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少年期~
図書館
しおりを挟む教えられた道を辿り図書館を見つける
独立した建物になっており建物の大きさから蔵書に期待できそうだ
外開きの扉をくぐると左手側にカウンターがあり、奥には本の整理をしている人や点検をしている人が見える
この時間の利用者は少ないらしく、館内に見える生徒の数もまばらだ
いろいろ調べたいし中々都合が良いが、ひとまずは利用方法を尋ねないことには始まらない
カウンターの周囲には人がいないため、奥で作業をしている人に聞こえるよう声をかける
「こんにちは。初めて利用するので教えていただきたいのですが」
「はーい今行きますよー」
眼鏡をかけた20代ぐらいの女性が返してくれる
「おまたせしました。えっと・・・あら、一年生?しかも魔法技術の子だ。珍しいね」
「初めまして、アリスと申します」
「初めまして。この図書館の司書のクリスと言います。こっちで説明させてもらうから付いてきてね」
そういうとカウンターを飛び越して、カウンター正面にある小部屋へ入っていく
ずいぶん横着な人だな
「じゃあ説明するね。といっても覚えることはそう多くないから。
学生証をもらったと思うけど、貸出にも返却にも使うから忘れないこと。
誰がいつ貸出・返却したかは魔道具で記録されるようになってるから。
貸出期間は2週間。1日でも遅れたら取り立てに行くから気を付けてね。
蔵書は大抵系統ごとにまとまってるけど、もし調べたいことがあれば司書に言えば探してくれるから頼ってね。」
「わかりました」
「あ、もし汚したり破いたりしたら理由がなんであれ弁償してもらうから注意してね。
貸出出来ない本もあるけど、その分館内で私たちの目が光ってるからそのつもりでね」
「なにか印とかついてるんですか?」
「ええ、背表紙に貸出禁止って紙がつけてあるわ。剥がしても手続きするのが私たちだから見逃すことはないからね」
「いえ、そんなことするつもりはありません。何時まで利用できるんですか?」
「閉館は夕方の6時ね。朝は8時から開いてるわ」
「ありがとうございます。早速なんですが、実践魔法に関する本ってどのあたりにありますか?」
「2階の奥から3番目からが魔法関連の本になってるわ。貴重なものが多いから貸出禁止の本も多いし、取り扱いには気を付けてね」
「気を付けます。ありがとうございました」
棚3つ分。多いのか少ないのかよくわからないな
まだ時間はあるし基礎的な魔法あたりは調べておきたい。実際に使ってみないとわからないことも多いだろうし・・・あ、書き写せばいいか
階段を上がると3階も見かける。ずいぶん大きな図書館らしい
目的は2階だから時間も出来たら見てみようと思い直し、教えられた本棚へ向かう
上のほうにまで詰まってる本の数を見て多い少ないというのが些細なことだと気付く
百科事典並みに分厚い本も見つけられ興味を惹かれるが、まずは初心者向けの本を探そう
『魔力と魔法の関係』
『魔法にまつわる伝承』
『3歳でもわかる魔法の使い方』
『詠唱式の発見と歴史』
『魔法の分類』 etcetc...
ちょっとふざけた様なタイトルも見かけたがまずはこんなものか
そもそもの魔力の成り立ちは未だ原理すら不明だが、古い文明の記録を紐解いていっても必ず魔力と魔法は強い影響を及ぼしている
これまでの研究で魔力は知的生物の感情・思考に強く反応すると思われている
魔法とは、魔力がその影響によって引き起こす事象であり物質である。魔力で生み出された物質の組成と自然と出来た物質を比べても大きな変化はない
そして魔法が登場し始めたころから魔物・魔獣による甚大な被害も観測されるようになったことから、どの生物においても魔力は等しく影響を及ぼすと推測される
いわゆるオリジナルとは感情・思考を大本に魔力を操り魔法を発動させることを指すが、力の強い魔獣や精霊でなければ制御するのは困難を極める
使う魔力の量が詠唱式に比べれば桁が違うといっていい
精霊とは魔石を有することで魔物と似た存在だとされるが、知性を持ち独自の文明をもつことから別の種族だとされている
詠唱式はその中でも言語を操る種族によって発見された。どの種族かは明らかにされていないが、誰でも同じ言語を繰り返すだけで魔法を扱えた
文言に法則性はなく言葉の違いで発動しないこともあったため、過去の文明は統一言語を広めた
詠唱式の魔法の発見によりその魔法の特性から攻撃性・補助性の大分類に分けられた
過去にどちらにも属さない特殊な魔法の詠唱式もあったが、すでに失われて久しい
それぞれがもつ魔力の総量は生まれた時から大きく変化することはない。天性のものと思われている
薬品を用いたり休息をとることで使用した魔力は回復させられる。およそ5時間以上の睡眠をすることでより回復量を高められる
睡眠中に身体が活性化し魔力を生産しているのか、何らかの条件で空気中の魔力を吸収しているのかは明らかになっていない
不意に後ろから肩を叩かれる。振り返るとクリスさんが明後日の方向を指さしており、その先にある時計の針は6時を指していた
まだ読みたい本は山積みだが閉館時間か
「ずいぶん熱心に読み込んでたのね。でももう時間よ」
「あ、はい。すみません、時間を見てませんでした」
「家は街にあるの?早く帰らないと親御さんが心配するわよ」
ごもっともです
続きを読みたい本は貸出禁止のものばかりだったので、明日以降時間が出来たらまた通おう
あとは筆記用具も買っておかないと。写本が可能かは聞かなければいけないけど、図書館に置いてあるのだしダメってことはないだろう
行きと同じぐらいの時間をかけて村への道を走って帰る。大体30分ぐらいだろうか
魔力や魔法については感覚的なもので補っていたが、知識が継ぎ足されることで得られる結果やそこに至る効率も段違いだ
恐らくインベントリや空間転移、マジックハンドや飛翔などは詠唱式に分類されるものだと思われる
誰もが使えるかはわからないし、日常的に目にする機会がない魔法ということもあるのでしばらくは代用できる詠唱式の魔法がないか探すことにしよう
家に帰ってから母さんには学食があって弁当を持ち帰ったことも報告しておく
朝インベントリに入れたときのまま暖かいそれを晩御飯のおかずに加えて、明日以降も出来れば弁当を作ってほしいと伝える
学食の場合、量は満足できるが野菜が少ない。村の野菜がおいしいことも含めても、バランスの良い食事をとっておきたい
明日以降は授業も始まる・・・ってなんの準備もしてなかった
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