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第四章 部長とバトルかよ!
第48話 ラノベ主人公は、進んでいる
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急に話を振られて、オレは戸惑う。
話しづらいだろうと思ってか、修太郎はオレをドリンクバーへ引っ張っていく。全員分のドリンクを用意する、と言って外へ。
一方で、実代と衣笠先輩は、二人で
「紺太んところは、どうなんだ? 実代ちゃんとは、うまくやってるか?」
「ど、どうっていわれてもなぁ」
これは答えに詰まる。
「嫌われてはいないと思うが」
「俺もそれは見てわかるよ。ただ、どっちもアプローチしづらいって感じだな。はたから見てる感じだと」
「オレたちは、そんなんじゃ」
「そもそも、どうして知り合ったんだ?」
オレは、ことの成り行きをかいつまんで修太郎に話した。
「なるほどな。小説の読み合いが、格ゲーの技の読み合いなんてな。おもしれー女」
愉快そうに、修太郎は笑う。
「趣味が合うって最高じゃん。俺とうららちゃんは、趣味を合わせるところからスタートだった。それで打ち解けられたが、そうでなかったら大変だったろう。うららちゃんに受け入れられるか、心配だったし、向こうだって同じだったはずだ」
「どうやって乗り切った?」
「リスペクトさ。相手を尊重していれば、相手も応えてくれる」
オレが、実代をリスペクトするか。
「でも、ホントにオレらはそういう関係じゃなくて」
「強がらなくてもいい。もう付き合っているも同然だ」
何も言い返せない。周りから見ると、オレたちはどうしても恋人同士なのだろう。
「俺は何も、別に告れとか言わない。いまさらって感じだろ? 現にさ、今は告白しないほうがメジャーなんだ。俺たちだってそうさ」
「マジか? だって許嫁だろ?」
「でも、お互いの思いを確認しなくても、うまく言っているだろ?」
「たしかにな」
「もう告白は古い。海外じゃ、告白しないのが普通だ。海外ドラマや映画でも、愛してるとかいうときってスキンシップする場面だろ?」
言われてみれば。
海外ゲームでも告白よりも先に、デートに誘う。それから相手の様子をうかがうのだ。
「ふたりっきりで会っても警戒されていない段階で、もうOKなんだ。むしろ告白すると、相手に選ばせてしまうから、負担がデカイんだよ」
「あ、待てよ。そのアプローチ方法って、ラノベ主人公じゃん!」
「よく気がついたな。そうなのだ。ラノベ主人公は一見おどおどした情けない奴と思わせておいて、実は日本人より進んだ恋愛アプローチを会得していたんだよ!」
「なな、なんだってーっ!?」
「だが、これが事実だ。彼らは恋愛スタイルが欧米に近いから、日本人男性から見ると『いけ好かないヤツ』に見られていただけなのだ」
それはオレも時々思う。「なんでコイツばっかりモテるんだ!」って鼻につく主人公がいかに多いことか!
「うん。お前の憤りはわかる。しかし実際は、告白なんて行為はアジア圏特有の『恋愛が失敗するパターン』にすぎん! 進んでいるのは、ラノベ主人公の方だったんだぜっ!」
「そ、そんな……」
知らなかった。非モテヤロウだと思っていたのに。ラブコメ作家とは、恋愛の達人だったなんて。
こんなんじゃ、オレはもう素直にラブコメ系ラノベを読むことができないよ……。
「だが、安心しろ紺太。お前は、進んでいる方だ。勝ち組なんだよ!」
「オレが、勝ち組?」
「そうだ。お前は多分、実代ちゃんから行為を寄せられている! それは間違いない。だから大手を振って、恋人ヅラしていればいい」
「ホントに、オレは彼女持ちでいいのか?」
「お前は実代ちゃんキライか?」
「いや、あ、う……好きだ」
「ならいいじゃん」
オレは、修太郎に肩をポンポン叩かれる。
「紺太センパイ」
「ああああああ、どうした?」
聞かれたか!?
「ジュースまだっすか?」
その後、すっかりぬるくなったジュースを持ってきてしまい、二人からヒンシュクを買った。
話しづらいだろうと思ってか、修太郎はオレをドリンクバーへ引っ張っていく。全員分のドリンクを用意する、と言って外へ。
一方で、実代と衣笠先輩は、二人で
「紺太んところは、どうなんだ? 実代ちゃんとは、うまくやってるか?」
「ど、どうっていわれてもなぁ」
これは答えに詰まる。
「嫌われてはいないと思うが」
「俺もそれは見てわかるよ。ただ、どっちもアプローチしづらいって感じだな。はたから見てる感じだと」
「オレたちは、そんなんじゃ」
「そもそも、どうして知り合ったんだ?」
オレは、ことの成り行きをかいつまんで修太郎に話した。
「なるほどな。小説の読み合いが、格ゲーの技の読み合いなんてな。おもしれー女」
愉快そうに、修太郎は笑う。
「趣味が合うって最高じゃん。俺とうららちゃんは、趣味を合わせるところからスタートだった。それで打ち解けられたが、そうでなかったら大変だったろう。うららちゃんに受け入れられるか、心配だったし、向こうだって同じだったはずだ」
「どうやって乗り切った?」
「リスペクトさ。相手を尊重していれば、相手も応えてくれる」
オレが、実代をリスペクトするか。
「でも、ホントにオレらはそういう関係じゃなくて」
「強がらなくてもいい。もう付き合っているも同然だ」
何も言い返せない。周りから見ると、オレたちはどうしても恋人同士なのだろう。
「俺は何も、別に告れとか言わない。いまさらって感じだろ? 現にさ、今は告白しないほうがメジャーなんだ。俺たちだってそうさ」
「マジか? だって許嫁だろ?」
「でも、お互いの思いを確認しなくても、うまく言っているだろ?」
「たしかにな」
「もう告白は古い。海外じゃ、告白しないのが普通だ。海外ドラマや映画でも、愛してるとかいうときってスキンシップする場面だろ?」
言われてみれば。
海外ゲームでも告白よりも先に、デートに誘う。それから相手の様子をうかがうのだ。
「ふたりっきりで会っても警戒されていない段階で、もうOKなんだ。むしろ告白すると、相手に選ばせてしまうから、負担がデカイんだよ」
「あ、待てよ。そのアプローチ方法って、ラノベ主人公じゃん!」
「よく気がついたな。そうなのだ。ラノベ主人公は一見おどおどした情けない奴と思わせておいて、実は日本人より進んだ恋愛アプローチを会得していたんだよ!」
「なな、なんだってーっ!?」
「だが、これが事実だ。彼らは恋愛スタイルが欧米に近いから、日本人男性から見ると『いけ好かないヤツ』に見られていただけなのだ」
それはオレも時々思う。「なんでコイツばっかりモテるんだ!」って鼻につく主人公がいかに多いことか!
「うん。お前の憤りはわかる。しかし実際は、告白なんて行為はアジア圏特有の『恋愛が失敗するパターン』にすぎん! 進んでいるのは、ラノベ主人公の方だったんだぜっ!」
「そ、そんな……」
知らなかった。非モテヤロウだと思っていたのに。ラブコメ作家とは、恋愛の達人だったなんて。
こんなんじゃ、オレはもう素直にラブコメ系ラノベを読むことができないよ……。
「だが、安心しろ紺太。お前は、進んでいる方だ。勝ち組なんだよ!」
「オレが、勝ち組?」
「そうだ。お前は多分、実代ちゃんから行為を寄せられている! それは間違いない。だから大手を振って、恋人ヅラしていればいい」
「ホントに、オレは彼女持ちでいいのか?」
「お前は実代ちゃんキライか?」
「いや、あ、う……好きだ」
「ならいいじゃん」
オレは、修太郎に肩をポンポン叩かれる。
「紺太センパイ」
「ああああああ、どうした?」
聞かれたか!?
「ジュースまだっすか?」
その後、すっかりぬるくなったジュースを持ってきてしまい、二人からヒンシュクを買った。
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