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取引先同士の仲が悪い気がする。
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「是非、お願いできますか? 出来れば税理士さんをお願い出来ればと」
「税理士ですか?」
「はい。税理士の方に、丸投げ相談した方が結果的に金額に経費は少なく済むと聞いたことがありますので」
「分かりました」
信用が出来るかどうかはお金が実際に動く以上、重要だからな。
「それでは、佐藤さん、今日も夕方ごろにそちらに伺いする形でいいですか?」
「いえ。今日は、少し早めに家を出ようと思っているので」
「そうなのですか? どこか用事でも?」
「あー、じつは養老渓谷の方に家を買おうかと思っていまして」
「……ご自宅ですか」
「はい。今は、築40年近くのアパートを借りているのですが、養老渓谷ダンジョン近くに土地を購入して一軒家を建てようと思いまして」
「えええええ!?」
どうして、そこで驚くのか。
「どうかしましたか? 木戸さんも、送り迎えとかするのは大変じゃないですか? それなら、養老渓谷ダンジョン近くに家を持った方が柔軟な対応が出来ると思ったのですが……」
17億円もあるのなら、一軒家を買った方がいいだろう。
しかも事務所の経費ってことにすれば、節税対策にもなるだろうし。
たしか個人事業主だったら出来るはず。
「さ、佐藤さん!」
「はい」
「わ、私も! 私も、是非に一緒に行きたいと思うのですが!」
「え? でも、木戸さんは関係な――「足が必要ですよ! とくに養老渓谷の方ですと、駅から物件を扱っている不動産まで遠いですから!」――あ、はい」
「では、何時ころがいいですか?」
「そ、そうですね……。2時間後くらいで」
「すぐに行きますね!」
「あ、はい……」
木戸さんはいい人だなと思う。
普通に、足として利用されるというのに、慌ててまで俺が一軒家を買うためのアシスタントまでしてくれるとは……。
流石に営業時代の俺でも木戸さんレベルで顧客に対応することはなかった。
これが本当の営業という……やつなの……か?
少し違う気がするが……。
まぁ、利用できるなら利用させてもらおう。
自宅に戻り、パソコンで養老渓谷の一軒家や、建築が可能な土地を販売している不動産を調べてメモ帳に住所・電話番号・会社名をコピペしてプリンタで出力していると、電話が鳴る。
「はい。佐藤です」
「菊池です。佐藤さん、今日は大丈夫ですか?」
「あー、稲穂ですね。20トンとってきてありますよ」
「助かります。それで、今日は、私が忙しくて娘が伺う形になると思いますので、お願いできますか?」
「分かりました。どれくらいで来られますか?」
「そうですね、あと10分ほどで伺えるかと」
「了解です」
電話で会話中にプリント出力を終えたコピー用紙を折りたたみアパートから出て鍵をかける。
アパート前で、しばらく待っていると10トントラックが2台、アパートの前に到着した。
「たぶん、あれだよな……」
トラックから降りてきたのは、ワークマンで販売しているような作業着を着た20歳半ばのポニーテールな女性。
髪を染めてはおらず濡れガラスのように漆黒だが、普段から外で仕事をしているからなのか健康的な体つきをしており、表情から見て活発そうだ。
「はじめまして! 佐藤和也さんで良かったですか?」
「はい。それで――」
「うちは菊池 涼音と言います! 独身です!」
聞いてもない情報が入ってきた。
まぁ、俺から見たら一回り下だから何とも思わないが、俺が同年代だったら意識しちゃうくらいの小麦肌の胸が大きい女性だ。
「それで、2台のトラックに稲穂付きの白米を乗せればいいですか?」
「はい。お願いします。あれ? お母さんに聞いていたのと違う……」
「何か?」
「――な、なんでもないです」
木戸さんが来ると忙しくなるので、さっさとトラックに稲穂付きの新米をアイテムボックスから転移させて載せていく。
数分で作業を終わらせる。
「それでは、またお願いします」
「え? は、早いんだけど……」
「何か?」
「――い、いえ……。あ、あの……、佐藤さんって、佐藤さんのお父さんから聞いたんですけど……、うちの母親が――」
「ん?」
「佐藤さんって一人暮らしなんですよね?」
「まぁ、そうですね」
「農家とかって興味あったりしますか?」
「農家さんですか。興味はありますけど今は忙しいですからね」
どうして、そこで俺に農家の話をしてくるのか。
俺が稲穂付きの白米を毎日20トン渡しているのと関係あるのか。
分からないな。
「あの! それでは――」
「佐藤さーん!」
「あ、木戸さん」
木戸さんは、スーツをビシッと着こなしていて色白と言っても健康的な美肌と言った感じで、スーツが大きな胸を強調していたというかスーツでも隠し切れない巨乳というか。
俺が30歳だったら、コロッといっていたな。
まぁ、すでに40歳を過ぎているから、親目線で見れてしまう。
「佐藤さん! どうしたんですか? 今日は、一緒に! 住む家を見にいくって約束したじゃないですか?」
「……佐藤さん、その人は誰なんですか?」
なんだか空気がピリピリとしてきたぞ?
理由はまったく分からない。
「こちらは――」
「私は木戸綾子と言います。佐藤さんとは、毎日、一緒に行動する仲ですわ」
俺が木戸さんの説明をしようとしたところで木戸さんが自己紹介してしまった。
さらに木戸さんは、
「それで、貴女は?」
「――ッ! わ、私は、私の母親と佐藤さんのお父様が知り合いで、家族ぐるみの付き合いをさせてもらっています!」
たしかに、家族ぐるみに近い付き合いはしているな。
あくまでも米の取引では。
木戸さんも仕事面では毎日顔を合わせて行動をしているな。
二人とも言っていることは間違っていないのに、どうして、こんなに国道の歩道では重苦しい空気が流れているのだろうか。
「税理士ですか?」
「はい。税理士の方に、丸投げ相談した方が結果的に金額に経費は少なく済むと聞いたことがありますので」
「分かりました」
信用が出来るかどうかはお金が実際に動く以上、重要だからな。
「それでは、佐藤さん、今日も夕方ごろにそちらに伺いする形でいいですか?」
「いえ。今日は、少し早めに家を出ようと思っているので」
「そうなのですか? どこか用事でも?」
「あー、じつは養老渓谷の方に家を買おうかと思っていまして」
「……ご自宅ですか」
「はい。今は、築40年近くのアパートを借りているのですが、養老渓谷ダンジョン近くに土地を購入して一軒家を建てようと思いまして」
「えええええ!?」
どうして、そこで驚くのか。
「どうかしましたか? 木戸さんも、送り迎えとかするのは大変じゃないですか? それなら、養老渓谷ダンジョン近くに家を持った方が柔軟な対応が出来ると思ったのですが……」
17億円もあるのなら、一軒家を買った方がいいだろう。
しかも事務所の経費ってことにすれば、節税対策にもなるだろうし。
たしか個人事業主だったら出来るはず。
「さ、佐藤さん!」
「はい」
「わ、私も! 私も、是非に一緒に行きたいと思うのですが!」
「え? でも、木戸さんは関係な――「足が必要ですよ! とくに養老渓谷の方ですと、駅から物件を扱っている不動産まで遠いですから!」――あ、はい」
「では、何時ころがいいですか?」
「そ、そうですね……。2時間後くらいで」
「すぐに行きますね!」
「あ、はい……」
木戸さんはいい人だなと思う。
普通に、足として利用されるというのに、慌ててまで俺が一軒家を買うためのアシスタントまでしてくれるとは……。
流石に営業時代の俺でも木戸さんレベルで顧客に対応することはなかった。
これが本当の営業という……やつなの……か?
少し違う気がするが……。
まぁ、利用できるなら利用させてもらおう。
自宅に戻り、パソコンで養老渓谷の一軒家や、建築が可能な土地を販売している不動産を調べてメモ帳に住所・電話番号・会社名をコピペしてプリンタで出力していると、電話が鳴る。
「はい。佐藤です」
「菊池です。佐藤さん、今日は大丈夫ですか?」
「あー、稲穂ですね。20トンとってきてありますよ」
「助かります。それで、今日は、私が忙しくて娘が伺う形になると思いますので、お願いできますか?」
「分かりました。どれくらいで来られますか?」
「そうですね、あと10分ほどで伺えるかと」
「了解です」
電話で会話中にプリント出力を終えたコピー用紙を折りたたみアパートから出て鍵をかける。
アパート前で、しばらく待っていると10トントラックが2台、アパートの前に到着した。
「たぶん、あれだよな……」
トラックから降りてきたのは、ワークマンで販売しているような作業着を着た20歳半ばのポニーテールな女性。
髪を染めてはおらず濡れガラスのように漆黒だが、普段から外で仕事をしているからなのか健康的な体つきをしており、表情から見て活発そうだ。
「はじめまして! 佐藤和也さんで良かったですか?」
「はい。それで――」
「うちは菊池 涼音と言います! 独身です!」
聞いてもない情報が入ってきた。
まぁ、俺から見たら一回り下だから何とも思わないが、俺が同年代だったら意識しちゃうくらいの小麦肌の胸が大きい女性だ。
「それで、2台のトラックに稲穂付きの白米を乗せればいいですか?」
「はい。お願いします。あれ? お母さんに聞いていたのと違う……」
「何か?」
「――な、なんでもないです」
木戸さんが来ると忙しくなるので、さっさとトラックに稲穂付きの新米をアイテムボックスから転移させて載せていく。
数分で作業を終わらせる。
「それでは、またお願いします」
「え? は、早いんだけど……」
「何か?」
「――い、いえ……。あ、あの……、佐藤さんって、佐藤さんのお父さんから聞いたんですけど……、うちの母親が――」
「ん?」
「佐藤さんって一人暮らしなんですよね?」
「まぁ、そうですね」
「農家とかって興味あったりしますか?」
「農家さんですか。興味はありますけど今は忙しいですからね」
どうして、そこで俺に農家の話をしてくるのか。
俺が稲穂付きの白米を毎日20トン渡しているのと関係あるのか。
分からないな。
「あの! それでは――」
「佐藤さーん!」
「あ、木戸さん」
木戸さんは、スーツをビシッと着こなしていて色白と言っても健康的な美肌と言った感じで、スーツが大きな胸を強調していたというかスーツでも隠し切れない巨乳というか。
俺が30歳だったら、コロッといっていたな。
まぁ、すでに40歳を過ぎているから、親目線で見れてしまう。
「佐藤さん! どうしたんですか? 今日は、一緒に! 住む家を見にいくって約束したじゃないですか?」
「……佐藤さん、その人は誰なんですか?」
なんだか空気がピリピリとしてきたぞ?
理由はまったく分からない。
「こちらは――」
「私は木戸綾子と言います。佐藤さんとは、毎日、一緒に行動する仲ですわ」
俺が木戸さんの説明をしようとしたところで木戸さんが自己紹介してしまった。
さらに木戸さんは、
「それで、貴女は?」
「――ッ! わ、私は、私の母親と佐藤さんのお父様が知り合いで、家族ぐるみの付き合いをさせてもらっています!」
たしかに、家族ぐるみに近い付き合いはしているな。
あくまでも米の取引では。
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