美しい箱庭で愛する人と暮らしたい。義妹よ邪魔をしないで下さい。

釋圭峯

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初めてのお宅訪問

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馬車はゆっくりと走り、展示会会場へ着いた。
ハインツ様は先に降りると、私をゆっくりと下ろしてくれた。

ハインツ様は入り口でご友人と出会ったらしく立ち話になっていた。
お邪魔するのも。と思ったので私は軽く会釈して「先に行ってますね。どうぞごゆっくり。」とそそくさとその場を離れた。

しかしどこから現れたのか?と言いたくなるほどたくさんの人手だ。どうも皆さんのお目当てはクリスマスを彩るモミの木だった。

1本の値段を見たけど確かに安い。

家族連れやご夫婦が相談しながら吟味している。良い木も欲しいし、家の中に置く場所の事もあるしね。子供たちはオーナメントをどの様に飾るのか両親に尋ねたりしている。

「クッキーで飾り作ってぇ。」とお母さんに頼んでいる女の子もいた。「だめよ、貴女一度にぜんぶ食べちゃうでしょ?」と嗜められていた

辺りを見渡すとちょうどベンチがあったので腰掛け手元のカバンからスケッチ帳を出してスケッチし始めた。この楽しそうな雰囲気が良いなぁと思ったのだ。


あるご夫婦は飼っている犬を連れて来ていて、犬も木の選考に参加している。またある家族連れは新しい家族が産まれたのでひと回り大きな木が欲しい。などのモミの木に関するエピソードが次々と浮かんでくる。


気がつくと時間が経つのも忘れて「ウフフ。」と笑いながら描いていた。描きながら色味も頭の中でイメージする。付随するストーリーは?

「やはり上手いね。」と頭上から声がした。

顔を上げるとハインツ様が笑いながら見下ろしていた。

パッとスケッチ帳を仕舞い込み照れ笑いをした。「こんなの全然上手くないです。お目汚しです。忘れて下さい。」と話しました。

「はは、それはどうかな?」と笑ってました。
「意地悪です。ハインツ様。」と少し拗ねてしまいました。

それから人の流れに紛れながら、展示会会場を2人でゆっくりと見て歩きました。私もある程度は庭園の知識も有ると自負してたけど、ハインツ様の知識もなかなか豊富です。

そのうちハインツ様が手を繋いで来ました。「はぐれるといけないからね。」とおっしゃってましたがやはり慣れません。

手を放そうとしましたが、有無を言わさず彼の上着のポケットに繋いだ私の手を入れられてしまいました。

「そろそろお腹空きませんか?」とハインツ様が聞いて来たので

「そうですね。少し空いて来ました。」と答えたら

「多国籍料理のお店がすぐそこなんです。予約も入れてあるので行きませんか?」とおっしゃったのでそちらのお店へと向かいました。

お昼時という事もあり結構混んでました。予約があってよかったです。

料理の方は変わった味付けが多く最初は慣れませんでしたが、最後の方は美味しく感じていました。この料理に対してもハインツ様はよくご存じでスパイスの種類など初めての物ばかりでした。

「このまま2人で遊んでたいけどそろそろ自宅へご案内するよ。」という話しになりました。
再び馬車に乗り込み侯爵家へ向かいます。

「ここからはそんなに時間はかからないよ。家の庭園である一角が空いたんだけど親父、何を植えたら良いのか悩んでるらしい。」
「そうでしたか?今から植えるなら春に咲く花でしょうか?」
「まぁ、そうだろうね。」
「でも、見せて頂くのは楽しみです。私あまり他の庭園は見た事がなくて。。。お力に慣れなかったらごめんなさい。」と先に謝っておきました。

「いいよ、いいよ、気楽に考えて。」と話をしているうちにクリス侯爵家へ到着した様です。

初めてのお宅訪問です。少しドキドキします。
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