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第8話
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──篠山あやめ
毎日毎日探すけど、どこにもいない。
どこにいる?
学校の中だよな?
もう思いつく限りのところは探した。
学校にはいるはずなのに。
仕方なくまた教室に戻ろうとした時、どこからか鼻歌が聞こえた。
どこだ?
導かれるように辿り着いたのは、学校の外側にある非常階段だった。
そこに居たのは、あの日ぶつかった女だった。
じっと見ていたら、向こうがこちらに気づいた。
「あ、夏雄先生もどき」
イラっとした。
「俺はもどきじゃねーよ」
その女はくすくす笑った。
「うん。似てるの顔だけだもんね」
「は?」
どういう意味だ?
「あの先生、優しくて笑顔でいい先生って感じだけどさ。なんとなく、本当は違う気がするんだよね」
──なんでわかるんだよ。
「君は違うでしょ?」
俺が唖然としていると、そいつは俺が持っているテストを見た。
「あ、やば、拾われちゃった」
そいつはそのテストを手に取った。
「私勉強苦手なんなよね~。受験生なのにやばいよね」
やばいといいつつ、余裕の笑みをしている。
「お前、“篠山あやめ”っていうんだな」
篠山はニヤッとする。
こいつは、同じ三年の女子より遥かに大人びてる。
落ち着いてるというか。
「まあ私大学とか行くつもりないから、別にテストなんてどうでもいいんだけどね」
篠山は壁にもたれかかって空を見上げていた。
「じゃあ卒業した後どうするんだよ」
つい聞いてしまった。
「すぐに働きたいから、仕事探す」
高校卒業してすぐ就職。
今の俺には考えられなかった。
バイトはしているけど、それはあくまでバイトなわけであって。
「君の名前は?」
「遼」
篠山は、ふーん、という感じだった。
「でももう年末だし、今の時点で決まってないのは流石にやばいから、就活頑張らないとなー」
篠山は校舎に入るドアを開けた。
「テストありがとう」
そのまま校舎の中に消えて行った。
夏雄の事を見抜いた女。
どの女子も、あの表面にしか興味がなかった。
やっぱり不思議な女だ。
そんな事をぼーっと考えているうちに、バイトが終わって、駅に向かってると──
篠山がいる。
誰かを待っている感じだ。
彼氏か?
なんとなく気になって身を潜めた。
しばらくすると、男が一人篠山に恐る恐る近づいていた。
中年の男。
篠山がその男に気づいた。
そしてその男と奇妙なやりとりをしている。
どう見ても彼氏ではない。
まるで初対面のような。
そのまま二人でどこかに行った。
あいつは一体なんなんだよ。
でも、あれはまるで、俺がやっていた前の仕事──『レンタル彼氏』のやりとりのように見えた。
毎日毎日探すけど、どこにもいない。
どこにいる?
学校の中だよな?
もう思いつく限りのところは探した。
学校にはいるはずなのに。
仕方なくまた教室に戻ろうとした時、どこからか鼻歌が聞こえた。
どこだ?
導かれるように辿り着いたのは、学校の外側にある非常階段だった。
そこに居たのは、あの日ぶつかった女だった。
じっと見ていたら、向こうがこちらに気づいた。
「あ、夏雄先生もどき」
イラっとした。
「俺はもどきじゃねーよ」
その女はくすくす笑った。
「うん。似てるの顔だけだもんね」
「は?」
どういう意味だ?
「あの先生、優しくて笑顔でいい先生って感じだけどさ。なんとなく、本当は違う気がするんだよね」
──なんでわかるんだよ。
「君は違うでしょ?」
俺が唖然としていると、そいつは俺が持っているテストを見た。
「あ、やば、拾われちゃった」
そいつはそのテストを手に取った。
「私勉強苦手なんなよね~。受験生なのにやばいよね」
やばいといいつつ、余裕の笑みをしている。
「お前、“篠山あやめ”っていうんだな」
篠山はニヤッとする。
こいつは、同じ三年の女子より遥かに大人びてる。
落ち着いてるというか。
「まあ私大学とか行くつもりないから、別にテストなんてどうでもいいんだけどね」
篠山は壁にもたれかかって空を見上げていた。
「じゃあ卒業した後どうするんだよ」
つい聞いてしまった。
「すぐに働きたいから、仕事探す」
高校卒業してすぐ就職。
今の俺には考えられなかった。
バイトはしているけど、それはあくまでバイトなわけであって。
「君の名前は?」
「遼」
篠山は、ふーん、という感じだった。
「でももう年末だし、今の時点で決まってないのは流石にやばいから、就活頑張らないとなー」
篠山は校舎に入るドアを開けた。
「テストありがとう」
そのまま校舎の中に消えて行った。
夏雄の事を見抜いた女。
どの女子も、あの表面にしか興味がなかった。
やっぱり不思議な女だ。
そんな事をぼーっと考えているうちに、バイトが終わって、駅に向かってると──
篠山がいる。
誰かを待っている感じだ。
彼氏か?
なんとなく気になって身を潜めた。
しばらくすると、男が一人篠山に恐る恐る近づいていた。
中年の男。
篠山がその男に気づいた。
そしてその男と奇妙なやりとりをしている。
どう見ても彼氏ではない。
まるで初対面のような。
そのまま二人でどこかに行った。
あいつは一体なんなんだよ。
でも、あれはまるで、俺がやっていた前の仕事──『レンタル彼氏』のやりとりのように見えた。
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