レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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第二部 敵の名は、海賊版《ブートレグ》 2-1 殴りウィザード、王様に会いに行きます。

サピィとフェリシア

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 城から再度、アイレーナの工房へ戻る。

「トウコ。お前さ、お城でえらいおとなしかったな」
「お腹いっぱいだったから、半分寝ていたぞ」

 そういえば、母親に朝食を大量に食わされていたっけ。

「城に呼ばれたのは、おっとぉとランバートだろ? アタシは行く必要があったのかなーって、思ったぞ」
「城の防衛パーティ全員、っていっていたからな」

 しかし、サピィは連れて行かなくて正解だったかも知れない。もし連れて行っていたら、騎士団とトラブルになっていた可能性がある。

「ただいま戻りました」

 言っている側から、サピィが【魔界】から帰ってきた。

「おかえり」

 オレは、サピィにお茶を用意する。

「ありがとう、ランバート」 

 なんともないようだが、表情は重い。

「襲撃とかなかったか?」
「ご安心を。殺気を放つ輩はいましたが、直接わたしに手を下そうとするほどでは。どちらかといえば、好意的な方でした」
「はあー。サピィちゃんになにかあったらって思ったらさ」

 フェリシアが、「サピィ?」と立ち上がる。

 そうか、まだ紹介していなかったな。

「紹介するよ、フェリシア。彼女がサピィ・ポリーニだ。こちらは」
「それでは、あなたが現【落涙公】なの?」

 フェリシアが聞くと、サピィは「はい」と肯定した。

「本名を、サピロス・フォザーギルと。あなたは?」
「私はフェリシア・モーテンセン。ペールディネの近衛騎士よ。元騎士だったといえばいいかしらね」

 自嘲気味に、フェリシアが笑う。

「クビになられたのですか? 問題を起こすような方にはとても」
「問題を起こしそうな人を調査しろ、と国王から言われたの。私も、あなたのような可愛い子が魔王だなんて信じられないわ」

 フェリシアは書面上は「君主」となっている。
 つまり、自立できるのだ。
 その気になれば、建国も可能である。

「もっと、怖い顔をしていると思っていたわ」
「わたしは魔王の中でもヒヨッコなので」
「でもわかるわよ。あんたからは、すごいパワーを感じる」
「ありがとうございます」

 席に付き、改めて互いに自己紹介をし合う。

「そう。お父上を」

 父を殺害されたと聞いて、フェリシアは心を痛めている表情を見せた。

「今は私が現当主です。当主と言っても、表立って活動はしていません。魔王と名乗っては射ますが、世界を支配しようとまでは」
「私も父を殺められたら、そこまで冷静になれるかしら。復讐に身を寄せてしまうんじゃ……」
「フェリシアさん?」

 サピィに声をかけられて、フェリシアは我に返る。

「なんでもないわ。で、ではフィーンド・ジュエルとかいうアイテムと、工房を見せていただけるかしら?」

 階下へ向かい、フェリシアに鍛冶屋を見てもらった。

「ではあなたが、この工房の管理を任されているのね?」
「お金と物資を出しているだけです。実質的な運営は、コナツさんが」

 フィーンドジュエルの装備を、フェリシアがチェックする。

「どの武器も、信じられないくらい練度が高いわ。ウチにもドワーフで鍛冶屋の知り合いがいるけど、ここはトップクラスよ」
「ペールディネの方に褒められるとは、誉れ高いね」

 腕を組みながら、コナツがため息をつく。

「近々、お城から店舗の案内などがあると思うわ。けれど、一週間くらい見てもらいたいの。その間に、仕事ぶりを見せてちょうだい」
「鍛冶の? ハンターの?」
「両方よ」

 再び自室へ戻り、今後のことについて話し合う。

「錬金術師の魔王、ファウストか」

 それが、今回の騒動を引き起こした黒幕のようだ。

「ファウストに関しては、ダミアーニが情報をくれるそうです。我々も情報を集めますが、個人では限界もあるでしょう」

 それまでは、ファウスト打倒のために爪を研ぐことにしたらしい。

「なら、ギルドでも情報を集めましょうよ。依頼も受けながら。座っていても始まらないわ」

 依頼を受けるため、ペールディネの冒険者ギルドへ。
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