レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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最終部 レアドロップしない男と、レアドロップしまくっていた男 4-1 ふぬけたドワーフを、殴ります

刺客と、隠し剣

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「ランバートッ! サンドワームの上に、人がいるぞ!」

 トウコが、ワームの口の上を指さした。

 見るとたしかに、ガッチリした体型のアーマーをまとった大男が。胸部分までパイプがつながった、マスクをしていた。背中から、蒸気を放出していた。

「我は【墓穴】のブルーノ。χカイの領域に踏み込もうとする愚か者共よ。ここで朽ち果てるがいい」

 機械音のような声で、ブルーノと名乗った男が声を発する。あの男も、秘密結社χの一味か。

 ブルーノが、ワームを操作した。大きく旋回し、速度を上げてこちらに向かってくる。

 ワームの口内は、掘削ドリルのようになっていた。

「おらああ!」

 巨大ワームの攻撃を避けると同時に、【ディメンション・セイバー】を放つ。

 だが、刀からの衝撃波は、ワームの装甲を切り裂けない。硬いというより、弾力がありすぎる。跳ね返されるのだ。これでは、トウコの格闘術も役に立たないだろう。

 フェリシアの銃を、口の中に撃ち込む手もあった。だが、危険すぎる。
 同じことを考えていたのか、フェリシアは手に銃を持っていた。

「ムリをするなフェリシア。対策はこっちで考える」

 仲間を失えば、俺たちの旅はつらいものになる。

 とはいえ、攻めあぐねているまま防戦一方に。どうにかアイレーナのギルド隊員は、守れているが。彼らには重大な任務がある。死なせるワケにはいかない。

「ランバート、あのワームはχと一体化しています」

 サピィが、教えてくれた。

 背中のパイプと、ワームが繋がっている。

「わかった。俺に任せてくれ!」

 なにも俺は、自分を犠牲にしに行くわけじゃない。今こそ、この剣を試すとき。

「おらあああ!」

 俺は、ワームの背中に飛び乗った。

「ランバート!」

「来るなトウコ! フェリシアと一緒に、ギルド員を守れ!」

 コイツは、俺がやる。

「ムダなことを。おとなしく粉々になるがよい」

「あいにく、墓穴を掘る趣味はなくてね」

 ブルーノの斧を、刀で受け止めた。

「非力な魔術師と聞いていたが、ウワサは本当だったか」

 さすがχの刺客だけあって、自身の戦闘力も高い。

「こんなエルフより細い枯れ木のような腕で、よく今まで生きてこれたものだ」

「仲間の協力があったからな」

 ブルーノの斧を、【イチモンジ】で受け止める。
 俺は隅にまで押し込まれた。

「うお!?」
 ワームの背中で足を滑らせて、転落間近に。

 どうにか落下は阻止できた。が、転倒して仰向けになってしまう。

 落ちれば、ワームに潰される。
 そうでなくてもブルーノを倒さなければ、斧で真っ二つにされるだろう。

「これまでだ。死ぬがよい【秘宝殺しレア・ブレイク】!」

 さらに、ブルーノが斧を振りかぶった。

「お前も俺たちの絆の力、味わうがいい!」

 鞘に、俺は魔力を込めた。鞘の奥が、青く光る。

「な!?」

「おらあ!」

 刀の鞘が、二つに割れた。【イチモンジ】の中から、【黒曜顎コクヨウガク】が姿を現す。黒曜石でできた刀を、俺はブルーノの腹に突き刺した。

「ぐふううう!」

 全身を覆うアーマーの中で、ブルーノが爆発する。

 同時に、サンドワームが動きを止めた。列車並みの巨体が、ジュクジュクとしぼんでいく。

「やったな、ランバート!」

「強敵だった」

「それにしても、その刀は? 父ちゃんが作ったのか?」

「ああ。イチモンジと黒曜顎を、一本にまとめたんだ」

 いわゆる仕込杖や、隠し剣と呼ばれるものである。

「ランバート、これを見てください」

 サピィが、ブルーノの残骸を指さした。

 死体の元へと向かう。

「な、これは……」

 ブルーノは、シーデーと同じ【フォート族】だったのである。つまり、ロボットだ。

「すまないシーデー、同胞を殺してしまった」

「構うものですか。あなた方も姫も、同族と戦っているではありませんか。同じ型とは言え、思想は違います」

 シーデーは、気にする様子はない。

「ですが、この付近のフォート族は、敵か味方かわかりませぬな」
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