夜明けの旋律─二人の繋いだ手の先に待ち受けるもの─

七転び八起き

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二人の世界

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駅に着いた。
駅前は綺麗なイルミネーションに包まれて、カップルが多かった。

「これからどうしようか」
二人で悩んでいた。

「じゃあ、家に来る?」
「え?」
「家族が唯川に会いたいって言ってたからさ」

唯川はまた悩んでいる。

「……うん」
緊張している。

「じゃあそうしよう」

二人で駅のホームに入って、自宅の最寄駅に向かった。

***

駅に到着して、母に電話をかけた。

『もしもし~』
「今から唯川そっちに連れて行ってもいいかな」
『え!今から!?』
「うん」

電話の向こうで妹の泣き声が聞こえる。

『ごめん、病気移されちゃったみたいで、今日は無理だわ……』
「……わかった」
『治ったらいつでも連れてきてね!唯川くんによろしくね!』

電話を切った。

「ごめん……家族が病気に罹ったみたいで…」
「わかった。じゃあ俺は帰るよ」
「待って。じゃあばあちゃんの家に行こう」
「え、いきなり大丈夫?」
「たぶん」

唯川と今は離れたくない。

駅から二人で祖母の家に向かった。

***

祖母の家に着いて玄関を開けた。

「ばあちゃん、唯川連れてきた!」

その声に反応して、祖母が玄関に急いで来た。

「悟史くん!久しぶりね。素敵なスーツ着てるけど、今日は何かあったの?」
「今日はピアノの発表会がありました」
「まあ、私も聴きたかったわ…」
「じゃあここで弾いてもらおうよ」
「え」

唯川が固まった。
無茶振りだった。

「あ、ごめん、疲れてるよね…」
「いや、いいよ。せっかくだから」
「あの、二人ともごめんね、今から自治会の集まりがあって、それに私行かなくちゃいけなくて」
「それどのくらいかかる?」
「二時間くらいかしら」

唯川を二時間待たせるのは流石に難しい。

「唯川、段取り悪くてごめん……」
「いや、仕方ないよ。」
「でも……」
「お祖母さん帰るまでゆっくり待っていよう」

唯川が優しく呟く。

「じゃあなるべく早く帰ってくるから、二人とも気をつけてね」

祖母はその後すぐに出かけた。

家に二人きりになってしまった。

「唯川、座って」
唯川を椅子に座らせてテレビをつけた。

台所でお茶を淹れた。
唯川の側に湯呑みを置く。

「そんなに気を遣わなくていいよ」
唯川が少し笑った。

「いぶきと二人でゆっくりしたかったから、これでいい」

唯川の笑顔を見たら、胸が苦しくなった。

唯川を抱きしめた。
唯川の腕が背中に回る。

唇を重ねた。
何度も何度もキスをする。

体が熱を帯びてくる。
呼吸が乱れてくる。

唯川を床に押し倒してしまった。

「ごめん…ちょっと暴走して」

唯川の瞳が潤んでいる。

「いいよ、もっといぶきがほしい」

自分を抑えるものがなくなってしまった。

何も準備もできてない。
だけど、止められない。

唯川を少しずつ解いていく。
露出する肌に唇を落とすと、唯川が少し震えた。

唯川に優しく触れる。
必死に我慢しているけど、微かに声を漏らしている。

愛しくてたまらない。

肌が合わさる。
とても心地いい。
満たされゆく。

二人だけの世界に溶けていった。


祖母が帰ってきた後、唯川は別れの曲を祖母に披露して、夕飯を食べて、帰った。
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