19 / 65
米と穀物を納品してもらえますか?
しおりを挟む
「どうもー」
「あ! 佐藤さん。こんな遅くから来られたのですか?」
「ええ。昨日というか今日の納品というか出荷には、かなり時間が掛かってしまったので。それで今日、出荷したダンジョン産の野菜やフルーツはどうでしたか?」
「販売は明日からです。ダンジョン産ということで10店舗同時に広告を売って販売する事になりましたので」
「なるほど……」
「あ、佐藤さん。後ほどメールを送ろうとしていたのですが、こちらが明日、出荷頂ければと思っていた農作物とフルーツになります」
手渡されたコピー用紙には、海外で栽培されている野菜やフルーツが中心にして書かれていたが――、
「トマトとかって日本で栽培されていましたよね? いいんですか?」
日本で栽培されているトマトまで書かれていたことに少し驚く。
「はい。現在、トマトは気候が不順だったこともあり収穫量が激減していて1個200円まで高騰しているのです。さすがに1個200円では販売することは厳しいので、収穫数が足りない国産品も、ダンジョン産で賄う方向で取締役会議は話を決めました」
「なるほど……」
トマトとか最近買ってないからな。
「そういえば佐藤様」
「何でしょうか?」
「穀物や米類などは、ダンジョン内で収穫などは出来ないのでしょうか?」
「え? あー、できますよ」
「本当ですか?」
「はい。今、米とか高いですものね。5キロ5000円くらいしていますし」
「はい。政府が備蓄米を出しても中間卸とJAが中抜き金額を継続しているために、我々スーパーに卸されてくる金額は代わりませんから」
「それだと、農家さんには――」
「殆ど買い取り金額は代わらないですね」
「あー、なるほど……」
中々、米の値段が下がらないと思ったら裏があったのか。
しかし、米の価格で困っているのは末端のスーパーも同じだったと。
「もし宜しければ、穀物関係を採取してきていただくことは可能でしょうか?」
「大丈夫ですよ。ただ問題が一つありまして」
「問題ですか?」
首を傾げる綾小路さん。
茶色に色染めした綾小路さんのポニーテールが若干揺れる。
それを見ながら、俺は口を開く。
「稲穂ごと新米を回収する事になりますので」
「乾燥と脱穀が必要になるということですか……」
どうやら、綾小路さんは、ソッチ系も詳しいらしい。
「はい」
「佐藤様は詳しいのですね」
「ええ。まあ……」
「それで佐藤様は既に白米に?」
「そうですね」
俺はアイテムボックスから10キロの白米が入った透明な袋を取り出す。
「こちらがダンジョン産の米を乾燥、脱穀、精米した白米になります。知り合いにお願いしていますが」
「これも品質がいいですね」
「そうですね。ダンジョン産の農作物は同一規格というかクローンみたいな歪さを感じますけど」
「消費者は見た目が綺麗なら買っていきますから問題はありません。それに農林水産省の研究者も、ダンジョン産の農作物、フルーツに関しては問題ないとの声明を出していますから」
「そうですね」
それは、俺の日本ダンジョン冒険者協会のホームページで見た。
「それでは、そちらのコピー用紙に書かれているフルーツと農作物を納品いただきましたら穀物系も取ってきていただけますか? それと米と穀物に関しては新しく契約を追加する形になると思いますのでよろしくお願いします」
「それなら、こちらを渡しておきますので代表取締役、役員会議で話を通してきてくれればいいですよ。木戸商事さんでしたら、商売に繋がるようでしたら夜中でも採決を通してくれそうですし」
「よくご存じで」
まぁ、こんな夜の時間帯に秘書を送り付けてくる企業だ。
そのくらいのブラックなことはしてきそうだと予想していたが、予想どおりだったようだ。
「あ! 佐藤さん。こんな遅くから来られたのですか?」
「ええ。昨日というか今日の納品というか出荷には、かなり時間が掛かってしまったので。それで今日、出荷したダンジョン産の野菜やフルーツはどうでしたか?」
「販売は明日からです。ダンジョン産ということで10店舗同時に広告を売って販売する事になりましたので」
「なるほど……」
「あ、佐藤さん。後ほどメールを送ろうとしていたのですが、こちらが明日、出荷頂ければと思っていた農作物とフルーツになります」
手渡されたコピー用紙には、海外で栽培されている野菜やフルーツが中心にして書かれていたが――、
「トマトとかって日本で栽培されていましたよね? いいんですか?」
日本で栽培されているトマトまで書かれていたことに少し驚く。
「はい。現在、トマトは気候が不順だったこともあり収穫量が激減していて1個200円まで高騰しているのです。さすがに1個200円では販売することは厳しいので、収穫数が足りない国産品も、ダンジョン産で賄う方向で取締役会議は話を決めました」
「なるほど……」
トマトとか最近買ってないからな。
「そういえば佐藤様」
「何でしょうか?」
「穀物や米類などは、ダンジョン内で収穫などは出来ないのでしょうか?」
「え? あー、できますよ」
「本当ですか?」
「はい。今、米とか高いですものね。5キロ5000円くらいしていますし」
「はい。政府が備蓄米を出しても中間卸とJAが中抜き金額を継続しているために、我々スーパーに卸されてくる金額は代わりませんから」
「それだと、農家さんには――」
「殆ど買い取り金額は代わらないですね」
「あー、なるほど……」
中々、米の値段が下がらないと思ったら裏があったのか。
しかし、米の価格で困っているのは末端のスーパーも同じだったと。
「もし宜しければ、穀物関係を採取してきていただくことは可能でしょうか?」
「大丈夫ですよ。ただ問題が一つありまして」
「問題ですか?」
首を傾げる綾小路さん。
茶色に色染めした綾小路さんのポニーテールが若干揺れる。
それを見ながら、俺は口を開く。
「稲穂ごと新米を回収する事になりますので」
「乾燥と脱穀が必要になるということですか……」
どうやら、綾小路さんは、ソッチ系も詳しいらしい。
「はい」
「佐藤様は詳しいのですね」
「ええ。まあ……」
「それで佐藤様は既に白米に?」
「そうですね」
俺はアイテムボックスから10キロの白米が入った透明な袋を取り出す。
「こちらがダンジョン産の米を乾燥、脱穀、精米した白米になります。知り合いにお願いしていますが」
「これも品質がいいですね」
「そうですね。ダンジョン産の農作物は同一規格というかクローンみたいな歪さを感じますけど」
「消費者は見た目が綺麗なら買っていきますから問題はありません。それに農林水産省の研究者も、ダンジョン産の農作物、フルーツに関しては問題ないとの声明を出していますから」
「そうですね」
それは、俺の日本ダンジョン冒険者協会のホームページで見た。
「それでは、そちらのコピー用紙に書かれているフルーツと農作物を納品いただきましたら穀物系も取ってきていただけますか? それと米と穀物に関しては新しく契約を追加する形になると思いますのでよろしくお願いします」
「それなら、こちらを渡しておきますので代表取締役、役員会議で話を通してきてくれればいいですよ。木戸商事さんでしたら、商売に繋がるようでしたら夜中でも採決を通してくれそうですし」
「よくご存じで」
まぁ、こんな夜の時間帯に秘書を送り付けてくる企業だ。
そのくらいのブラックなことはしてきそうだと予想していたが、予想どおりだったようだ。
189
あなたにおすすめの小説
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~
仮実谷 望
ファンタジー
とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。
俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~
仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。
ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。
ガチャ好きすぎて書いてしまった。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる