勇者が最速魔王討伐に夢中で世界が崩壊寸前。代わりに友人の僕が領地経営やモフモフ娘の救出など人助けしまくっていたら最強に

椎名 富比路

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第六章 日常のあとしまつ

第53話 宇宙船団の、受け入れ先を探す

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 ボクたちは一度、王都近くの草原へ向かった。
 宇宙船にも、そっちへ来てもらう。

 王都へ直接向かってしまうと、攻撃される危険がある。なるべく何もない草原に、一旦宇宙船を降ろしてもらう。水場もあるし、当分は大丈夫のはず。

 ここまで宇宙船が並ぶと、壮観だな。冒険者たちは、怯えるかもしれない。
 早く王都で事情を説明しないと、兵士や冒険者たちから攻撃を受けてしまうかも。

「王都と話をつけてきます。ひとまず、ここにいてもらえますか?」
「わかった。みんなには、そう伝えよう」

 ユカさんが、宇宙人たちを一箇所に集めてもらった。

「では、みなさん。王都に、宇宙人の方がいます。相談に乗ってくれると思うので、しばらくこちらで待機していてください。不便でしょうけど、お願いします」

 僕は、宇宙人たちに伝える。

「あとは、どなたか王都に付いてきてくださいませんか?」
「私が行こう。各ギルドの総括をしていたからな」

 代表は、ギベオン星人のヨーセフさんがとなる。ユカさんのおじさんだ。ユカさんも、ついていくことになった。

 もっと偉い人はいるのだが、その人には宇宙人たちをまとめる側に回ってもらう。各ギルドの協力を得ながら。

 王都アムンセンに向かい、クロードさんに話をつけてもらう。

「何事ですか、アユムさん? 宇宙船があんなに」

 やはり、王都は兵隊を出すか否か、議論になっていたらしい。

「すいません。実はこういったことがありまして」

 クロードさんに、事情を説明する。

 どうにか、宇宙船団を攻撃しないように指示を出してもらった。

「エリアーヌ! 帰ってらしたのね? お茶を用意しますわ!」

 さっそく、エリちゃんの腹違いの姉であるシルヴェーヌさんが、会議の場を用意してくれる。歓迎してくれているのか、お茶もお菓子も上等なものだ。ただの会議なのに。

「ありがとうございます、シルヴェーヌ様」
「姉と呼んでくださいまし。あなたはわたくしの大切な妹ですわ!」

 そう言われて、エリちゃんは少し照れくさそうにした。

「シルヴェーヌお嬢様、そろそろ」
「んもう、クロードったら、空気が読めませんのね」

 ギベオン星人を挟んで、話し合いに。

「僕らもこの場にいて、大丈夫でしょうか?」
「お主らは、立派は当事者だ。現場の意見を聞きたい。それとも、迷惑だっただろうか?」
「いえ。光栄です」

 国王から、会議参加の許しを得た。

 執事のクロードさんが間に入り、いい土地を探す。

「今停泊させている場所は、ダメなんですよね?」
「ああ。男爵家の領地に近い。農業全般を担当してもらっている。許可は降りぬ」

 ビール用の麦畑を作る予定地で、使わないでくれという。

 他の土地も、各領主たちから反対意見が出たらしい。

 王都近隣は、全滅かぁ。

「国王、ここはいかがでしょう?」

 唐突に、エリちゃんが発言した。

「こちらでいえば南東。ジルダの北西に位置する廃村なのですが」

 エリちゃんが、廃村を指し示す。広大な土地に面していて、宇宙船を何隻も停泊しておける。川もあって、過ごしやすいだろう。

 ただし、建物類は一から作り直しになるが。

「たしかに、ここなら誰の干渉も入らぬ」

 ここが宿場町として発展すれば、馬車で移動する者たちにとってはありがたい。国王は、乗り気だ。

「でも国王、ここって」
「ふむ。エリアーヌの故郷だ」 


 エリちゃんが示した場所は、自分の両親が殺された場所だった。


「いいの? エリちゃん、色々と思い出してしまうんじゃあ」

「だからよ」と、エリちゃんは言う。

「辛い思い出ばかりが詰まった場所には、したくないの。国の発展のために、役立ててちょうだい」

 エリちゃんの話を聞きながら、国王は涙ぐむ。

「お前には、ずっと悲しい思いをさせてきた。父として、それくらいはさせてもらう。お前を育ててくれた両親に、詫びもしたい」
「ありがとうございます」

 土地の受け入れは、こうして整った。
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