Z級スキル『サメ使い』の令嬢! ~呪われしスキルを手にして追放された令嬢は、サメの勇者に拾われて義賊三昧ですわっ!~

椎名 富比路

文字の大きさ
37 / 48
第三章 婚約破棄した相手は、海軍の隊長でしたわ!

第37話 不死身ですの、この神官!?

しおりを挟む
 サメの嵐を、わたくしは階段のように駆け上がりました。

「ルカン!」
「平気ですわステイサメさん! デジレは船を!」

 わたしが合図をすると、デジレが「わかった!」と船を起動させます。

 海軍さんも、軍艦の大砲をリヴァイアサンに放ちました。砲撃し、どんどんと陸から離します。

 バロウズ女史が用意してくれた機械仕掛けの船に、ステイサメさんも乗り込みました。

「そのまま【シャークネード】を起こし続けてくださいまし!」

 船の上から、ステイサメさんはシャークネードを起こします。リヴァイアサンを、さらに陸から遠ざけました。

 大砲が命中するたびに、リヴァイアサンが身体をくねらせます。しかし、ダメージが通っている気配がありません。

「ワタシが技で、相手の皮膚を食う! 傷口に砲撃して!」
「わかりました! 撃ち方、用意!」

 情けないフォスターさんを港に置き去りにして、タラさんが指示を出しますわ。 

 巨大ヘビは、シャークネードでズタズタにできるでしょう。ですが、この神官リヴァイアサンはそうはいきません。わたくしの手で、とどめを刺さねば。

「一対一ですわ。神官!」

 わたくしは巨大ヘビの頭に降り立ち、キャンディケインを神官に突きつけました。

「ぐぬう。ダゴンを殺し、我が前に立つかルクレツィア! 忌々しいシャイダーの娘!」
「しぶとさには、定評がありますのよ!」

 安定の悪いヘビの頭ですが、わたくしは地に足をつけております。

 砲撃やシャークネードからくる波しぶきや台風のような洪水にも、わたくしはびくともしません。

 これも、エビちゃんさんのトレーニングのおかげでしょう。

「小娘が! シャイダーと同じく、海へ沈めてくれる!」
「やはり、あなたが父を!」

 わたくしのケインによる刺突を、リヴァイアサンは杖で弾き返しました。

「サメ使いは等しく死ぬがよい!」

 水の球体を何個も形成し、わたくしに投げつけてきます。

「水棲五獣の拳、ウニの型ですわ!」

 爪に風の魔法を施し、水の攻撃を切り裂きました。

「やはりこの程度では!」

 リヴァイアサンが、杖で殴ってきます。

「貝の型ですわ!」

 敵の杖を、ヒジとヒザで挟み込んで破壊しました。

「なんと! 水棲五獣の拳とは!? シャッコー族以外に継承するものが!」
「わたくしに不可能はありませんの!」

 シャッコー族直伝の、パンチをお見舞いいたします。

 神官リヴァイアサンの、アゴが砕けました。そのまま海へ……落ちませんわ! なんと、身体が再生するではありませんか。

「もう一発、お見舞いいたしますわ!」

 手をシャコのハサミ状にして、また殴りかかります。

 しかし、杖でパンチの軌道をそらされましたわ。杖まで復活するとは。 

「多少の格闘経験なら、こちらも遅れを取らぬ!」

 リヴァイアサンの杖の先が、わたくしの心臓を刺そうと迫ります。

 水と風の魔法を使って【目潰しの霧】を作り出し、吐き出しました。といっても、ただの酸味の強い液体です。

 神官が、大きくのけぞりました。

「スキありですわ!」

 わたくしは、キャンディケインを神官の顔に向けます。

【ウォーターガン】にて、神官の頭を吹き飛ばして差し上げました。

 ほんとはもっと酸の濃度が強い毒霧を放ちたいのですが、わたくしの身体が溶けてしまいますゆえ。

「おのれ、見たこともない煙幕の技を!」

 また、再生しましたわ。不死身ですの?

「今のは、アメフラシの型ですわっ!」

 杖とキャンディケインが、何度もぶつかり合いました。

「そんな技はないぞ!」
「当然です。オリジナルでございますから!」

 ペッと、口に残った酸っぱい液体を吐き出します。

「ぎいいいい!」

 酸っぱい液が目に入ったのか、リヴァイアサンが苦しみだしました。

「ぬうう!」

 神官まで、目を押さえ始めましたわ。時間差で効くのでございましょうか?

「聞け、ルカンッ! そいつからは、生体反応を感じないぜっ!」

 船を操縦しながら、デジレがこちらに呼びかけてきました。

 つまり、この神官は本体ではない?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~

黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。 待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金! チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。 「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない! 輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる! 元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

処理中です...