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30、クロードさんと観光にGO!
しおりを挟む次の日は朝の9時にクロードさんが迎えに来てくれた。今日はデートコースは頭の中にバッチリだ。
とりあえず1番ここから遠い場所にあるクリスタルの滝を見せてあげようと考えている。ラウールでは滝の話を聞いたことが無いからだ。
「おはようございます。クロードさん!」と笑って話しかけると「おはようジョゼフィーヌ。」と微笑んでいた。今日も麗しいお顔。
「今日は私にお任せ下さい。」とトンっと胸を叩いた。「ははっ、頼もしいね。では楽しみにしていよう。」とクロードさんと話しながら馬車の御者に行き先を告げる。
クリスタルの滝はここから2時間程かかる。途中で1回休憩を入れた。クリスタルの滝に着くと少し山道を歩いた。正直言って少し苦しかったがクロードさんを感動させるんだ!と言う変な目標を自分で掲げてしまった為、弱音は吐けなかった。
はぁ、はぁと息を吐きながらやっと滝の直ぐそばまで来た。日差しを浴びてキラキラとクリスタルのように煌めく飛沫。クロードさんを見ると口を大きく開けて見ている。
やった!作戦成功だ。クロードさんは「なんて美しいんだろう。」と滝を見上げて呟いている。私もお父様に連れられて初めて見た時は感動してしばらく動けなかった。しばらくクロードさんは滝を眺めていたがふと我に帰ったのか「ジョゼフィーヌ、こんな素晴らしい物を見せてくれてありがとう。」とお礼を言った。
そして滝を散々見た後は馬車に戻り、私が留学前に通っていた学校の近くのレストランへ案内した。ここはランチがお値打ちで美味しいのだ。良くスカーレットと行ってた。
本日のお勧めを2人分頼み久しぶりの味に舌鼓を打った。クロードさんもしっかりと食べていたのでひとまず安心した。
それからトラフォードの王宮へ周りその施設を案内した。やはり騎士団関連施設はクロードさんの興味を引いたようでじっくりと眺めていた。
そしてクロードさんの泊まっている宿の前までやってきた。ここでしばらくお別れだ。
この後、彼は宿に荷物を取りに戻った後ラウールへと戻る。
「ジョゼフィーヌ、今日はありがとう。楽しかったよ。」と馬車の中で別れを惜しんでいた。
「楽しんでもらえて良かったです。」
「今度は僕がラウールを案内しよう。まだ観光らしき観光をしてないだろう?」
「そうですね。学園と寮と王宮ぐらいでしょうか?後はシャディのお屋敷と。」
「ははっ、それでは確かにラウールの事は分からないね。」
しばらくの沈黙のあとクロードさんに抱き締められた。
「別れ難いな。」と頭を撫でられた。
「私もです。でも明後日には戻りますよ。」と返事をすると「僕がいない間、他の男なんて見るなよ。」と言うとゆっくりと口づけられた。
そして額をコツンと合わせて「早く君と一緒になりたいよ。」と呟いた。
恥ずかしくてたまらなかったが「もう少しお待ち下さい。」とボソボソと言っておいた。
「じゃあクロードさん気をつけて戻って下さいね。」と馬車から降りると「あぁ、君が戻って来たら観光に行くぞ。」とクロードさんが言ったのを最後に馬車が走り出した。ジョゼフィーヌは馬車が見えなくなるまで見送っていた。
ジョゼフィーヌはそのまま屋敷に戻るとお母様が「お帰りジョゼフィーヌ。今日は楽しかったの?」と聞いて来た。実は今日のプランはお母様に相談したのだ。
「ええ、やっぱり滝を凄く喜んでくれたわ。連れて行って良かった。ありがとうお母様。」とお礼を言った。
「それよりジョゼフィーヌ、貴女卒業したらすぐに結婚するの?」と聞かれた。これは必ず聞かれるだろうとは思っていた。
「まだその話は出て無くて。決まったら真っ先に言うね。」と話した。実は結婚よりもジョゼフィーヌには昨日の話がとても気ががりだったのだ。
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