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第二部 敵の名は、海賊版《ブートレグ》 2-1 殴りウィザード、王様に会いに行きます。
魔導占術師《マギ・マンサー》:サピィサイド
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魔王グスターヴォ・ダミアーニを待つ間、サピロスはずっと研究資料を読んでいた。
手持ち無沙汰な上、魔王の執事から「好きに読んでいい」と言われたからだ。
本棚の端から、蔵書を読み漁る。
カプセルの中にいる、ジェンマも気になっていた。
しかし、それはダミアーニ卿がこちらに来てから聞けばいい。
しかし、圧倒的に時間が足りなかった。
いくら読んでも、知っている情報しかない。
これだけの本を調べ尽くそうとすれば、数年はかかるだろう。
盗み見のようで悪いが、特殊技能を使わせてもらうことにした。
魔法資料の情報を収集する職業、【マギ・マンサー】のスキルを発動する。
景色が、海の底のような風景に変わった。高次元の魔法世界が、姿を表す。サピロス自身も、水の中に潜った感覚になる。
この中で、もっとも魔力の高い本を探し出すのだ。
不要な情報は切り捨て、必要な情報だけ手に入れる。
マギ・マンサーには、それができるのだ。
五分という制限時間付きだが。
本来、サピロスはマギ・マンサーとしての技能が高い。
お供のスライムの手まで借りて、すべて記憶して帰るつもりで調べ尽くす。
「ありましたね。急いで調べましょう」
最も強い魔力を放つ本を見つけた。
普通に読めば、ただの魔法文字の翻訳辞書にしか見えない。
厳重に、情報のロックが掛かっている。
「こんなセキュリティは危ないと、教えてあげたほうがいいですね」
パスワードなど、サピロスからすれば子どもの絵を解読するに等しい。
本を手にとって、ページを捲るでもなく記憶した。
「なるほど。オミナスを作り上げたのは、錬金術師のファウストゥスという魔王なのですね」
ファウストゥスの所在は、わからない。
実在するのかも、謎とされていた。
しかし、『武器に頼らないこと』を至上としていたダミアーニとは度々敵対していたと書かれている。
また、落涙公などのスライム系にはオミナスが取り憑けないとも。
それで、父ギヤマンは消された可能性がある。
時間にして三分。それでも十分だった。
「よぉ、随分と熱心に読んでいたじゃねえか」
魔王ダミアーニが、部屋に入ってくる。
手元のお茶が冷めていた。
それだけ、集中していいたのだろう。
「ええ。よくこれだけオミナスの資料を集めていましたね」
「ああ。オレサマに敵対しているヤツラは、多いからな」
執事が、何も言わずにお茶を淹れ直してくれた。
「やはり、あなた方にオミナスをけしかけたのは」
「そのとおりだ。オレが君臨しているのを快く思っていない連中だよ」
ファウストゥス、とサピロスがけしかける。
「そんなヤツもいたなぁ。処刑しようとして、逃げられたが」
話からして、おそらく黒幕はファウストゥスだろう。
「それで、この中身は『本物の』ジェンマですね?」
サピロスが、核心を突く。
高次魔法空間に潜ってわかったのだ。
空間に入ったのは、それを確認するためでもあった。
かすかに、ジェンマの魂が宿っている。
「よくわかったな。さすが、高レベルのマギ・マンサーだぜ。そうだ。こいつはジェンマだよ」
葬儀に出したのは、細胞から精巧に作り上げたジェンマのクローン体だとか。
外見だけ似せて、中身はハリボテだとか。
「ジェンマは死んだことにしておいたほうが、都合がいい」
「それは、あなたの都合ですよね?」
「本人の希望だ」
ダミアーニは、首を振って否定した。
自分用に注がれたお茶を、一気に煽る。
「この状態にしておくことが、ジェンマ自身の意志だと?」
「ああ。それに、完全復活とはいかない。七割型サイボーグ化しないと、生きられないだろう」
生還したとしても、不憫な状態だと。
「今日はもう帰りな。情報は集めただろ?」
「ええ。お世話になりました。ジェンマが目覚めたらよろしく」
「伝えておく。わざわざすまんな」
当面は、ファウストゥスの討伐を目的とするか。
ファウストゥスの姿までは、確認できなかった。
それでも、次の指標はできたか。
手持ち無沙汰な上、魔王の執事から「好きに読んでいい」と言われたからだ。
本棚の端から、蔵書を読み漁る。
カプセルの中にいる、ジェンマも気になっていた。
しかし、それはダミアーニ卿がこちらに来てから聞けばいい。
しかし、圧倒的に時間が足りなかった。
いくら読んでも、知っている情報しかない。
これだけの本を調べ尽くそうとすれば、数年はかかるだろう。
盗み見のようで悪いが、特殊技能を使わせてもらうことにした。
魔法資料の情報を収集する職業、【マギ・マンサー】のスキルを発動する。
景色が、海の底のような風景に変わった。高次元の魔法世界が、姿を表す。サピロス自身も、水の中に潜った感覚になる。
この中で、もっとも魔力の高い本を探し出すのだ。
不要な情報は切り捨て、必要な情報だけ手に入れる。
マギ・マンサーには、それができるのだ。
五分という制限時間付きだが。
本来、サピロスはマギ・マンサーとしての技能が高い。
お供のスライムの手まで借りて、すべて記憶して帰るつもりで調べ尽くす。
「ありましたね。急いで調べましょう」
最も強い魔力を放つ本を見つけた。
普通に読めば、ただの魔法文字の翻訳辞書にしか見えない。
厳重に、情報のロックが掛かっている。
「こんなセキュリティは危ないと、教えてあげたほうがいいですね」
パスワードなど、サピロスからすれば子どもの絵を解読するに等しい。
本を手にとって、ページを捲るでもなく記憶した。
「なるほど。オミナスを作り上げたのは、錬金術師のファウストゥスという魔王なのですね」
ファウストゥスの所在は、わからない。
実在するのかも、謎とされていた。
しかし、『武器に頼らないこと』を至上としていたダミアーニとは度々敵対していたと書かれている。
また、落涙公などのスライム系にはオミナスが取り憑けないとも。
それで、父ギヤマンは消された可能性がある。
時間にして三分。それでも十分だった。
「よぉ、随分と熱心に読んでいたじゃねえか」
魔王ダミアーニが、部屋に入ってくる。
手元のお茶が冷めていた。
それだけ、集中していいたのだろう。
「ええ。よくこれだけオミナスの資料を集めていましたね」
「ああ。オレサマに敵対しているヤツラは、多いからな」
執事が、何も言わずにお茶を淹れ直してくれた。
「やはり、あなた方にオミナスをけしかけたのは」
「そのとおりだ。オレが君臨しているのを快く思っていない連中だよ」
ファウストゥス、とサピロスがけしかける。
「そんなヤツもいたなぁ。処刑しようとして、逃げられたが」
話からして、おそらく黒幕はファウストゥスだろう。
「それで、この中身は『本物の』ジェンマですね?」
サピロスが、核心を突く。
高次魔法空間に潜ってわかったのだ。
空間に入ったのは、それを確認するためでもあった。
かすかに、ジェンマの魂が宿っている。
「よくわかったな。さすが、高レベルのマギ・マンサーだぜ。そうだ。こいつはジェンマだよ」
葬儀に出したのは、細胞から精巧に作り上げたジェンマのクローン体だとか。
外見だけ似せて、中身はハリボテだとか。
「ジェンマは死んだことにしておいたほうが、都合がいい」
「それは、あなたの都合ですよね?」
「本人の希望だ」
ダミアーニは、首を振って否定した。
自分用に注がれたお茶を、一気に煽る。
「この状態にしておくことが、ジェンマ自身の意志だと?」
「ああ。それに、完全復活とはいかない。七割型サイボーグ化しないと、生きられないだろう」
生還したとしても、不憫な状態だと。
「今日はもう帰りな。情報は集めただろ?」
「ええ。お世話になりました。ジェンマが目覚めたらよろしく」
「伝えておく。わざわざすまんな」
当面は、ファウストゥスの討伐を目的とするか。
ファウストゥスの姿までは、確認できなかった。
それでも、次の指標はできたか。
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
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