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ダンジョン米契約!
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何十回もダンジョン内の階段を往復する。
階段で移動する階層は1階まで。
理由は、10階層まで一度でも降りれば1階層から10階層までは神々が設置したエレベーターが利用できるからだ。
そして、そのエレベーター前には、改札口のようなゲートが設置されていて冒険者カードを読み込ませればエレベーターまではいける。
一方通行のみだと思っていたが、往復で階段を利用する冒険者達のせいで階段が混雑するので、少しでも移動を緩和するためにエレベーターの増設と地下から地上までの一方通行の設定が廃止されたようだ。
「サポート体制が、万全すぎる……。さすが日本の神様の対応は素晴らしいな」
税金を絞り取るだけで私服を肥やす政治家や官僚は国が滅びない限り寄生先を失う事はない。
むしろ国を食いつぶしても資産を海外に移してハイエナとして生きるまである。
だから、まともに国家運営をしなかったからこそ30年以上、日本の経済は停滞していた。
だが、日本の神々は違う。
現実問題として少子化だと神々の存在が消滅するのだ。
自身の命が掛かっている仕事をこなしている神々。
それに対して、惰性で生きているだけの政治家と官僚や都知事。
そりゃ神々の方がダンジョン運営に必死というのは自明の理と言ったところだろう。
俺はエレベーターを利用して1階層から10階層までのフルーツや農作物を次々と採取しては1階層まで戻ってから地上に向けて100段以上ある階段を何往復もした。
「ハァハァハァハァ」
往復が30回を超えてようやく出荷分の農作物やフルーツを配送トラックの担当者に渡し終えたところで駐車場に腰を下ろした。
一度だけなら、100段くらいの階段は問題ない。
だが30回! 60往復も階段を歩くと6000段となる。
考えてほしい。
学校の階段は、基本的に1階分上がるのに20段前後。
つまり30階分の階段を数時間で歩いたことになるのだ。
普段から運動をしない45歳のロートルの体に、それはそれは地獄のような試練だ。
「アイテムボックスの容量を何とかして増やさないと死んでしまう……」
10代とか20代の若い時ならいざ知らず、もうすぐ50歳になるのだ。
マジで死ぬという単語ワードが脳裏を横切る。
俺は必死にキュウリを食べて何とか年齢をぎりぎりに保つために努力することは決めた。
「あ! 佐藤さん!」
「あ……」
「どうかしましたか?」
途中で運動不足で、息を切らした俺は綾小路さんと名前を言えなかった。
だって両足が、生まれたての小鹿のようにプルプルしていたし、少しでも声を張り上げたら足がつりそうだったからだ。
だが、取引相手前で、そういう失態はできないというプライドから笑みだけを浮かべた。
「いえ」
「そうでしたか。それで佐藤さんから預かった白米でしたが、かなり高品質な米ということでした。急遽集まった取締役会でも全会一致でダンジョン米を販売することを決めたのですが」
「そうですか……」
「佐藤さんとしては、10キロのお米をいくらで売りたいですか?」
「10キロ4000円でいいんじゃないですか? 5キロは2000円で」
「佐藤さんでしたら、そう言って頂けると思っていました。佐藤さんの取り分ですが、売り上げの3割で宜しいでしょうか?」
「あーいいですよ」
どうせ加工も全て任せる感じになるのだから10キロでも1200円が手元にくるのだ。
まったく問題ないどころか一日10トンとか売れるだけで120万円の売り上げになるし。
「では、すぐに契約をしましょう! ここにサインを! それと、10トントラックが10台来ますので、稲穂付きの新米をお願いします!」
「はい……」
どうやらダンジョン米のために俺はさらに6000段の階段往復が決まったらしい。
階段で移動する階層は1階まで。
理由は、10階層まで一度でも降りれば1階層から10階層までは神々が設置したエレベーターが利用できるからだ。
そして、そのエレベーター前には、改札口のようなゲートが設置されていて冒険者カードを読み込ませればエレベーターまではいける。
一方通行のみだと思っていたが、往復で階段を利用する冒険者達のせいで階段が混雑するので、少しでも移動を緩和するためにエレベーターの増設と地下から地上までの一方通行の設定が廃止されたようだ。
「サポート体制が、万全すぎる……。さすが日本の神様の対応は素晴らしいな」
税金を絞り取るだけで私服を肥やす政治家や官僚は国が滅びない限り寄生先を失う事はない。
むしろ国を食いつぶしても資産を海外に移してハイエナとして生きるまである。
だから、まともに国家運営をしなかったからこそ30年以上、日本の経済は停滞していた。
だが、日本の神々は違う。
現実問題として少子化だと神々の存在が消滅するのだ。
自身の命が掛かっている仕事をこなしている神々。
それに対して、惰性で生きているだけの政治家と官僚や都知事。
そりゃ神々の方がダンジョン運営に必死というのは自明の理と言ったところだろう。
俺はエレベーターを利用して1階層から10階層までのフルーツや農作物を次々と採取しては1階層まで戻ってから地上に向けて100段以上ある階段を何往復もした。
「ハァハァハァハァ」
往復が30回を超えてようやく出荷分の農作物やフルーツを配送トラックの担当者に渡し終えたところで駐車場に腰を下ろした。
一度だけなら、100段くらいの階段は問題ない。
だが30回! 60往復も階段を歩くと6000段となる。
考えてほしい。
学校の階段は、基本的に1階分上がるのに20段前後。
つまり30階分の階段を数時間で歩いたことになるのだ。
普段から運動をしない45歳のロートルの体に、それはそれは地獄のような試練だ。
「アイテムボックスの容量を何とかして増やさないと死んでしまう……」
10代とか20代の若い時ならいざ知らず、もうすぐ50歳になるのだ。
マジで死ぬという単語ワードが脳裏を横切る。
俺は必死にキュウリを食べて何とか年齢をぎりぎりに保つために努力することは決めた。
「あ! 佐藤さん!」
「あ……」
「どうかしましたか?」
途中で運動不足で、息を切らした俺は綾小路さんと名前を言えなかった。
だって両足が、生まれたての小鹿のようにプルプルしていたし、少しでも声を張り上げたら足がつりそうだったからだ。
だが、取引相手前で、そういう失態はできないというプライドから笑みだけを浮かべた。
「いえ」
「そうでしたか。それで佐藤さんから預かった白米でしたが、かなり高品質な米ということでした。急遽集まった取締役会でも全会一致でダンジョン米を販売することを決めたのですが」
「そうですか……」
「佐藤さんとしては、10キロのお米をいくらで売りたいですか?」
「10キロ4000円でいいんじゃないですか? 5キロは2000円で」
「佐藤さんでしたら、そう言って頂けると思っていました。佐藤さんの取り分ですが、売り上げの3割で宜しいでしょうか?」
「あーいいですよ」
どうせ加工も全て任せる感じになるのだから10キロでも1200円が手元にくるのだ。
まったく問題ないどころか一日10トンとか売れるだけで120万円の売り上げになるし。
「では、すぐに契約をしましょう! ここにサインを! それと、10トントラックが10台来ますので、稲穂付きの新米をお願いします!」
「はい……」
どうやらダンジョン米のために俺はさらに6000段の階段往復が決まったらしい。
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