三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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第66話

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 勇哉さんが去ったあと、二人で呆然と立ち尽くしていた。

 その時、会議のことをふと思い出した。

「勇凛くん、とりあえず私行くね!終わったら連絡する」
「……はい。連絡待ってます」

 勇凛くんは複雑な表情を浮かべたままホームに戻った。
 私は気持ちを切り替えて会社に入った。

 ***

 早速昨日の会議の議事録を作成。
 その間に電話対応、次の会議の準備。

 すると秘書室のドアが開いて勇輝さんが入ってきた。
 結構疲労が溜まっている感じだ。

「会議資料を」
「はい、こちらです」

 書類を渡すときに触れた指先が熱かった。
 もしかして……

「副社長、熱がありますか……?」
「問題ない」

 彼は何事もないように部屋から出ていった。

 ──そして午後の会議

 一見体調の悪さを感じない。
 気のせいだったのかと思うほど。
 でも、会議が終わって社員が会議室から全員出ていった後、深いため息をついた。

「お休みになられてはどうでしょう」
「……そうはいかない。俺は失敗は許されない」

 え?

 勇輝さんは立ち上がって会議室から去った。

 勇哉さんの言葉といい、彼のことが気になった。

 ***

 秘書室に戻ってしばらくすると、ドアが開いた。
 見なくても誰かわかる。

「お疲れ様です」

 勇哉さんは隣の椅子に座った。

「兄貴、ヤバそうだよな」
「そうですね……体調悪いのにかなり無理されてますね」
「兄貴は昔親父が会社でやらかしたことの尻拭いをさせられて、色々大変だったんだよ」

 そんな過去が。

「そうだったんですね……」
「兄貴が今踏ん張ってるからこの会社が安泰なんだよ」

 ただの冷酷な御曹司だと思ってたけど、そうならざるを得なかった……のかな。

「教えていただきありがとうございます」
「……俺べつに兄貴のこと言うために来たんじゃないんだけど」
「え?」
「七海ちゃんと一緒にいたい」
「……」
「もう勇凛とかいいじゃん。俺なんでも七海ちゃんの願い叶えてあげるよ?」
「じゃあ、私に付きまとうのをやめてください……」
「俺の気持ち知っててひどい」

 デスクに顔をうつ伏せてる勇哉さん。
 非常にめんどくさい。

「だいたいあなた、結婚するんですよね?」
「あー。そうそう。だるすぎ」
「結婚しないとダメなんですか?」
「……」

 勇哉さんが立ち上がった。

「モヤモヤするから仕事終わったら森川くんと遊びに行こう」

 森川さん可哀想……。

「あ、森川くん来るの明日からだから」

 ・・・。
 え?

「俺の部下だから~。じゃね」

 勇哉さんの部下にされちゃったとか、ものすごい被害者……。

 私もモヤモヤしていた。
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