ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

七転び八起き

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第五章

第56話

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 先生の学校の夏休みは終わり──

 遼君が先生の学校に転校生として登校しだした。
 二人がそっくりだから、夏休み明けの学校はかなり賑わったみたい。

 私もその様子を見たかった…!

 まだ遼君が一人で暮らす部屋が見つかってなくて、遼君は先生の家に居候している。
 先生が帰るまでの間、遼君は何してるかというと──

 基本的にバイト。

 家から出て自立したいってのもあるし、先生と同じ空間にずっといるのもお互いしんどいから、なるべく顔を合わせないようにしてるみたい。
 あれだけ遼君と色々あったのに、先生は結局受け入れてて、なんだかんだで先生も心配してるんだな、と思った。


 今日私は前辞めたカフェにまた行ってみた。
 やっぱり、本屋の匂いとカフェの香りが混ざったこの空間はいい。

 店長は凄い喜んでくれて、話の流れでまた働く事になった。

 用事が全て終わった後、私は駅ビルでケーキを買って帰った。
 実は、こっそりと、先生の家に行こうかなと。

 今遼くんが居るから、先生は私を家に入れてくれない。
 でも私は二人がどう過ごしてるか見たい……!
 でも二人が何時に家にいるのかわからない。
 でも聞いたらバレる!

 とにかくもう家の近くまでいっちゃえー!と勢いで行った。

 インターホンを押してみた。
 二人とも仕事とバイトかな?
 その時、ドアが開いた。

 遼くんだった。

「あ、白乃さん!」
「あ……遼くん一人?」

 ちらっと部屋を見たら……
 しっかりパーテーションがしてあった。

 先生らしくて、可笑しくて笑ってしまった。
 私は先生が帰るまで中で待ってる事にした。

「遼君どこでバイト始めたの?」
「居酒屋だよー。賄いあるし」

 レンタル彼氏していた時のことを考えると、こういう方向に遼君が動けてよかったなと思った。

「先生いつ帰ってくるんだろう……」

 その時、遼くんの手が私の手に触れた。

「二人きりだね」

 私は油断していた。

「先生が帰るまで、ね!」

 私は手を引っ込めた。

「夏雄ずるい……悔しい」

 先生に似てても、まだ高校生だから、それが可愛らしく思えてしまう。

 その時、ドアが開いて先生が帰ってきた。

「なんでお前がいる……?」

 先生は私の顔を見た瞬間、愕然としていた。
 なんとなくこういう反応される事は想定していた。

「すみません……気になってつい」
「白乃さんケーキ買ってきてくれたよ」

 先生は遼君の事を睨んでいた。

「お前何かした?したよな?」

 先生の遼君への詰めが怖かった。

「私ここにきてまだ少ししか経ってないんで、大丈夫ですよ!」

 先生は項垂れていた。

「遼が居る間はもう絶対来るな」

 遼君の事が心配で気になるし、先生にも会いたいし、私はこの方がいいんだけどな……。

 その後、三人でケーキを仲良く食べたかったのに、そんな空気じゃなくなって、私は車で返される事に。

「本当に何もされてないんだよな?」

 車に乗ったら早速先生からの尋問。

「ないです!」

 でも前遼君に痕をつけられた時、黙っていたから、信頼度は低い。

「遼君の部屋、早く見つかるといいですね」

 家の近くに着いて、車を降りようとしたけど、少ししか一緒にいられなかったから、物足りない。
 でもあまり長いと遼君になんか思われるのも嫌だし。

「白乃」

 先生に呼ばれて振り向いた時に、優しいキスをされた。

「おやすみ」

 私はそのまま車を降りて、先生は帰って行った。

 これだけ……?

 物足りなさすぎて、その日はなかなか寝付けなかった。

 先生は前みたいな強引さが少しなくなった。
 でも私への優しさは変わらない。
 それが嬉しくもあったり、もどかしくもあったり。

 その時わかった。
 私も先生を求めていると。

 身も心も。

 自覚してしまった。
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