美しい箱庭で愛する人と暮らしたい。義妹よ邪魔をしないで下さい。

釋圭峯

文字の大きさ
28 / 36

王宮医療チーム

しおりを挟む


「君は確かここの近くのコンラート男爵家の御子息だね?コンラート家ではいきなり初見の女性の手首を掴んで引っ張る事を奨励されているのか?」と後ろから聞き覚えのある声がする。

「この事はここの警備に連絡してコンラート男爵に直接報告させてもらう。」と言いながらハインツ様が現れた。そしてつかつかとフローレンスの方へ歩み寄ると掴まれていた手首を離してくれた。

「そっ、それは困ります。失礼をしました。」とハインツを認めると途端に焦り出す男。

「私より他に先に謝る人がいるのでは無いですか?」とハインツがその男に話すと、その男は
「勝手に勘違いをしてすいませんでした。」とフローレンスに謝りながら慌ただしく立ち去った。

丁度そこにマリーが駆けつけて来た。騒ぎを聞き付けて来たのか呼吸が荒い。
「お嬢様!!私が目を離したばかりに。本当に申し訳ありませんでした。」と目に涙を浮かべながら謝罪をした。

「マリー、ハインツ様に助けて貰ったの。」とマリーに話すとマリーは「ハインツ様お嬢様を助けて頂きありがとうございました。」とうやうやしく礼をした。


「それより大丈夫ですか?フローレンスさん。」とハインツがフローレンスを見つめていた。「はい、ありがとうございました。助かりました。」とハインツを見つめてお礼を述べた。

「それよりフローレンスさんちょっとその手首を見せて貰えませんか?」と言い出した。

「はい?」と疑問を持ちながらも小さく頷くと掴まれていた手首を見せた。そこは結構赤くなっていた。

ハインツは慣れた仕草でフローレンスの手を取り診察すると、「ちょっと待って下さい。」と足元に置いてあった自分のカバンを開けて薬を取り出した。薬の蓋を開けさっとフローレンスの手首に塗ると、「この薬を朝と夜の入浴後に塗る様にして下さい。」と使用上の注意を話しマリーに預けた。

「では私はこれで。」とハインツ様は颯爽と去って行った。




「だから私が言っただろう、フローレンス。」とお父様は厳しい顔でフローレンスを窘めていた。「すいませんお父様。」とフローレンスはしょげ返っていた。

あれから屋敷へ戻り、事のあらましをお父様に報告したところのお冠だ。

「でもさすがハインツ様だな。お医者様だから手際が良くていらっしゃる。」とその時お父様がポツリとおっしゃったので「ハインツ様お医者様だったのですか?」と聞き返した。

「ああ、フローレンスは知らなかったのか?
彼は王宮の医療チームの人間であり、今回の特効薬の開発担当者だよ。まあこの話を知っているのはごく一部の貴族だけだからね。」あんまり言わないようにな?とお父様から口止めされてしまいました。


話が動き出したと感じたのはそれからしばらくたってから。

何とシシリー辺境伯の屋敷へクリス侯爵と共に招かれたのだった。もちろんお父様も一緒だ。フローレンスはとても驚いた。

シシリー辺境伯の所へは馬車で数時間ほどかかる。結局はクリス侯爵様とフローレンス達はシシリー辺境伯のお屋敷で待ち合わせる事になった。

お父様とシシリー辺境伯のお屋敷に行く日は驚くほどの快晴で、途中何度か休憩を挟みながら
夕方には着いた。

シシリー辺境伯のお屋敷の執事に案内され広間へと案内された。どこもかしこもとても立派なお屋敷で思わずキョロキョロと見渡してしまった。

特に目を引いたのは庭園だ。

ここの庭園は腕の良い庭師の親子が見ているらしく、その整備の計画もしっかりと立てられて作業をなさっているという事。

さらに話を伺うとそのお父様の方がフローレンスも何冊かその方の本を持っているぐらいの名の知れたガーデナーだった。通りでこの仕上がり。

眼福だわ。と声を掛けられるまでしばらく見惚れていた。出来ればお話しを聞いてみたい。

「はははっ、おまえは相変わらずだね。フローレンス。」とお父様が執事の方と苦笑いしていた。
「さぁ、行こうか。」と再び歩き出した。

執事の方に連れられて、広間に着くと1番初めにサマンサお母様とアンリエッタが見え、アンリエッタの側に見目麗しい1人の男性とそのご両親なのであろう上品なシシリー辺境伯ご夫婦の姿が見えた。

「ようこそおいで下さいました。サフィノワ伯爵様。」とにこやかにシシリー辺境伯が手を差し出し握手を求められた。

「こちらこそお招き頂きありがとうございます。また家内と娘をお預かり頂き助かりました。」とお父様も笑いながら握手を交わした。

そしてシシリー辺境伯はフローレンスを見て
「貴女がフローレンス嬢?」と聞かれたので

お父様がすかさず「はい、この子がアンリエッタの姉にあたるフローレンスです。」と紹介をした。

「お初にお目にかかります。フローレンスです。この度は母と妹が大変お世話になりました。」とカーテシーを披露した。

いつの間にかシシリー辺境伯の側に来ていた御子息も「フローレンス嬢、私からも自己紹介を。私はアルバートと言います。アルバート・シシリーです。」と自己紹介された時、鋭い理知的な瞳をお持ちの方だ。とフローレンスは思った。

「アルバート様、フローレンス・サフィノワです。宜しくお願いします。」とお辞儀をした。

「サフィノワ伯爵様、フローレンス嬢これから少しお時間頂けませんか?」とアルバート様から声をかけられた。

思わずお父様と目を合わせたが、「分かりました。」とお父様が御子息に同意をしていた。

「お2人ともこちらへ。」と別の部屋へ案内された。しばらくして部屋に入ってきたのはアンリエッタだった。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~

ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。 彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。 ――死んだはずの彼女が、生きている? 同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。 「今さら、逃げ道があると思うなよ」 瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。 秘された皇子と、選び直した愛。 三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?    * * * 後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

この度娘が結婚する事になりました。女手一つ、なんとか親としての務めを果たし終えたと思っていたら騎士上がりの年下侯爵様に見初められました。

毒島かすみ
恋愛
真実の愛を見つけたと、夫に離婚を突きつけられた主人公エミリアは娘と共に貧しい生活を強いられながらも、自分達の幸せの為に道を切り開き、幸せを掴んでいく物語です。

「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている

歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が 一人分減るな、と思っただけ。 ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。 しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、 イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。 3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。 「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」 「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」

処理中です...