勇者が最速魔王討伐に夢中で世界が崩壊寸前。代わりに友人の僕が領地経営やモフモフ娘の救出など人助けしまくっていたら最強に

椎名 富比路

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第五章 天空城のあとしまつ

第47話 襲撃してきたスケルトンを撃退する

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 中立地帯の均衡を破り、モンスターが暴れている。どれもスケルトン兵士だ。

「アユム、私たちも」
「おう」

 僕たちは抜剣し、スケルトンを撃退していく。

 被害はそんなに出ていないが、数が多すぎる。おまけに、物理的な攻撃を与えても、すぐに再生してしまう。銃撃しても、弾丸が身体を突き抜けていってダメージが通らない。どうしても、魔法使い頼みになる。

「任せろ。【鉄槌】ッ」

 光線型の剣を構え、ユカさんがスキルを発動した。

 剣の柄から、鎖に繋がれた光のハンマーが召喚される。あの武器は、剣だけを呼び出すわけじゃないのか。

「くらいなさい!」

 ユカさんが、ハンマーを振り回す。

 ガイコツ兵士が、光るハンマーに砕かれていった。

 スケルトンなら、アンデッド特化の技が有効だろうと踏んだのか。

「なるほど。やはりこのギルドの戦力は貴様か。ギベオン星人ユカライネン!」

 ガイコツ兵の中でも、ひときわ恐ろしい瘴気を放つ個体が現れる。彼は体型こそ骨であるが、全身をガラスか何かの透明な物質に覆っていた。胸部には内臓が見えていて、肺を上下させている。

「どきなさい!」

 ガラスのガイコツに、ユカさんがハンマーを振り回す。

 だが、水に弾き飛ばされるかのようにハンマーが跳ね返された。

「この特殊偏光スライムのボディは、あらゆる光線や魔術、熱さえも通さない!」

 肌をなでながら、スライムガイコツが勝ち誇る。

「ユカさん、奴に物理攻撃を当て続けて! エリちゃんは、後ろで魔法!」

 僕が指示を出すと、ユカさんが敵にハンマーを撃ち続けた。

 シールドバッシュを当て続け、僕も相手の脆い部分を探す。

「アユム、あたしは?」
「マルちゃんは、敵をかく乱させて攻撃!」
「わかった。新技、【フウマ手裏剣】っ!」

 マルちゃんが、十字形の手裏剣を相手に投げつける。

 十字手裏剣が、マルちゃんの忍術で巨大化した。

 反応しきれず、スケルトンが背中にダメージを受ける。

「なにをやってもムダだ。このダンダリアン閣下によって生み出された決戦用サイボーグに、スキなどない!」
「勝利宣言は、勝ってから言うんだな!」
「こしゃくな小僧!」

 スケルトンスライムが、剣で反撃してきた。

 思った通りだ。コイツは防御は最強だが、攻撃はまるで素人に近い。とはいえ、エリちゃんお得意の毒ポーションさえ効かないだろう。
 でも、策はある。

「ヒビが入った。今だエリちゃん!」

 相手の背中部分に、ヒビが入った。何度も攻撃したおかげで、ようやくダメージを通せそうである。

「ファイアーウォール!」

 エリちゃんが、敵を炎で包む。

「まだあがくか。残念だが身体にヒビを入れたとしても」

 マルちゃんがつけてくれたヒビが、もとに戻っていく。

「ダメ押しファイアーウォール!」

 火ダルマになったスケルトンを、さらに炎の壁で覆う。

「ムダだと言っている。アンデッドは日に弱いのは確かだが、このガラス型スライムは熱も……ぬう!?」

 ノドを抑えながら、スケルトンが苦しむ。

「熱は通さないだろうね。だから、酸素を奪った」

 体内の呼吸器官をマヒさせた。いくら万能なスライムと言っても、呼吸する生き物である。

「貴様。内蔵を攻撃していると見せかけて、酸素を!?」
「そうだよ。お前はスケルトンだが、胸が上下していた。呼吸するんだ」

 呼吸器官をそのままにしていたのが、アダになった。

 スケルトンは、そのまま黒焦げになる。

「とうとう、ここを襲うようになったか。魔王軍も、焦っているようだな」

 防壁を作って、中立側は襲撃に備えていた。が、その準備中に防壁を突破されてしまったらしい。

「こちらが防御に回っていれば、相手は攻撃を仕掛けてこない。そう思って壁を建設していたんだが、上層部の判断が遅かった」

 モタモタしている間に、襲われてしまったというわけか。

「はやく、天空城を攻略しよう」
「そうだな。協力してくれアユム」
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