転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。

椎名 富比路

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第三章 魔王、本格始動

第35話 魔王ミルドレット

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 俺が攻撃をしたことによって、別働隊が動く。王都襲撃より、魔王の守護を優先したのだ。

「どけどけぇ!」

 オレは大群にミサイルを撃って、数を散らしていく。潰す必要はない。隊列を乱して、連携を取らせない作戦だ。

 ミサイルが効かない大型の魔物が、俺に突っ込んできた。

 一つ目の巨人が、鉄でできた棍棒を振り上げる。

 ロングシールドを構えて、衝撃に備えた。

「うえおップ!」

 やはり、無理があったか。オレの身体は、後ろへ大きく吹っ飛んだ。

「ムチャだよ、モモチ!」

 シールドから、ニョンゴがニョキッと姿を表す。

「これくらいしないと、相手に舐められる!」

 受け流すのが賢明なのは、わかっていた。仮にも竜胆の騎士ジェンシャン・ナイトって名乗っているしな。迎え撃たないと。

 ニョンゴには怒られたが、得るものは多かった。

 いくら図体がでかいからって、ウェザーズに比べれば出力は低い。とはいえ、頑丈な相手な相手には変わりなかった。

「こんなヤツラは」
「転倒させるに限るね!」

 巨人の足を撃って、ダウンさせる。そこへ、目潰し。

 目を失った巨人が、棍棒を振り回して暴れ出す。

 その勢いで、隊列がまた大混乱に。

 同じような戦法を二、三度試し、敵を壊滅寸前にまで追い込んだ。

 しかし――。

「ぬん!」

 魔王ミルドレットの側近によって、デカイ魔物どもが破壊される。

 ウェザーズ基準で申し訳ないが、そいつの三倍は強いかも。

「テメエは?」

 オレは、怪物を殺した魔族に問いかけた。

 そのモンスターは肌が緑色で、腕が四本もある。

「カオスデビル。主、ミルドレットの片腕なり」

 こんなヤツを連れているのかよ。

「やあ、ジェラン。泣き虫ジェランが、えらい変わりようじゃないか」

 ニョンゴが、魔王に語りかける。

「その声は、竜胆の魔女か。随分と丸っこくなったではないか」

 魔王ミルドレットは、王冠と一体化したマスクを付けて、闇色のローブをまとっている。ローブの闇の中では、銀河が渦を巻いていた。このローブ自体が、魔力の塊らしい。

「あれ? 声色まで変えて。ヨロイなんて着るタチだったっけ?」
「ドクター・イシロウに作らせた。この身体があれば、貴様らごとき」
「その割には、部下に守らせているようだけど?」

 カオスデビルとかいう巨体が、オレに殴りかかった。ニョンゴの言葉を、侮辱ととらえたのだろう。

「ジェンシャン・スラッッシュ!」

 デビルが拳を振り落とす直前に、オレの動作は終わっていた。

 オレが刀を納めると、デビルが斜めに切断される。

 これで、ウェザーズなんざもう目じゃねえってわかった。

「おもしろいおもちゃを、手に入れたものだな。魔女よ」
「彼は、頼もしい仲間だよ」
「それをおもちゃというのだ」

 今度は、オレが仕掛ける。

 銃で、ミルドレットの胸に光弾を撃ち込む。

 しかし、ローブの銀河に飲み込まれていった。
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