七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第八章 バ美肉、新春特番!

第82話 初配信を見ながら対談:OYA・KATAと

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「こんばんは。OYA・KATA」

「うっす。つばささん、今日はよろしくおねがいします」

 一周年記念企画は、まだまだ続く。
 
 今日はOYA・KATAのお家から、お届けする。

「うまそうですね! OYA・KATA」

「うっす。腕によりをかけました」

 毎回、OYA・KATAはオレたちが来たら鍋を振る舞ってくれるのだ。
 
 鶏団子が、鍋の中で踊っている。

「今日は鍋をつつきながら、OYA・KATAの初配信を見ましょう」

 オレが企画の趣旨を話すと、リスナーが盛り上がった。
 
 やっぱり、OYA・KATAのファンは民度が高い。男女差もあまりなく、リスナー同士のケンカもなし。
 ここまでファンが育つというのは、OYA・KATAの人柄に惚れた人が多いからか。

「うっす。ちょっと照れくさいっす」

「誰もが通った道ですから」

 オレだって、前世の初配信は恥ずくなる。
円城景えんじょうけい つばさはキャラを作り込んでから挑んだから、そこまでの恥じらいはない。
 だが前世は、キャラを確立していなかったから、見るのはかなり抵抗がある。

「では、初配信スタートです!」

 OYA・KATAの初配信を、別窓で流す。
 オレたちは鍋を囲みながら、同時視聴を始めた。

『全国のお兄ちゃん、うっす。ガンカタ系VTuberのOYA・KATAっす』

 画面の向こうで、一年前のOYA・KATAがあいさつをする。

 リスナーたちは、また大盛りあがり。

「あんまり変わらないですね」

「声色が全然違います」

 オレには違いを、感じ取れない。
 だがOYA・KATAからすると、わずかな誤差があるようだ。

「動画だと、ある程度作ってやっているんで、そこまで抵抗感はないっすね。でも配信は、ちょっと恥ずかしいですね」

 OYA・KATAがはにかむ。

『では全国のお兄ちゃん、質問をどうぞ』

 いきなり、質疑応答を始める。

「あーっ。うん、まだ慣れてないからね」

「うっす。プロフィールをまず紹介すべきでしたね」

「いやあ、めちゃめちゃがんばってますよ」

 プロフィールは初動画でお披露目しているから、ここは飛ばしていいという判断だったのだろう。

 初々しいな。飯が進む進む。

『好きなお兄ちゃんのタイプは? ですか……ルックスは、気にしないっす。優しい人が、いいっすね。こっちがドジっても、あまり怒ってこないような。けど、けじめはつけるという感じがいいっす。うっす』

 この辺は、やっぱりブレないな。一年経っても初志貫徹、という具合だ。

「さて、初配信同時視聴が終わったわけですが、ご感想は?」

「やっぱ、恥ずいっす」

 OYA・KATAは、終始含み笑いをしていた。

 相撲取りが照れているのを見ながら食う鶏団子は、めちゃうまい。
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