おひとりさま男子、カップルYouTuberになる ~他校に進学した優等生JKが婚約者だった~

椎名 富比路

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第二章 おひとりさま男子、婚約者と同居を始めます。

第9話 ゲーム配信

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「動画といえば、ゲームだろ」ということで、一応試してみることにした。

 なにより中間テスト後で、ふたりとも息抜きをしたかったのである。

「でも、星梨セイナおばさん。再生数稼ぎに関しては効率悪くないか?」

「若者は、そういうこと考えなくてOK。動画撮影が楽しいって気持ちの方が大切だから」

 毎日動画をアップするのだ。最初から完璧な動画を目指すと、いつまでたっても完成しない。

 再生数などを気にしながらの作業は、慣れてきてからでいいという。

「だから、快斗カイト夢希ムギちゃんも、楽しんでちょうだい」

 おばさんがそこまでいうなら、楽しくゲームをさせてもらうとするか。

「夢希は、どんなゲームが好みだ?」

「ゾンビゲーはちょっと……」

「怖いのが苦手なのか?」

「いや。敵が代わり映えしないのが、しんどい」

 バトルは好きだが作業ゲーはイマイチ、という感想だな。 

 対戦ゲームより、みんなでできるゲームがよかろうと思ったので、建築ゲーにチャレンジしてみた。

 インディーズが出している本家ではなく、伝統RPGを出し続けているメーカーの作品を遊ぶ。

 これなら難しい設定なしで、二人で協力できる。

「オレが戦闘を担当するから、ムゥは建築を頼む」

「わかった。それでいこう。カイカイ」

 雑なオレが建物建築なんて担当したら、色々とメチャクチャになりそうだ。夢希の建築を邪魔するモンスターを狩ることにする。

 1Pのオレが「カイカイ」、2Pの夢希は「ムゥ」である。そのままだな。
 整地を終えて、ムゥが石を並べていく。基礎を作っているようだ。
 オレはその間に、ムゥの作業を邪魔する魔物を蹴散らす。スライムだろうがコウモリだろうがやっつける。数が多い。

「湧き潰しが完了したぞ、カイカイ」

 どうやら、フィールドを「部屋」としてゲームに認識させると、モンスターが湧かなくなるようだ。家を立てる予定がない場所も、部屋として処理していく。
 魔物が出なくなってきたので、オレも作業を手伝う。石を積む簡単な仕事程度だが。
 本命の場所以外のフィールドにも、数か所部屋を作る。ひとまず、湧き潰しは完了した。ちょっとした村が、完成している。
 あらかた進んだところで、ムゥが行き詰まる。
 オレとしては、結構おしゃれな村だと思うのだが、また景観に納得していないらしい。

「ダンジョンにレア素材があるらしい。取ってきてもらいたい。その間に、作業を終わらせておくから」

「よし。行ってくるぞ、ムゥ」

 ダンジョンでは、オレが先頭になって戦う。

「カイカイ、ダンジョンでは湧き潰しができないみたい」

「わかったぜ。素材を手に入れたら、とっとと帰る」

 戦闘ばかりしていたから、オレのレベルは結構上がっている。
 と思っていたら、ゴーレムが思っていた以上に強い。

「加勢しようか? 魔法のほうが役に立つかも」

 ムゥが、作業の手を止めようとした。なにかの設備を作っているらしいが。

「いや、やらせてくれ。お前のほうが役に立っているからな。オレにも花を持たせてもらえると助かる」

「じゃあ、お願い」

「よし、こんちくしょ!」

 ヒットアンドアウェイで、どうにかボスを撃破した。 

 ダイヤモンドを、手に入れる。

「これがレア素材でいいんだな?」

「OKOK。こっちも準備完了だ」

 ムゥの方も、作業が終わったらしい。

「おおおお! これはすごいな」

 ムゥが作っていたのは、教会だった。

「これで、結婚式が挙げられる。ゲームの中でだけど」

「え、ムゥ?」

「許嫁だから、ゲームでも結婚する」

「そ、そうか。じゃあ結婚式あげるか!」

 オレは、ダイヤモンドをムゥにあげる。

 たったそれだけのことだ。しかし、なにか感慨深いものはあった。

「ゲームなのに、めちゃくちゃ緊張した」

「オレもだ。ゲームでこんなにドキドキしたの、初めてかも」

「気を取り直そう」

 気分を落ち着かせるため、星梨おばさんにススメられたFPSを試してみる。

 ふたりとも、一分もかからないうちに死んだ。
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