七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第八章 バ美肉、新春特番!

第94話 双子の恋愛観

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 幼少期から、双子ともども女子に交際を申し込まれることが多かったという。

「ひどいときは、中学の頃。一人の女子から、『双子のどちらとも、付き合いたい』って言われた」

 無神経な女子だ。ガキだから、そんなものなのかもしれない。

「あれから、猛勉強したよね」

「バカと同じ学校に入りたくない」というメンタリティで、双子は関西有数の進学校に入学した。
 タレント活動を併用しつつだったから、さぞキツかったに違いない。

「うわ、すごいじゃん」

 男子校だけど。
 高校に入って、双子の環境は幾分かマシになったという。

「クラスの男子に、ちょっといい感じの子がいて」

「でも、女子校の生徒と付き合っていたから、身を引いた」

「泣いたよね」

「もっくも同じ子がスキで。でも、かなわなくて」

 二人で抱き合いながら、泣きじゃくったそうな。

「大学に入ってからは?」

「ナイショ」

 双子ともども、口に人差し指を当てた。
 
 うわー、すごい。ポーズがすっかり、女子じゃん。

「質問を変えますわ。わたくしとつばささま。フリーだとして、どちらと交際なさりたいですの?」

 えらい質問だな。

 だが双子は、迷わずオレを指さした。

「モテモテではないですか、つばささま」

「いやいや、既婚者だからねっ。でもどうして私なわけ?」

 オレは妻がいるので、双子の要望には答えられない。とはいえ、一応聞く。

「別に、魅罪みつみちゃんが嫌いってわけじゃない」

「そうそう。デートなら、魅罪ちゃんのほうが楽しいかも。おいしいお店を知っているし、お酒もいいものを選んでくれそう」

 二人からそう告げられて、魅罪も「ありがとうございますわ」と照れている。
 
 この双子、めちゃかわいいんだよなあ。同性なのに、美少女と見間違えるほどだ。

「つばさちゃんは妻帯者さんだから、きっと優しい」

「いっしょに家事とかしてくれそう」

 付き合うなら魅罪だが、結婚するならオレってわけか。

 なるほど、無難な回答だな。

「それに、実はつばさちゃん推し」

「ワタシも」

 双子共々、オレのファンだという。

「ありがたいな。さいれんとびぃむが私を推してくれているとか」

 オレは感謝を込めて、二人にサインを書く。

「ありがとう」

「一生、大事にする」

 大げさな。

「さて、宴もたけなわになってきましたところで、魅罪ちゃんのコイバナに移ろうかと……」



「なによ、その女!」



 女性の怒鳴り声が、収録中の現場に轟く。

 声の方を向くと、女がいた。ファー付きの高そうなコートをまとい、下は薄いドレス姿である。

 女の手には、包丁が握られていた。
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