レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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4-5 かつての友と殴り合います。

崩壊

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――クリム視点


 クリム・エアハートは、「本物」のファウストゥスのクローンである。

 だが、【虚弱公キョジャクコウ】スケルトン・ロードが、卑劣にも彼になりすました。

 父ファウストゥスの尊厳を穢し、戦争を引き起こした科学者として風聴したのだ。

 絶対、許すワケにはいかない。

 しかし、その油断がクリムの精神を支配されるという失態を生む。

 ランバート・ペイジがいなければ、自分は憎むべき虚弱公として一生を終えるところだった。

 スケルトン・ロードのアジトへ向かう。

「報復刀は、殺せたようだな」

 虚弱公のエネルギー源である報復刀ウェイジス・エッジは、壊されている。
 とはいえ、まだ油断はできない。

 やつはまだ、生きている。

 銃を構えて、虚弱公を探す。
 いた。祭壇の棺桶の中で眠っていた。ランバートたちに発見されないような場所で、ひっそりと。

「はあ、はあ! こんな、はずでは」

 生命の源だったウェイジス・エッジを破壊されて、ほぼ虫の息だ。しかし、殺しきらなければ。

「お前の負けだ。虚弱公」

 クリムは、棺桶に眠るスケルトンに銃を向ける。

「ムダだ。オレサマは、【秘宝殺しレア・ブレイク】でしか殺せない。にっくきお前の父親が開発した究極のスキルだよ。オレサマを殺すためだけの、生体兵器だけでしかオレサマを消滅させることはできない! 本体がある限り、オレサマは永遠に増殖を続けるのだ!」

「そうだな。お前が恐れるその生体兵器が、オレにとっておきの武器をくれたぜ」

 クリムは、自身の銃に【月】のフィーンド・ジュエルをはめこんだ。

「そ、それは!?」

「ああそうさ。ランバートが、お前を倒したことで手に入れたジュエルだよ。これがあるおかげで、オレにも【秘宝殺し】が使えるようになったのさ」

 ありがとう、ランバート。

「秘宝殺し」

「ひい、やめ――」



 無表情で、クリムは引き金を引いた。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「行くぞ!」

「ええ。きゃあ!」

 部屋の壁が崩壊した。
 これまでかと思われたが、違うようだ。

「おーい! ランバート!」

 壁の穴から、トウコの声が聞こえる。
 巨大なドラゴンに乗って、フェリシアやシーデーたちが迎えに来てくれたのだ。

「探したぞランバート。こっちだ!」

 操縦席から、リックが声をかけてくる。

「リック! サピィを先に頼む!」

 サピィを先に行かせて、俺は後で乗り込む。

「しっかりつかまれ、ランバート!」

 トウコが、俺を引っ張ってくれた。機械仕掛けのドラゴンに、乗り込む。

「ランバート、クリムは!?」
「クリムは……」

 ダーン……と、クリムの銃がなる音がした。

 彼は、成し遂げたのだろう。


「生きてるさ、きっと」

 ドラゴンの背中に乗って、俺はクリムの消えた後をずっと見ていた。
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