27 / 36
さよならグラナダ。
しおりを挟むマリアンナ教会の玄関でカーネルさん達と別れ、馬車をサンダース家への玄関に回してもらった。
「お父様、突然行ったらびっくりされると思います。すいませんが私が先に降りてサンダース家の皆様に挨拶をします。声を掛けたらお父様もこちらへおいで下さい。」
「ああ、わかったよ。それで良い。」と頷いていた。取り敢えず馬車から降りてサンダース家の玄関に立った。「すいません、フローレンスです。只今戻りました。」と声をかけるとリディア奥様が奥から出てきた。
「良かったフローレンスさん戻ってこれて。ちょっと心配したのよ。」
「すいません、先に教会へ入って壁画を完成させてたんです。今日はこちらをお暇させて戴こうと思ってきました。」と言いながら玄関に止めてある馬車へと戻りお父様に声をかけた。
「こんにちは。娘のフローレンスがお世話になりました。私はトリニティのストーク・サフィノワと言うもの。ご挨拶が遅れ申し訳ない。」とリディア奥様に挨拶をした。
「まぁ、サフィノワ伯爵様ですね。ようこそグラナダへいらっしゃいました。ただ今主人を呼んで参ります。」と言いながら中へ戻って行った。
しばらくすると旦那様が出て来られた。何だかびっくりしていらっしゃる。
「初めまして、ルーベンス・サンダースです。わざわざご丁寧なご挨拶をありがとうございます。」と畏まって一礼をした。
「いえいえこちらこそ。改めまして、ストーク・サフィノワです。この度娘が大変お世話になりました。これうちの領地で取れるワインです。宜しかったらどうぞ。」と旦那様に手土産を渡した。
「すいません、早速ですがこれから荷物を撤収させて貰えますかな?」と話すと玄関からマリーが入って来た。
「サフィノワ伯爵家のマリーと言います。フローレンスお嬢様のお手伝いでこちらへ少し入らせて貰います。お時間かかりませんが宜しくお願いします。」と旦那様に挨拶をしていた。
マリーを離れへ案内する。そうすると歩きながら
「お嬢様、このお屋敷にも箱庭があるんですねぇ。」と目の前に現れた箱庭を見ながらマリーが話し出した。
「ええ、手の空いた時にお世話を買って出てたの。楽しかったわよ?」と話した。
「まぁここにも離れが。うちとよく似てますねぇ。」とマリーも感心している。
離れに着くと2人で手際よく荷物を詰めて行く。
重たい物はお父様が運んでくれた。
「旦那様、リディア奥様、大変お世話になりました。リックさんにも宜しくお伝えください。」と挨拶を済ませると、早々に馬車に乗り込んだ。
何とか自宅へ戻って来た。
この日は荷解きもほどほどに早めに就寝した。
次の日、フローレンスはサンダース家へ手紙を書いていた。そう箱庭の件だ。
簡単なお手入れで庭が維持出来るように植物を選んであるので是非とも引き続き頑張って欲しい。
時間が出来れば見に行きたい。その他お世話になった事も改めてサンダース家の皆さんにお礼を書いておいた。
それから2~3週間ほどたったある日の事、
ずっと屋敷とアトリエの往復ばかりなので、フローレンスは箱庭を久しぶりに触りたくなっていた。ちょっと気温が暖かくなって来たので身体も軽いのだ。
箱庭に使う腐葉土と地面を程よく覆う、ほふく性植物が欲しくて久しぶりに外出をした。
もちろん1人では不用心なのでマリーと一緒だ。それでもお父様には渋られたが、「すぐに帰ってまいりますので。」と外出を決めた。
園芸用品を扱うお店に着くと早速店内でかがみ込み苗や園芸用土を眺めていた。
ああ、このお花可愛いわ。あの角に植えたらどうかしら?などと考えていると、後ろから「スーザン先生!!」と若い男性に声を掛けられた。
フローレンスは外ではペンネームで呼ばれても絶対に答えないと決めているので無視を決め込んでいた。
次の瞬間ぐいっと無理矢理右手首を引っ張られ手首に痛みが走った。
強い力で引っ張られているのでなかなか振りほどけない。「違います、人違いです。」と言っているのに「先生でしょ?無視しないで下さいよ~。」と再度言われ恐ろしくて相手の顔を見ることも出来ず涙ぐみながら震えていた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─
あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」
没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。
しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。
瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。
「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」
絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。
嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。
ワザとダサくしてたら婚約破棄されたので隣国に行きます!
satomi
恋愛
ワザと瓶底メガネで三つ編みで、生活をしていたら、「自分の隣に相応しくない」という理由でこのフッラクション王国の王太子であられます、ダミアン殿下であらせられます、ダミアン殿下に婚約破棄をされました。
私はホウショウ公爵家の次女でコリーナと申します。
私の容姿で婚約破棄をされたことに対して私付きの侍女のルナは大激怒。
お父様は「結婚前に王太子が人を見てくれだけで判断していることが分かって良かった」と。
眼鏡をやめただけで、学園内での手の平返しが酷かったので、私は父の妹、叔母様を頼りに隣国のリーク帝国に留学することとしました!
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる