光の最高神を狙っていたのだろうな」
「アイツの光の最高神に対する執着心は、異常で計り知れないわ…… 今回の件と魔の邪神の事もあるから、さらなる警戒が必要よ」
「奴は、周到で賢い…… こうしてる間に、復活したとしても不思議に思わんよ。二度と奴の様な者が現れん様に、我等の勇者選定も慎重にせねばならんな……」
「混沌神の育てた者達が望んで、勇者に志願してくれればなぁ……」
邪神のせいで、神々の勇者選定が……
さらに、厳しくなりそうです。
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「で…… 主さま……」
「…… なに……」
「主さまを…… 後ろから…… 抱きしめている方は…… 闇の眷属神さま…… ですね?」
「混沌のお姉様♥」
あの後…… 光の最高神の膝枕で目覚めた闇の眷属神は無意識ながらも、邪神を祓うカナエの姿を認識していたらしく……
「騙されたと言え…… お姉様とお義兄様に弓引いた私は、御二人にお仕えする訳には参りません……」
「しかし、光の最高神と瓜二つのお前は、邪神に狙われている可能性が高い…… 我等から離す事は出来ぬ」
「ならば…… 私は、私を救ってくれた〝お姉様〟の下に仕えたいと思います!」
「「「「「「「お姉様!?」」」」」」」
「末永く、身も心もお仕えしますね。お姉様♥」
そう言って…… 闇の眷属神は……
チュ♥
カナエの手を取って、手の甲に口付けした。
「えっ、えっ…… え~っ!?」
ピコ~ン♪
〔カナエの眷属神が増えました〕
〔闇の眷属神は、混沌の眷属神に神化しました〕
〔プロプレイヤー【ジノ】の種族称号【混沌の眷属神】が【混沌の夫神】になりました〕
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ちなみに…… 邪神になった男が信じる別世界の神の企業スパイは……
先の帝国皇帝で〝元〟王国国王にログインしていた…… 麗華の異母兄と共に、新世界で死んだ側近の中の人で……
今は、新世界に関わる企業団体に複数から訴えられて…… 現実世界の高い塀の中にいた。
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