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番外編
そんな気持ちはいらない3
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副社長になった後は仕事の後処理を全部請け負った。
ずっと仕事をしていた。
家に帰らない日が増えた。
そして、気づけば仕事で知りあった、肩書きと容姿だけに寄ってきた女がうじゃうじゃと湧いてくるようになった。
全部適切に対応した。
機嫌を損ねないように、こちらが有利になるように。
家族を蔑ろにして出来上がった、偽りの関係。
もうドロドロだった。
ドロドロの中を真っ直ぐに歩いていた。
会社の業績は回復し、信頼は増し、父は海外に移った。
こんな地獄はもうゴメンだ。
──勇哉
自由気ままにやっているように見えて、察している。
割と仕事はキッチリやる。
その他のことはわからない。
詮索しない。
それで均衡を保っていた。
──勇凛
歳が離れた弟。
俺が中学生の時に生まれた。
まさかこんなに歳が離れた弟ができるなんて思いもしなかった。
歳が離れすぎていて、勇凛が小学校に上がる頃にはもう成人していた。
遊んでやることもできなかった。
でも、小さな勇凛がどんどん育つのを見て、あいつが真っ直ぐで真面目な人間になっていくのを見て、なぜか自分に重ねていた。
もしかしたら、こいつは大きくなったら、この会社の上に立つに相応しい男になるかもしれないと、漠然と思っていた。
だから、いつからか、だんだんと口を挟むようになっていた。
勇凛の私生活に。
父も母も何も勇凛に言わないぶん。
そしていよいよ入社を控えていた。
まさかそんなタイミングで、『結婚』するなんて夢にも思わなかった。
散々道を踏み外さないよう、離れて暮らしていても目を見張っていたのに。
どんな女が勇凛を奪ったのか知りたかった。
そしてやってきた女は──
勇凛とかなり年が離れた女。
会社に何のメリットも持ってない女。
勇凛は何を血迷ったのか。
たぶらかされたのか。
ただただ悔しかった。
勇凛の未来、俺の理想を奪った女を認めるわけにはいかない。
どうしたらこの状況を変えられるか必死に考えていた。
現実を突きつけるしかない。
林家から出て一人暮らしをしてバイトをしてることも調べればわかる。
勇凛が勝手に他の企業に就職をしようとしたことは、大学を通じて知った。
それなら今の俺ならどうにでもできる。
だから様子を見ていた。
それがこの結果だ。
大きなミスを犯した。
俺としたことが。
勇凛の逃げ場を無くすために、この女を利用した。
勇凛は本気でこの女に入れ込んでいる。
ならこれで縛り付けられる。
勇凛の未来を。
それが唯一の策だった。
女の方から身を引かせようと、試練を与え、気を引いてみた。
──が
引かない。なびかない。
むしろ立ち向かってくる。
これも想定外だ。
この女は本気で勇凛との未来を守ろうとしているのはわかった。
でも認めるわけにはいかない。
認めたら、あの時の俺を否定することになるからだ。
現実に打ちのめされて、彼女を突き放した俺を──
ずっと仕事をしていた。
家に帰らない日が増えた。
そして、気づけば仕事で知りあった、肩書きと容姿だけに寄ってきた女がうじゃうじゃと湧いてくるようになった。
全部適切に対応した。
機嫌を損ねないように、こちらが有利になるように。
家族を蔑ろにして出来上がった、偽りの関係。
もうドロドロだった。
ドロドロの中を真っ直ぐに歩いていた。
会社の業績は回復し、信頼は増し、父は海外に移った。
こんな地獄はもうゴメンだ。
──勇哉
自由気ままにやっているように見えて、察している。
割と仕事はキッチリやる。
その他のことはわからない。
詮索しない。
それで均衡を保っていた。
──勇凛
歳が離れた弟。
俺が中学生の時に生まれた。
まさかこんなに歳が離れた弟ができるなんて思いもしなかった。
歳が離れすぎていて、勇凛が小学校に上がる頃にはもう成人していた。
遊んでやることもできなかった。
でも、小さな勇凛がどんどん育つのを見て、あいつが真っ直ぐで真面目な人間になっていくのを見て、なぜか自分に重ねていた。
もしかしたら、こいつは大きくなったら、この会社の上に立つに相応しい男になるかもしれないと、漠然と思っていた。
だから、いつからか、だんだんと口を挟むようになっていた。
勇凛の私生活に。
父も母も何も勇凛に言わないぶん。
そしていよいよ入社を控えていた。
まさかそんなタイミングで、『結婚』するなんて夢にも思わなかった。
散々道を踏み外さないよう、離れて暮らしていても目を見張っていたのに。
どんな女が勇凛を奪ったのか知りたかった。
そしてやってきた女は──
勇凛とかなり年が離れた女。
会社に何のメリットも持ってない女。
勇凛は何を血迷ったのか。
たぶらかされたのか。
ただただ悔しかった。
勇凛の未来、俺の理想を奪った女を認めるわけにはいかない。
どうしたらこの状況を変えられるか必死に考えていた。
現実を突きつけるしかない。
林家から出て一人暮らしをしてバイトをしてることも調べればわかる。
勇凛が勝手に他の企業に就職をしようとしたことは、大学を通じて知った。
それなら今の俺ならどうにでもできる。
だから様子を見ていた。
それがこの結果だ。
大きなミスを犯した。
俺としたことが。
勇凛の逃げ場を無くすために、この女を利用した。
勇凛は本気でこの女に入れ込んでいる。
ならこれで縛り付けられる。
勇凛の未来を。
それが唯一の策だった。
女の方から身を引かせようと、試練を与え、気を引いてみた。
──が
引かない。なびかない。
むしろ立ち向かってくる。
これも想定外だ。
この女は本気で勇凛との未来を守ろうとしているのはわかった。
でも認めるわけにはいかない。
認めたら、あの時の俺を否定することになるからだ。
現実に打ちのめされて、彼女を突き放した俺を──
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