レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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2-3 贋作の製造元を、殴りに行きます

海賊版《ブートレグ》

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「ブートレグ、とは?」
「人為的に作られた、レアアイテムです」

 一言でいうと、レアの廉価版だという。

「他のレアとの違いは?」
「こちらをよく見てください」

 柄や鞘、石突の部分を、見えるように近づけた。

「よく見ると、魔物の牙や爪が取り付けられているな!」

 大声で、トウコが指摘する。

「わたしのフィーンドジュエル装備と、構造は同じです。しかし、こちらは呪われたアイテムです」

 他のレアとの大きな違いは、明らかな悪意を持って製造された点だという。

「これには、ヴァイパー族の爪や牙、目などが利用されています」
「ヴァイパー族が、作ったというのか?」
「はい、ランバート。ヴァイパー族は、武器製造にも長けているそうですから」

 ペールディネを狙っていた魔物も、ヴァイパー族である。

「オフェーリアを連れ去ろうとした盗賊は、ヴァイパーと繋がっていたというのですね?」
「そう考える方が、自然かと」

 おそらく何らかの理由で、ヴァイパー族がブートレグを盗賊たちに与えて手駒にしたと。

「ヴァイパー族に目をつけられるようなことで、お心当たりはありませんでしょうか?」
「我々からは、どうも。しかし、考えられることが……」

 首を横に振った後、思い出したかのように国王が身を乗り出す。

「先程話したエルトリ国は、ヴァイパー族の巣に近いのですね」

 エルトリには大きな沼に囲まれた神殿があり、根城になっているという。
 攻略しようとも、エルトリの戦力では難しいそうだ。

「エルトリとヴァイパーは、長年敵対しています。彼らがヴァイパーと繋がっているとは考えにくいかと」

 たしかに、エルトリは先代王から屈辱を受けている。
 だからといって、敵と手を組むほどだろうか、と。

「エルトリとペールディネの関係はわかりました。サドラーとはどういうご関係で?」
「サドラーのヒルデ王女とはお会いしましたね? エルトリ国から、縁談を持ちかけられています。しかし、そちらは大臣側の提案でして」

 国王は、友好関係のある、南東のヒューコという国と繋がりたいそうだ。ヒューコとエルトリとの間に、サドラー小国は位置している。

「ヒューコなら、ペールディネと因縁はありません。ヒルデ王女も、ヒューコとの交流を望んでいます。あちらは食料が豊富ですし。しかし、大臣側は軍事を固めたいと」

 ゆくゆくは、ペールディネを攻め落としたいと考えているらしい。

「大臣は、ペールディネと怨恨が?」
「お話ししたエルトリ王妃が、大臣の娘なのです」

 大事な娘を傷物にされ、頭にきていると。

「エルトリ国王は、どういうお立場で?」
「正妻である王妃とは、離縁しました。元々、二人に愛情はありませんでしたから。王はどちらかというと、側室と仲がよくて」


 側室との間に継承者ができて、正室はますます地位を追われた。


「怒っているのは、むしろ大臣の方なのです。自分の地位も、怪しくなったのですから」
「だとしたら、妙ですね」

 アゴに手を当てて、サピィが考え込む。

「どうして賊は、ヒルデ様とオフェーリア様を間違えたのでしょう?」

 サピィが疑問を投げかけた。

 そういえば、そうだ。
 大臣がけしかけたなら、ヒルデを襲うだろうか?
 恨みがあるとすれば、オフェーリアことフェリシアだろう。

 騎士の一人が、盗賊を尋問した経緯を報告しに来た。

 賊を調べたところ、謎の男から「ヒルデをオフェーリアだと指示された」らしい。

「敵の目的が、オフェーリア様ではなく、ヒルデ様だとしたら?」
 カーティス王が、玉座を握りしめた。


 ひとまず、サドラーに向かったほうがいいだろう。
 機動馬車を借りるため、ギルドへ。

 しかし、ギルドで一人の老人が暴れだす。

 ギルド作業員が騒ぐ。

「大変だ! 鑑定士が発狂した!」
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