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第六章
第62話
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とうとう遼君は引っ越して、本格的に一人暮らしいを始めた。
先生は遼君の事を私のおかげだと言ったけど、先生が間に入っていなかったら、彼は家にいたまま、また危険な事をしていたと思う。
嫌がりつつも、助けていた。
遼君のせいで、もう先生との関係がダメになると思っていたけど、私達はまた同じ場所に立っている。
教員採用試験の合格発表はもうすぐだ。
本当の意味で同じ場所に立てるのかわからないけど、どんな結果でも私は私の道を進みたいと思った。
今日は大学で卒論を進めて、バイトをしたついでに本屋にも行って、読んでみたかった小説を買って帰ろうとした。
そしたら先生からメッセージがきた。
『俺の家の近くの駅で待ってて』
今日は先生の家に行けるのかな?
遼君が出ていってしまったから、先生寂しいのかな?
そんな訳ないか。
先生の家の最寄駅に着いて、駅のロータリーの近くで買った小説を少し読んでいた。
「すみません、ちょっと聞きたい事があるんですが」
突然話しかけられて振り返ったら、中年の女性が立っていた。
スラッとして綺麗で、どこか見た事がある面影。
「はい、何でしょうか?」
その人は小さな紙を出して見せてきた。
「この住所なんだけど、どの辺かわからなくて……。大体の位置とかご存知かしら」
綺麗な文字で書かれた住所を見た時、思考が止まった。
その時、先生の車がロータリーに見えた。
先生が私に気がついて近くに来た時、先生の表情が固まった。
「夏雄!凄い偶然!」
その女性と、先生はどことなく似ていて、なんとなくそれを察した。
私はその時、とにかく逃げたかった。
私が原因で、先生と志穂さんは婚約破棄になったわけで、バレたらヤバい!
「じゃあ私はこれで……」
私はその場を立ち去ろうとした。
先生にさりげなく、アイサインをした。
先生は複雑な表情をして、その女性と話していた。
その後、自分の家に向かおうとしたら、先生からまたメッセージが来た。
『後で迎えに行く』
あの人が帰ってから?
複雑すぎる!
私は何も返事を返せないでいた。
* * *
遼も居なくなったから、白乃と家でのんびりしたかった。
話したい事もあった。
だから今日は、と思っていた。
なのに、何故このタイミングで……。
駅のロータリーに居たのは、白乃と母さんだった。
何でここにいる?
どこで住所を……。
まあいい。
ただ、今このタイミングで会いたくなかった。
白乃も察して帰ろうとしている。
あのまま三年何も連絡しなかったのに、何を今更?
また見合いか?
もうほぼ縁は切ったつもりだった。
何を考えている?
「母さん、どうしたの?」
「お父さんがあの時カンカンに怒って、夏雄とちゃんと話せないままだったから……。何年も連絡こなくて、心配してたのよ」
あの時、親父がキレ散らかして俺は連絡を絶った。
母さんは戸惑っていて、何も言えないでいた。
親父の前では言えなかったけど、ずっと心配してたのか。
「とりあえず、乗って」
母さんを乗せて、俺の家に連れて行く事にした。
親とも向き合わないといけないと思っていた。
それが思ったより早まっただけだ。
家に着いて、母さんを部屋に入れた。
「わー結構広いのね」
母さんは色々部屋の中のものを見ていた。
高校の生徒との写真もじっと見ていた。
その時──
「あれ、この子、さっき駅に居た子に似ている」
油断していた……。
ちゃんと話す前にこんな形で。
想定外だ。ここに来る事も。
「もしかして、あの子に会おうとしていたの?」
なんて言えばいい。
いや、もう隠す必要もないだろ。
もう話すつもりでいた。
「そうだよ」
どんな反応するのか全くわからなかった。
「あの子が……夏雄が、色んな代償を払って守りたかった子なのね」
母さんの表情は、思ったより穏やかだった。
「あれからずっと一緒なの?」
「いや……あのあと、三年連絡取らなかった」
母さんは頷きながら目線を逸らした。
「あら……?」
母さんは、俺が白乃から借りたネックレスを見つけてしまった。
しまっておけば良かった……。
でもあいつ以外来ることなんて考えていなかった。
「あの子の忘れ物?」
これは詮索されてるのか?
「だったら何?」
母さんの表情は特に変わらなかった。
「あの子と話してみたくなったの」
それは何を意図してるかわからなかった。
ただ、もうあいつの事を隠すのはやめたかった。
もっと堂々としたい。
俺が貫いた想いを、示したかった。
その後、母さんを実家の近くまで送って、それから白乃に連絡した。
先生は遼君の事を私のおかげだと言ったけど、先生が間に入っていなかったら、彼は家にいたまま、また危険な事をしていたと思う。
嫌がりつつも、助けていた。
遼君のせいで、もう先生との関係がダメになると思っていたけど、私達はまた同じ場所に立っている。
教員採用試験の合格発表はもうすぐだ。
本当の意味で同じ場所に立てるのかわからないけど、どんな結果でも私は私の道を進みたいと思った。
今日は大学で卒論を進めて、バイトをしたついでに本屋にも行って、読んでみたかった小説を買って帰ろうとした。
そしたら先生からメッセージがきた。
『俺の家の近くの駅で待ってて』
今日は先生の家に行けるのかな?
遼君が出ていってしまったから、先生寂しいのかな?
そんな訳ないか。
先生の家の最寄駅に着いて、駅のロータリーの近くで買った小説を少し読んでいた。
「すみません、ちょっと聞きたい事があるんですが」
突然話しかけられて振り返ったら、中年の女性が立っていた。
スラッとして綺麗で、どこか見た事がある面影。
「はい、何でしょうか?」
その人は小さな紙を出して見せてきた。
「この住所なんだけど、どの辺かわからなくて……。大体の位置とかご存知かしら」
綺麗な文字で書かれた住所を見た時、思考が止まった。
その時、先生の車がロータリーに見えた。
先生が私に気がついて近くに来た時、先生の表情が固まった。
「夏雄!凄い偶然!」
その女性と、先生はどことなく似ていて、なんとなくそれを察した。
私はその時、とにかく逃げたかった。
私が原因で、先生と志穂さんは婚約破棄になったわけで、バレたらヤバい!
「じゃあ私はこれで……」
私はその場を立ち去ろうとした。
先生にさりげなく、アイサインをした。
先生は複雑な表情をして、その女性と話していた。
その後、自分の家に向かおうとしたら、先生からまたメッセージが来た。
『後で迎えに行く』
あの人が帰ってから?
複雑すぎる!
私は何も返事を返せないでいた。
* * *
遼も居なくなったから、白乃と家でのんびりしたかった。
話したい事もあった。
だから今日は、と思っていた。
なのに、何故このタイミングで……。
駅のロータリーに居たのは、白乃と母さんだった。
何でここにいる?
どこで住所を……。
まあいい。
ただ、今このタイミングで会いたくなかった。
白乃も察して帰ろうとしている。
あのまま三年何も連絡しなかったのに、何を今更?
また見合いか?
もうほぼ縁は切ったつもりだった。
何を考えている?
「母さん、どうしたの?」
「お父さんがあの時カンカンに怒って、夏雄とちゃんと話せないままだったから……。何年も連絡こなくて、心配してたのよ」
あの時、親父がキレ散らかして俺は連絡を絶った。
母さんは戸惑っていて、何も言えないでいた。
親父の前では言えなかったけど、ずっと心配してたのか。
「とりあえず、乗って」
母さんを乗せて、俺の家に連れて行く事にした。
親とも向き合わないといけないと思っていた。
それが思ったより早まっただけだ。
家に着いて、母さんを部屋に入れた。
「わー結構広いのね」
母さんは色々部屋の中のものを見ていた。
高校の生徒との写真もじっと見ていた。
その時──
「あれ、この子、さっき駅に居た子に似ている」
油断していた……。
ちゃんと話す前にこんな形で。
想定外だ。ここに来る事も。
「もしかして、あの子に会おうとしていたの?」
なんて言えばいい。
いや、もう隠す必要もないだろ。
もう話すつもりでいた。
「そうだよ」
どんな反応するのか全くわからなかった。
「あの子が……夏雄が、色んな代償を払って守りたかった子なのね」
母さんの表情は、思ったより穏やかだった。
「あれからずっと一緒なの?」
「いや……あのあと、三年連絡取らなかった」
母さんは頷きながら目線を逸らした。
「あら……?」
母さんは、俺が白乃から借りたネックレスを見つけてしまった。
しまっておけば良かった……。
でもあいつ以外来ることなんて考えていなかった。
「あの子の忘れ物?」
これは詮索されてるのか?
「だったら何?」
母さんの表情は特に変わらなかった。
「あの子と話してみたくなったの」
それは何を意図してるかわからなかった。
ただ、もうあいつの事を隠すのはやめたかった。
もっと堂々としたい。
俺が貫いた想いを、示したかった。
その後、母さんを実家の近くまで送って、それから白乃に連絡した。
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