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第四章 レトロゲーで懐かしみますか?
オレの知ってるファミリートレーニングと違う
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「なんすか、これ」
「こ、この格好はだな……」
いや違います。社長が紺のブルマ体操着姿なのは問題ではなくて。どうせ「ひめにこ」の差分ですよね?
「オレ、ファミリートレーニングをやるって聞いたんですけど?」
ジャージ姿のオレも、昔懐かしいゲームをやるモノだと思っていた。またトレーニングゲームかと。
『ファミリートレーニング』とは、下にゲームと連動したマット型コントローラーを敷いて、足踏みで遊ぶゲームである。
オレは団地に住んでいたので、「下の階に響く」と遊ばせてもらえなかった。同タイプのダンスゲームも同様である。
「まさか、リメイク版だとは」
最新機種でやるとは聞いていない。というか、出てたんだな。スポーツゲームはめったに遊ばないからスルーしていた。
「これなら、通信プレイができるからな。最新ゲームなので、せっかくだからと」
従来の「かけっこ」が3Dになってる! すごい未来だ。過去のゲームの存在を知っているから、進化がハンパない。
足にコントローラーを装着するのは「いっしょにトレジャー」と同じタイプだな。
最初に遊ぶのは、『丸太飛び超え』だ。
前から転がってくる丸太を、ジャンプでかわす。タイミングが割とシビアで、爪先が当たるだけで転倒してしまう。
「よっ、とおっ。いいね。面白い!」
「そうだな。私が知っているのも横スクロール型で、対戦も一人一人順番でプレイだったよな」
なんだか、過去にタイムスリップしたみたいだ。初プレイが最新3Dタイプなんて、不思議な気持ちだけど。
「新種目もやるのか?」
「そうだ。『滝登り』とかがあるぞ」
飛ぶ方角を決めて、滝に設置された足場を跳び移る競技だ。
「タイミングよく……飛ぶ!」
方角に狙いを定めて、イーさんがジャンプする。
「せーのっ」
オレも同じように飛んだ。
「これは楽しい」
ミニゲーム感覚なので、動きが激しくてもすぐ終わる。インターバルが取れるのはうれしい。
「ひめにこは、何をするんだ?」
「新しく導入された『なわとび』を、ひめにこと遊ぶんだ」
ゲストスタッフの一員として、マヒルさんと一緒に飛ぶという。
「おまたせしたっす」
スタジオに到着早々、マヒルさんはジャージの下を脱ぐ。彼女も色違いの赤ブルマだ。
「マヒルさんは、コスプレしなくてもいいんじゃ?」
「社長だけ、センシティブな格好はさせられないんで。それにあたし、コス写真モデルのバイトもしてたんで」
カメラの専門学生を相手に、撮影されるのは慣れているという。人の目は気にならないらしい。
「もっと際どいアングルを強要されたことも、あるっすよ。真下からーとか。そいつ蹴りましたけど、逆に興奮しやがって」
うわぁ……。まともな人ばかりだったが、ネットで募集をかけるとたまにヤバい相手に当たるのだとか。
「さっそく、やりましょうか。あたしも身体は鈍ってるんで」
準備体操もそこそこに、マヒルさんが飛ぶ準備を始めた。なるほど、ブルマなのは足をベルトに密着させやすくするためか。長ズボンだと、こすれてズレちゃうもんね。
二人プレイなので、オレは引っ込んだ。
イーさんとマヒルさんで、プレイする。
「運動神経は?」
「いい方だと思うが、歳だからな」
「五、六歳くらいしか違わないじゃん」
「結構な差だぞ。義務教育分離れているんだ」
「言い訳なし。いくっすよ」
なわとび競技がスタートした。目標は、一〇〇回飛ぶこと。
『ちょっと待って五回しか飛んでないぞよ』
ひめにこの口調で、マヒルさんがイーさんにダメ出しをする。
『リズム感。これはリズム感のゲームじゃ。気を取り直していくぞよ』
始めようとするひめにこに対し、オレは「待った」をかけた。
「しばしお待ちを」
オレは、二人の飛ぶ床に、マットを敷く。足を痛めないために。さっき一発目で、イーさんがいきなり足の裏が痛そうな顔をしたのである。
「これでどうだろう。飛んでみて」
マイクに声が入らないよう、小声で話しかけた。
『うむ。問題ない。お主はどうじゃ?』
スタッフという名目なので、マヒルさんは社長にもタメ口だ。
話せないので、イーさんはサムズアップを決めてサインを出す。
結果、見事一〇〇回ジャンプを達成した。
『百回感謝のなわとび成功じゃ。スタッフもありがとうな~』
マヒルさんが、イーさんと抱き合う。
「花咲さん、ちょっといいっすか?」
収録が終わり、マヒルさんがオレに声をかける。
「あの状況で、よく社長が足いたいってわかったっすね?」
「ああ、イーさ……社長は、顔に出るんだよ。わかりやすんだ」
「ふーん……怪しいっすね」
アゴに手を当てて、マヒルさんが名探偵っぽさを出す。
「え、なに?」
「二人の関係は、本当に上司と部下ってだけっすか?」
「そうだぞ。ゲームしている間柄ってだけだな」
「グレースさんから聞いたっす。ゲームを教えているって」
なんだ。隠す必要はなかったのか。
「でもなぁ。思ってた以上に懐いてたり、意思疎通が淀みなかったりで、二人の距離を勘ぐっちまうんすよ」
「いやいや、誤解だ。オレに限ってそんな」
「どうでしょうかね。案外、社長も好意を持っているような」
変なコトを言うなぁ、マヒルさんは。
「別にいいんすけどね。花咲さんなら、安心できるし」
「こ、この格好はだな……」
いや違います。社長が紺のブルマ体操着姿なのは問題ではなくて。どうせ「ひめにこ」の差分ですよね?
「オレ、ファミリートレーニングをやるって聞いたんですけど?」
ジャージ姿のオレも、昔懐かしいゲームをやるモノだと思っていた。またトレーニングゲームかと。
『ファミリートレーニング』とは、下にゲームと連動したマット型コントローラーを敷いて、足踏みで遊ぶゲームである。
オレは団地に住んでいたので、「下の階に響く」と遊ばせてもらえなかった。同タイプのダンスゲームも同様である。
「まさか、リメイク版だとは」
最新機種でやるとは聞いていない。というか、出てたんだな。スポーツゲームはめったに遊ばないからスルーしていた。
「これなら、通信プレイができるからな。最新ゲームなので、せっかくだからと」
従来の「かけっこ」が3Dになってる! すごい未来だ。過去のゲームの存在を知っているから、進化がハンパない。
足にコントローラーを装着するのは「いっしょにトレジャー」と同じタイプだな。
最初に遊ぶのは、『丸太飛び超え』だ。
前から転がってくる丸太を、ジャンプでかわす。タイミングが割とシビアで、爪先が当たるだけで転倒してしまう。
「よっ、とおっ。いいね。面白い!」
「そうだな。私が知っているのも横スクロール型で、対戦も一人一人順番でプレイだったよな」
なんだか、過去にタイムスリップしたみたいだ。初プレイが最新3Dタイプなんて、不思議な気持ちだけど。
「新種目もやるのか?」
「そうだ。『滝登り』とかがあるぞ」
飛ぶ方角を決めて、滝に設置された足場を跳び移る競技だ。
「タイミングよく……飛ぶ!」
方角に狙いを定めて、イーさんがジャンプする。
「せーのっ」
オレも同じように飛んだ。
「これは楽しい」
ミニゲーム感覚なので、動きが激しくてもすぐ終わる。インターバルが取れるのはうれしい。
「ひめにこは、何をするんだ?」
「新しく導入された『なわとび』を、ひめにこと遊ぶんだ」
ゲストスタッフの一員として、マヒルさんと一緒に飛ぶという。
「おまたせしたっす」
スタジオに到着早々、マヒルさんはジャージの下を脱ぐ。彼女も色違いの赤ブルマだ。
「マヒルさんは、コスプレしなくてもいいんじゃ?」
「社長だけ、センシティブな格好はさせられないんで。それにあたし、コス写真モデルのバイトもしてたんで」
カメラの専門学生を相手に、撮影されるのは慣れているという。人の目は気にならないらしい。
「もっと際どいアングルを強要されたことも、あるっすよ。真下からーとか。そいつ蹴りましたけど、逆に興奮しやがって」
うわぁ……。まともな人ばかりだったが、ネットで募集をかけるとたまにヤバい相手に当たるのだとか。
「さっそく、やりましょうか。あたしも身体は鈍ってるんで」
準備体操もそこそこに、マヒルさんが飛ぶ準備を始めた。なるほど、ブルマなのは足をベルトに密着させやすくするためか。長ズボンだと、こすれてズレちゃうもんね。
二人プレイなので、オレは引っ込んだ。
イーさんとマヒルさんで、プレイする。
「運動神経は?」
「いい方だと思うが、歳だからな」
「五、六歳くらいしか違わないじゃん」
「結構な差だぞ。義務教育分離れているんだ」
「言い訳なし。いくっすよ」
なわとび競技がスタートした。目標は、一〇〇回飛ぶこと。
『ちょっと待って五回しか飛んでないぞよ』
ひめにこの口調で、マヒルさんがイーさんにダメ出しをする。
『リズム感。これはリズム感のゲームじゃ。気を取り直していくぞよ』
始めようとするひめにこに対し、オレは「待った」をかけた。
「しばしお待ちを」
オレは、二人の飛ぶ床に、マットを敷く。足を痛めないために。さっき一発目で、イーさんがいきなり足の裏が痛そうな顔をしたのである。
「これでどうだろう。飛んでみて」
マイクに声が入らないよう、小声で話しかけた。
『うむ。問題ない。お主はどうじゃ?』
スタッフという名目なので、マヒルさんは社長にもタメ口だ。
話せないので、イーさんはサムズアップを決めてサインを出す。
結果、見事一〇〇回ジャンプを達成した。
『百回感謝のなわとび成功じゃ。スタッフもありがとうな~』
マヒルさんが、イーさんと抱き合う。
「花咲さん、ちょっといいっすか?」
収録が終わり、マヒルさんがオレに声をかける。
「あの状況で、よく社長が足いたいってわかったっすね?」
「ああ、イーさ……社長は、顔に出るんだよ。わかりやすんだ」
「ふーん……怪しいっすね」
アゴに手を当てて、マヒルさんが名探偵っぽさを出す。
「え、なに?」
「二人の関係は、本当に上司と部下ってだけっすか?」
「そうだぞ。ゲームしている間柄ってだけだな」
「グレースさんから聞いたっす。ゲームを教えているって」
なんだ。隠す必要はなかったのか。
「でもなぁ。思ってた以上に懐いてたり、意思疎通が淀みなかったりで、二人の距離を勘ぐっちまうんすよ」
「いやいや、誤解だ。オレに限ってそんな」
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「別にいいんすけどね。花咲さんなら、安心できるし」
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