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第三章 FIRE失敗民、違法ダンジョンをぶっ壊す
第25話 アイザック騎士団
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冒険者ギルドとの契約は、そういったダンジョンの瘴気を体内に取り込まない作用もあるのだ。
コードを体内に浸透させなければ、心身をダンジョンに侵食されてしまう。
馴染みのない人間にとって、ダンジョンが放つ【魔力】とは、それだけ危険な成分なのだ。
『来ますよ。ミツルさん』
「くらいやがれ。【チェイン・ライトニング】キック!」
魔法を込めた蹴りで、オークの集団をぶっ飛ばす。蹴りというより、踏みしめだが。
敵を踏んだ勢いのまま、雷撃を一面に撒く。
「【爆炎】!」
ロニも、遠慮なく魔法でモンスターを蹴散らしていった。
オレの雷撃で動かなくなった敵に、爆炎を見舞って粉砕していく。
「ミツル、これ、キリがない!」
「これだけの規模だ。どこかで途切れる!」
幸い、ロニには魔力回復の指輪がある。そうそう、魔力の枯渇はしないだろう。
オレは、パワーセーブしておくか。
「そういえば、ファイアソードも、アップデートされているって聞いたな。そらぁ!」
戦士タイプにファイトスタイルを切り替えて、オレはファイアソードでオークを薙ぎ払う。
「おおおおおっ!」
焔の波が、オーク共を消し炭にした。しかも、ロニの爆炎より範囲が広いではないか。
おまけに、こちらの魔力消費はゼロというね。
道具として使うだけで、炎の海を作り出す剣かよ。
「ロニ、キナ子。ザコはオレに任せろ!」
『出ました。【ボルケーノベア】です』
「ここでも、一般通過かよ!?」
コイツ、もはやボスじゃないよな。ちょっと強いザコ敵だ。
まあ、オレたちが強くなりすぎているため、ちょうどいいんだけど。
「どけえ!」
もはや、レベル二〇程度のボスなんぞ、物の数ではない。
「とはいえ、クマーの数も結構なもんだな」
「でも、もう心配はなさそう」
ロニが、後ろを親指で示す。
「おらあ! アイザック騎士団じゃコラアア!」
西洋風のヨロイに身を固めた集団が、ダンジョンに押し寄せてきた。
「あれは?」
「援軍の、アイザック騎士団」
別件で、遅れてきたらしい。
「おとなしくせえや、コラ!」
「邪魔なんじゃ、ゴラア!」
騎士団たちが、オークやボルケーノベアたちを軽々と抑え込む。数の暴力もそうだが、質も高いな。オークって、かなり強いザコのはずなのに。
冒険者たちも奮闘しているが、騎士団ほどではない。
「しばくぞオラ!」
「抵抗すんなやボケが!」
それにしても、戦い方が乱暴である。騎士団だよな? どうも、ガラが悪い。
「海賊や盗賊が、メインの相手だからね。ナメられないように、あんな感じになっちゃったんだって」
エグい環境なんだな、ジェラーノって。
「待てよ。さっきアイザックって言ったよな?」
「そうだよ」
もしかして。
「アイザック! どこだ!」
ひときわデカい、四角い顔の騎士が、オレの元にやってきた。オークがしがみついてきても、軽々と剥がす。
「ここや! アンタは誰や?」
「オレはミツルだ。元ヒガンっていえばわかるか?」
「ああ。アンタかいな! ワシはアイザックや! ヒガンには世話になったで!」
アイザックは、オレの元パートナーだった男だ。当時はレベルが二五で固定だったため、一時的な加入だったが。
「せやけど、ホンマにヒガンなんか? 顔もヒガンより、ちょいオッサンっぽいし。ヒガンしか知らん情報とかないけ?」
「お前、昔は義賊団の頭目じゃなかったか?」
かつてアイザックは義賊と称して、悪徳金融会社などを潰して回っていた。
「たしかに、アンタはヒガンのようやな!」
ようやく、アイザックもオレを信じてくれたようである。
オレが依頼を受けて、倒したのである。その後、正式に騎士団にスカウトした。
「おかげさんで、このとおり部隊を率いさせてもろうとる。ヒガンのおかげやで!」
「出世したんだな」
「おおきにやで、ヒガン。それにしても、ちょっと弱くなったか? それでも、ワシより強いみたいやが」
「色々あってな。弱体化した」
「さよか。それでもアンタには、世話になったさかい。アンタの頼みやったら、なんでも聞いたるで」
アイザックが、槍をぶん回してオークを細切れに。
しかし、騎士団の快進撃が止まった。
「大将! えらいゴツい魔物がいまっせ!」
「どないや!?」
アイザックが、槍を構える。
「キミたちさ。随分と、ハデにやってくれたね」
半袖短パンの男が、戦場となったダンジョンを軽い足取りで闊歩した。
魔物も騎士団も、キックでぶっ飛ばしている。
「何者だ、お前は?」
「やあ。僕の名前はベリト。この違法ダンジョンを作っている魔王さ」
コードを体内に浸透させなければ、心身をダンジョンに侵食されてしまう。
馴染みのない人間にとって、ダンジョンが放つ【魔力】とは、それだけ危険な成分なのだ。
『来ますよ。ミツルさん』
「くらいやがれ。【チェイン・ライトニング】キック!」
魔法を込めた蹴りで、オークの集団をぶっ飛ばす。蹴りというより、踏みしめだが。
敵を踏んだ勢いのまま、雷撃を一面に撒く。
「【爆炎】!」
ロニも、遠慮なく魔法でモンスターを蹴散らしていった。
オレの雷撃で動かなくなった敵に、爆炎を見舞って粉砕していく。
「ミツル、これ、キリがない!」
「これだけの規模だ。どこかで途切れる!」
幸い、ロニには魔力回復の指輪がある。そうそう、魔力の枯渇はしないだろう。
オレは、パワーセーブしておくか。
「そういえば、ファイアソードも、アップデートされているって聞いたな。そらぁ!」
戦士タイプにファイトスタイルを切り替えて、オレはファイアソードでオークを薙ぎ払う。
「おおおおおっ!」
焔の波が、オーク共を消し炭にした。しかも、ロニの爆炎より範囲が広いではないか。
おまけに、こちらの魔力消費はゼロというね。
道具として使うだけで、炎の海を作り出す剣かよ。
「ロニ、キナ子。ザコはオレに任せろ!」
『出ました。【ボルケーノベア】です』
「ここでも、一般通過かよ!?」
コイツ、もはやボスじゃないよな。ちょっと強いザコ敵だ。
まあ、オレたちが強くなりすぎているため、ちょうどいいんだけど。
「どけえ!」
もはや、レベル二〇程度のボスなんぞ、物の数ではない。
「とはいえ、クマーの数も結構なもんだな」
「でも、もう心配はなさそう」
ロニが、後ろを親指で示す。
「おらあ! アイザック騎士団じゃコラアア!」
西洋風のヨロイに身を固めた集団が、ダンジョンに押し寄せてきた。
「あれは?」
「援軍の、アイザック騎士団」
別件で、遅れてきたらしい。
「おとなしくせえや、コラ!」
「邪魔なんじゃ、ゴラア!」
騎士団たちが、オークやボルケーノベアたちを軽々と抑え込む。数の暴力もそうだが、質も高いな。オークって、かなり強いザコのはずなのに。
冒険者たちも奮闘しているが、騎士団ほどではない。
「しばくぞオラ!」
「抵抗すんなやボケが!」
それにしても、戦い方が乱暴である。騎士団だよな? どうも、ガラが悪い。
「海賊や盗賊が、メインの相手だからね。ナメられないように、あんな感じになっちゃったんだって」
エグい環境なんだな、ジェラーノって。
「待てよ。さっきアイザックって言ったよな?」
「そうだよ」
もしかして。
「アイザック! どこだ!」
ひときわデカい、四角い顔の騎士が、オレの元にやってきた。オークがしがみついてきても、軽々と剥がす。
「ここや! アンタは誰や?」
「オレはミツルだ。元ヒガンっていえばわかるか?」
「ああ。アンタかいな! ワシはアイザックや! ヒガンには世話になったで!」
アイザックは、オレの元パートナーだった男だ。当時はレベルが二五で固定だったため、一時的な加入だったが。
「せやけど、ホンマにヒガンなんか? 顔もヒガンより、ちょいオッサンっぽいし。ヒガンしか知らん情報とかないけ?」
「お前、昔は義賊団の頭目じゃなかったか?」
かつてアイザックは義賊と称して、悪徳金融会社などを潰して回っていた。
「たしかに、アンタはヒガンのようやな!」
ようやく、アイザックもオレを信じてくれたようである。
オレが依頼を受けて、倒したのである。その後、正式に騎士団にスカウトした。
「おかげさんで、このとおり部隊を率いさせてもろうとる。ヒガンのおかげやで!」
「出世したんだな」
「おおきにやで、ヒガン。それにしても、ちょっと弱くなったか? それでも、ワシより強いみたいやが」
「色々あってな。弱体化した」
「さよか。それでもアンタには、世話になったさかい。アンタの頼みやったら、なんでも聞いたるで」
アイザックが、槍をぶん回してオークを細切れに。
しかし、騎士団の快進撃が止まった。
「大将! えらいゴツい魔物がいまっせ!」
「どないや!?」
アイザックが、槍を構える。
「キミたちさ。随分と、ハデにやってくれたね」
半袖短パンの男が、戦場となったダンジョンを軽い足取りで闊歩した。
魔物も騎士団も、キックでぶっ飛ばしている。
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