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第五章 転校生は魔王! 百合おじ最後の戦い
第33話 ドキドキな文化祭に、珍客
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文化祭の季節が、やってきた。
魔法科学校の文化祭といっても、基本的にやることは地球のものと変わらない。
露店を開いたり、占いをしたり、メイドカフェがあったりである。
「普通にメイドがいる世界で、メイドカフェなんて流行るのかよ」という、野暮なツッコミはナシだ。普段は貴族ぶっている生徒がメイドをするのが、またいいのである。
それに百合! 百合! 百合の嵐!
メイドカフェで普段は主従関係なんてない貴族同士が、まさか従順なメイドに!
このシチュエーションに抗える貴族など、皆無! 脳を刺激されない貴族なんて、いない!
「あら~」
オレは、快楽物質を発動させて、トリップしていた。
「ユリウス王子。悪いんだが、交代してくれ」
「うむ」
看板役のオレは、他の生徒と交代して接客に回る。
ウチのクラスがやるのは、『聖女リフレ』だ。みんな、聖女・聖人のような衣装を身にまとっている。
正確には、女子は「耳かき」、男子からのサービスは、「足つぼマッサージ」だ。
「ああ! 両方! されて! あたし! 頭が! おかしく! なるぅ!」
カーテンの向こうから、ヤン王女の嬌声が聞こえてきた。
久々に学校に来たヤン王女が、幸せ空間の中にいる。ティナに耳かきを、トマ王子から足つぼを受けて、悶絶しているのだ。カーテンで仕切られているので、公衆の面前でアヘ顔をさらすには至っていない。しかし、声は丸聞こえ。
どっちも堪能しようとする、ヤバめなやつがいるとは。効率重視なのか、それともただの変態なのか。
しかし、いいな。痛みと快感を同時に味わうってのは。それが百合というなら、なおさら!
「ユリウスくん。僕さぁ、気づいちゃったんだよね」
ガセート先輩が、すっごい悪い顔になっていた。
オレもなんだが。
「ああ。これなら……」
合法的に、百合に挟んでもらえる!
「まさか、ヤンディーネンくんに教わるなんて、思っても見なかったよ」
「うちの妻は、贅沢なんです。なにもかも、いいものは味わい尽くしていきたいそうで」
ヤン王女の夫であるアッシェが、ヤンを評価した。「そこがいいのだ」と。
ちなみに、アッシェもオレも、足つぼ担当だ。
ガセート先輩の足つぼを抑えている。
「生徒会たるもの、往来で女性の世話になる姿を見せては婚約などの関係で後々面倒になると思ったから、君たちにお願いしたわけだけど……」
「残念だったな。まあ、オレたちがお願いしても、絶対にしてはくれないだろう」
「だろうね。ああ、もう結構だ。ありがとう」
ガセート先輩が、カーテンを出た。
「次の方、どうぞ」
オレは、次の客を呼び込む。
「お願いします」
「しま~す」
現れたのは、二人組の女性だ。
褐色ダークエルフと、色白のギャルか。珍しい組み合わせだな。どっちもギャルとは。
それにしても、この二人。どこかで見たことがあるんだよなあ。
「いらっしゃ……!?」
客の顔を見た途端、アッシェが青ざめた。
「みんな離れろ!」
焦ったように、アッシェが人払いを行う。
思い出した! このギャル風の二人組の正体を!
コイツら、裏ボスだ!
魔法科学校の文化祭といっても、基本的にやることは地球のものと変わらない。
露店を開いたり、占いをしたり、メイドカフェがあったりである。
「普通にメイドがいる世界で、メイドカフェなんて流行るのかよ」という、野暮なツッコミはナシだ。普段は貴族ぶっている生徒がメイドをするのが、またいいのである。
それに百合! 百合! 百合の嵐!
メイドカフェで普段は主従関係なんてない貴族同士が、まさか従順なメイドに!
このシチュエーションに抗える貴族など、皆無! 脳を刺激されない貴族なんて、いない!
「あら~」
オレは、快楽物質を発動させて、トリップしていた。
「ユリウス王子。悪いんだが、交代してくれ」
「うむ」
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ウチのクラスがやるのは、『聖女リフレ』だ。みんな、聖女・聖人のような衣装を身にまとっている。
正確には、女子は「耳かき」、男子からのサービスは、「足つぼマッサージ」だ。
「ああ! 両方! されて! あたし! 頭が! おかしく! なるぅ!」
カーテンの向こうから、ヤン王女の嬌声が聞こえてきた。
久々に学校に来たヤン王女が、幸せ空間の中にいる。ティナに耳かきを、トマ王子から足つぼを受けて、悶絶しているのだ。カーテンで仕切られているので、公衆の面前でアヘ顔をさらすには至っていない。しかし、声は丸聞こえ。
どっちも堪能しようとする、ヤバめなやつがいるとは。効率重視なのか、それともただの変態なのか。
しかし、いいな。痛みと快感を同時に味わうってのは。それが百合というなら、なおさら!
「ユリウスくん。僕さぁ、気づいちゃったんだよね」
ガセート先輩が、すっごい悪い顔になっていた。
オレもなんだが。
「ああ。これなら……」
合法的に、百合に挟んでもらえる!
「まさか、ヤンディーネンくんに教わるなんて、思っても見なかったよ」
「うちの妻は、贅沢なんです。なにもかも、いいものは味わい尽くしていきたいそうで」
ヤン王女の夫であるアッシェが、ヤンを評価した。「そこがいいのだ」と。
ちなみに、アッシェもオレも、足つぼ担当だ。
ガセート先輩の足つぼを抑えている。
「生徒会たるもの、往来で女性の世話になる姿を見せては婚約などの関係で後々面倒になると思ったから、君たちにお願いしたわけだけど……」
「残念だったな。まあ、オレたちがお願いしても、絶対にしてはくれないだろう」
「だろうね。ああ、もう結構だ。ありがとう」
ガセート先輩が、カーテンを出た。
「次の方、どうぞ」
オレは、次の客を呼び込む。
「お願いします」
「しま~す」
現れたのは、二人組の女性だ。
褐色ダークエルフと、色白のギャルか。珍しい組み合わせだな。どっちもギャルとは。
それにしても、この二人。どこかで見たことがあるんだよなあ。
「いらっしゃ……!?」
客の顔を見た途端、アッシェが青ざめた。
「みんな離れろ!」
焦ったように、アッシェが人払いを行う。
思い出した! このギャル風の二人組の正体を!
コイツら、裏ボスだ!
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