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第一章 イケメンにリバースしたけど、言動がおじさん構文だからかメイドさんがリバースしたZO
第3話 幼なじみがリバースしたNE★
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こうして、オレはスクスクと育っていった。
乳が出なくてもニューデッカさんの乳をねだっていたせいで、乳離れは遅かったけど(コラ。
チチェロとはまだ、一緒にお風呂に入っている。
一三歳になり、オレはアウグスタフ魔法科学校に入学手続きを済ませた。
だが、問題が発生する。
侍女のチチェロが、魔法科学校に入れないというのだ。
アウグスタフ魔法科学校は、平民でも普通に入れる。
チチェロはオレと同じ、一三歳だ。魔法科学校に入る権利は、あるはず。
「どういうことだ、父上! 許さん!」
オレは、父である王に詰め寄った。
「侍女を連れての入学は、許可されているはずではないか! みんなやっているぞ! 先輩なんて、ロリメイドをはべらせて授業中もイチャイチャを楽しんでいるそうではないか! ああ、うらやましい!」
「それなんだがなあ、ジュライよ。チチェロの魔力が不安定なのが問題なのだ」
「それを調節する術を学ぶのが、魔法科学校というものでしょうに!」
「俺もそう提案した。しかし、魔法科学校でさえ持て余すというので」
アウグスタフでさえ手に余る、魔力量とは。
チチェロって、とんでもないな。
「不安要素が解消されないなら、できんと」
「とにかく、チチェロ入れないと言うなら、オレも入りません」
「なんだと!? 由緒正しきアウグスタフに入らぬというか!」
「そのとおりだ!」
魔力が不安定ってだけで平民を受け入れない学校など、こちらから願い下げだ! 第一、チチェロがかわいそうではないか!
「チチェロといっしょにいたいお前の気持ちは、よくわかる。しかし、言い過ぎではないか! 学校の立場も、考えてくれ!」
「ならば近日中に、チチェロの魔力を安定させてやろう! このオレが!」
オレは父王に、断言した。
そうはいっても、解決策はあるのか?
「王都の近くに、初心者用のダンジョンがある。そこで、トレーニングをしよう」
オレはチチェロを連れて、山奥のダンジョンに向かった。
最も魔力の高い第五王子に、立ち会ってもらう。彼は二〇を過ぎても未だ独身で、王家から出ていっていないのが、彼だけだったのだ。研究職に就き、王都でずっと魔法の研究をしている。
「ここは世界樹の下にあたる、ダンジョンだ。世界樹の影響で、中のモンスターはいくら倒しても復活するぞ」
なるほど。「無限湧き」ってやつか。
「いいか、ムリをするんじゃないぞ。あくまでも、ボクは立ち会うだけだ。二人でもできるだろうと思うけど、危なくなったら中断するぞ」
「はい。ありがとう兄上」
「礼なんて、いらないよ。早く行け」
兄上が、しんがりを担当した。
「いくぞ、チチェロ。お前の強さを証明してやる」
「わかりました。ありがとうございます、ジュライ様」
オレが先頭に立ち、チチェロが続く。
ていうか、オレって何タイプなんだろう。
戦士? 魔法使い?
まあ、どっちでもいいか。魔法科学校に通えるくらいだから。
今どきのファンタジーって、戦士でも魔法を併用するよね。
ソロ狩りが、基本だからかな? 追放者とかだったら。
「来たぞ。コウモリだ」
オレは、木の剣でコウモリを追い払う。
木の剣がコウモリに、クリーンヒットした。
コウモリが黒い砂粒みたいに、サラサラと消滅する。
この世界の魔物って、こうやって死ぬのか。
コウモリが、アイテムを落とした。
ポーションか。これはチチェロのために取っておこう。
ゼリー状の魔物が、行く手を遮る。
「スライムです。コイツには魔法が効かないので、【ファイアボール】!」
チチェロが、スライムの群れを焼いていく。
「それにしても、こんなに多くのスライムがいるとはな。興味深い」
第五王子が、アゴに手を当てた。
とにかくダンジョンの奥にあるスタンプを押したら、クリアだ。
チチェロといっしょにクリアしたとなれば、きっとチチェロだって魔法学校入学を認めてもらえるはずだ。
しかし、やたら茶色いスライムが、スタンプの前に陣取っていた。
「ファイアボール!」
チチェロが、魔法を唱える。
だが火球は、スライムの身体に燃え移らない。
「世界樹の樹液を吸って、魔法が無効になっている。きっと魔王の瘴気のせいだな」
第五王子が、そう分析した。
スライムの触手が伸びて、チチェロを引っ張り込む。
「きゃああ!」
チチェロが、逆さ吊りになってしまった。
粘液で、装備品が溶かされていく。
イカンイカン。こんな幼い身体がセンシティブな姿になってしまったら、この世界自体がなんらかの力でBANされてしまうぞ! 自重しろスライムよ!
「なにをしている、逃げるぞ! 本格的に討伐隊を組織せねば、あれは倒せぬ!」
第五王子が、オレの腕を引っ張ってきた。
「チチェロを置いていけない! チチェロはオレのお嫁さんなのだ! 二号さんなどではない! 正妻! 正妻があんな目に遭って逃げ出すなんて、男のすることではない!」
オレは、第五王子の腕をふりほどく。
「チチェロ、愛してる! まだまだヤリたいことは、たくさんあるんだ! ヤリたいってのは、そういうエッチングなことじゃないZO!」
「うっぷ!」
突然、チチェロの口が膨らんだ。
「おえええええええええええええ!」
なんと、スライムに向かって激しく嘔吐した。
虹色のキラキラが、スライムに降り注ぐ。
「ギョオオオオオオオオ!」
スライムが断末魔の叫びを上げて、ドロドロに溶けていった。
「な、なんてことだ! 我々ですら敵わないと思ったスライムを、一撃で……」
消滅したスライムを見て、第五王子が舌を巻く。
「だから言っただろ。チチェロは、すごいのだ」
「……この件は、ミケルセン王国の第五王子の名のもとに、報告させてもらう」
後日、第五王子がチチェロの魔法学校行きを推薦してくれた。
吐いた影響なのか、チチェロが急激に爆乳になっている。
やはり、血は争えないね(なんの?
胸が大きくなったという理由から、共に風呂へ入らなくなった。
遠慮しなくていいのに(コラ。
(第一章 おしまい)
乳が出なくてもニューデッカさんの乳をねだっていたせいで、乳離れは遅かったけど(コラ。
チチェロとはまだ、一緒にお風呂に入っている。
一三歳になり、オレはアウグスタフ魔法科学校に入学手続きを済ませた。
だが、問題が発生する。
侍女のチチェロが、魔法科学校に入れないというのだ。
アウグスタフ魔法科学校は、平民でも普通に入れる。
チチェロはオレと同じ、一三歳だ。魔法科学校に入る権利は、あるはず。
「どういうことだ、父上! 許さん!」
オレは、父である王に詰め寄った。
「侍女を連れての入学は、許可されているはずではないか! みんなやっているぞ! 先輩なんて、ロリメイドをはべらせて授業中もイチャイチャを楽しんでいるそうではないか! ああ、うらやましい!」
「それなんだがなあ、ジュライよ。チチェロの魔力が不安定なのが問題なのだ」
「それを調節する術を学ぶのが、魔法科学校というものでしょうに!」
「俺もそう提案した。しかし、魔法科学校でさえ持て余すというので」
アウグスタフでさえ手に余る、魔力量とは。
チチェロって、とんでもないな。
「不安要素が解消されないなら、できんと」
「とにかく、チチェロ入れないと言うなら、オレも入りません」
「なんだと!? 由緒正しきアウグスタフに入らぬというか!」
「そのとおりだ!」
魔力が不安定ってだけで平民を受け入れない学校など、こちらから願い下げだ! 第一、チチェロがかわいそうではないか!
「チチェロといっしょにいたいお前の気持ちは、よくわかる。しかし、言い過ぎではないか! 学校の立場も、考えてくれ!」
「ならば近日中に、チチェロの魔力を安定させてやろう! このオレが!」
オレは父王に、断言した。
そうはいっても、解決策はあるのか?
「王都の近くに、初心者用のダンジョンがある。そこで、トレーニングをしよう」
オレはチチェロを連れて、山奥のダンジョンに向かった。
最も魔力の高い第五王子に、立ち会ってもらう。彼は二〇を過ぎても未だ独身で、王家から出ていっていないのが、彼だけだったのだ。研究職に就き、王都でずっと魔法の研究をしている。
「ここは世界樹の下にあたる、ダンジョンだ。世界樹の影響で、中のモンスターはいくら倒しても復活するぞ」
なるほど。「無限湧き」ってやつか。
「いいか、ムリをするんじゃないぞ。あくまでも、ボクは立ち会うだけだ。二人でもできるだろうと思うけど、危なくなったら中断するぞ」
「はい。ありがとう兄上」
「礼なんて、いらないよ。早く行け」
兄上が、しんがりを担当した。
「いくぞ、チチェロ。お前の強さを証明してやる」
「わかりました。ありがとうございます、ジュライ様」
オレが先頭に立ち、チチェロが続く。
ていうか、オレって何タイプなんだろう。
戦士? 魔法使い?
まあ、どっちでもいいか。魔法科学校に通えるくらいだから。
今どきのファンタジーって、戦士でも魔法を併用するよね。
ソロ狩りが、基本だからかな? 追放者とかだったら。
「来たぞ。コウモリだ」
オレは、木の剣でコウモリを追い払う。
木の剣がコウモリに、クリーンヒットした。
コウモリが黒い砂粒みたいに、サラサラと消滅する。
この世界の魔物って、こうやって死ぬのか。
コウモリが、アイテムを落とした。
ポーションか。これはチチェロのために取っておこう。
ゼリー状の魔物が、行く手を遮る。
「スライムです。コイツには魔法が効かないので、【ファイアボール】!」
チチェロが、スライムの群れを焼いていく。
「それにしても、こんなに多くのスライムがいるとはな。興味深い」
第五王子が、アゴに手を当てた。
とにかくダンジョンの奥にあるスタンプを押したら、クリアだ。
チチェロといっしょにクリアしたとなれば、きっとチチェロだって魔法学校入学を認めてもらえるはずだ。
しかし、やたら茶色いスライムが、スタンプの前に陣取っていた。
「ファイアボール!」
チチェロが、魔法を唱える。
だが火球は、スライムの身体に燃え移らない。
「世界樹の樹液を吸って、魔法が無効になっている。きっと魔王の瘴気のせいだな」
第五王子が、そう分析した。
スライムの触手が伸びて、チチェロを引っ張り込む。
「きゃああ!」
チチェロが、逆さ吊りになってしまった。
粘液で、装備品が溶かされていく。
イカンイカン。こんな幼い身体がセンシティブな姿になってしまったら、この世界自体がなんらかの力でBANされてしまうぞ! 自重しろスライムよ!
「なにをしている、逃げるぞ! 本格的に討伐隊を組織せねば、あれは倒せぬ!」
第五王子が、オレの腕を引っ張ってきた。
「チチェロを置いていけない! チチェロはオレのお嫁さんなのだ! 二号さんなどではない! 正妻! 正妻があんな目に遭って逃げ出すなんて、男のすることではない!」
オレは、第五王子の腕をふりほどく。
「チチェロ、愛してる! まだまだヤリたいことは、たくさんあるんだ! ヤリたいってのは、そういうエッチングなことじゃないZO!」
「うっぷ!」
突然、チチェロの口が膨らんだ。
「おえええええええええええええ!」
なんと、スライムに向かって激しく嘔吐した。
虹色のキラキラが、スライムに降り注ぐ。
「ギョオオオオオオオオ!」
スライムが断末魔の叫びを上げて、ドロドロに溶けていった。
「な、なんてことだ! 我々ですら敵わないと思ったスライムを、一撃で……」
消滅したスライムを見て、第五王子が舌を巻く。
「だから言っただろ。チチェロは、すごいのだ」
「……この件は、ミケルセン王国の第五王子の名のもとに、報告させてもらう」
後日、第五王子がチチェロの魔法学校行きを推薦してくれた。
吐いた影響なのか、チチェロが急激に爆乳になっている。
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