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サフィノワ伯爵の家族
しおりを挟む「こちらへおいでアンリエッタ。」とアルバート様が部屋に入って来たアンリエッタを手招きした。
「はい。アルバート様。」と頷いてアンリエッタが側まで来た。思わずアンリエッタを注視してしまうが、何だかアンリエッタは表情が優しく穏やかになった気がする。
「さぁ、ここからは1人で出来るね?アンリエッタ。」とアルバート様が優しい笑顔でアンリエッタを見つめた。アルバートを見つめ頷くと、お父様とフローレンスを見た。
「お父様、お姉様お久しぶりでございます。」とアンリエッタが話し始めた。
「元気にしているようで安心したよ。アンリエッタ。」とお父様がアンリエッタに声をかけました。
「はい、こちらではとても良くして頂き毎日充実しております。お母様もこちらの奥様と意気投合され色々な手習い事などを始めたりされる程です。」と話し始めた。
その様子をアルバート様が温かい目で見てらっしゃいます。この2人もしかして?
そしてアンリエッタはフローレンスを見つめると急に俯き小さな声でしたが、
「私はお姉様にずっと謝罪をしたいと思っていました。お姉様、長い間大人げ無い態度を取りすいませんでした。」と謝って来た。
「ーーー私はお姉様が羨ましかったのです。」と自分の言葉で話し始めた。
「私はみなさんご存知の通りお姉様と本当の姉妹ではなく後妻の娘です。」
「でもお父様は私の事は差別せず分け隔てなく可愛がって下さり、持ち物1つにしてもお姉様が持ってて私が持ってないという事は有りませんでした。」とお父様を見ながら話している。
「ただ、私はお姉様の絵の才能と亡くなられたお婆様がお姉様の為に作られたと言われる箱庭が羨ましかった。」
「今から思ってもその時の自分が幼く傲慢だったと思います。」と俯いたまま話した。
フローレンスはゆっくりとアンリエッタの側に行きその両手を握った。
「アンリエッタ顔を上げてちょうだい。私は貴女がずっと羨ましかったのですよ。」とアンリエッタを見つめ諭す様に話し始めた。
「私には無い健康的な体と、人々を自分の輪の中へ引き込む様な社交性。今でこそこうして日常を過ごせる様になりましたが、特に体の方はどうしようも無かったからね。」と優しくアンリエッタに微笑んだ。
「アンリエッタ、貴女はアルバート様をお慕いしているのね?」と小声で聞いてみた。アンリエッタは分かりやすく顔を赤らめながら「はい。」と答えた。
「良かったですね。アンリエッタ。貴女自身を見てくれる方が現れて。」とアンリエッタを祝福した。
そのタイミングでアルバート様が「サフィノワ伯爵様、フローレンス嬢、本日お招きしたのは他でもありません。2人の婚約をお認め頂きたいと思った次第です。」とはっきりとおっしゃったのです。
「我々は大賛成だよ。では婚約はいつにするんだい?」とお父様が早速聞いていた。
「ええ、1日でも早く発表をしようとは思っています。この馬鹿らしい騒ぎを早く終息させたいと思っていますので。」とお父様に確認するかの様に話した。
丁度その時クリス侯爵様が到着され、執事に案内され広間へ入られたらしい。執事がこちらの部屋へ報告に来た。
「我々もそろそろ先ほどの広間へ戻りましょうか?」とアルバート様がおっしゃったのでぞろぞろと広間へ戻った。
広間へ戻るとクリス侯爵様がシシリー辺境伯様と話しているのが見える。お父様もその中へ入ると改めて今回のお礼を述べてました。そしてシシリー辺境伯夫人にも改めてお礼を伝えていました。
ーーーーしばらくの歓談の後
「皆様、ささやかですが夕食をご用意しています。どうぞこちらへ。」とシシリー辺境伯の奥様に食堂に案内された。
全員がテーブルに着くとご馳走が並べられた。
そしてシシリー辺境伯が立ち上がり皆の前で
「本日はお越しいただきありがとうございます。ここで我が息子アルバートとサフィノワ伯爵様の次女のアンリエッタ嬢との婚約が整った事をご報告させて頂きます。」と声を上げると周囲からおめでとうという言葉とたくさんの拍手が贈られた。
恥ずかしそうにはにかむアンリエッタ。
「とりあえず婚約はすぐさま発表する予定です。」とアルバートが発言した。
アンリエッタは引き続きここへ留まり花嫁修行もここで行うという事です。
サマンサお母様はわれわれと領地へ帰り、今度アンリエッタに会う時は結婚式になりそう。
なのでこの夜はシシリー辺境伯のお気遣いもあり親子水入らずで過ごした。
フローレンスは初めて家族を実感した。
何でもアルバート様はアンリエッタを社交で見かけた時に一目惚れしていたらしい。
なので本気でアンリエッタを調べていた中でフローレンスとの確執の事も知った。
アンリエッタとの間が深まっていく中でその辺りを遺恨を残さない為にきちんとしておく事を勧めたのがアルバートだった。
お互いの気持ちが固まった段階でシシリー辺境伯に気持ちを伝え今回の場面をセッティングしてもらった。
「アンリエッタ、誰が何と言おうと貴女は私のこの世でたった1人の妹なの。幸せになるのよ。」と自分の気持ちをアンリエッタに伝えた。「お姉様。本当にすいませんでした。」と泣き始めた。フローレンスはアンリエッタの肩を抱きしめて優しくポンポンと撫でやった。
この夜フローレンスとアンリエッタは初めて一緒のベッドで眠った。
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