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3章 ルルの故郷と恋〜主人公無双が止まらない〜
50.背負った使命
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俺はルルに促されるままベッドに横になり、目を閉じた。
2人とも黙っていると、静寂に包まれる。
それはもう、アリの足跡が聞こえてきそうなほど、無音である。
そんな中、隣で寝ているルルの息遣いが聞こえて来る。
その息の音が、目を閉じていてもひしひしとルルの存在を感じさせた。
そこには言い知れぬ背徳感があった。
俺はその無音で居た堪れない空間の中で、意識を沈ませていった。
翌朝、俺は静かに目を覚ました。
不思議なほど心が落ち着く目覚めだった。
意識がゆっくりと落ちて来るように覚醒していき。
やがて目を開いて朝日を感じた。
視線は地面に平行に向いている。
俺は寝るときに仰向けで寝始めたはずだから寝返りをうって、横を向いたのだろう。
そこで、ふと俺は思い出した。
昨日、ルルと同じベッドで眠りについたことに。
すると、意識を向けたせいか、俺の背中の感覚がいきなり鋭敏になった。
背中に温かく柔らかい感触を覚えた。
俺はその感触に危機感を抱く。
俺の背中に当たっているものが何かを考えたとき、まずそれがルルの身体であることは言うまでもない。
しかし、身体のどこの部分かと言うのは、今この瞬間に関しては、非常に大事なことだ。
それがもし、女性特有の部位であったりすれば大惨事だ。
そうだった場合、俺は速やかにここを退室すべきだろう。
そう思って、俺は掛け布団を持ち上げて確認した。
ーーそこで俺が見てしまったその光景は、俺を安堵させるものでもあり、後悔させるものでもあった。
そこにあったのは、小さく丸まって縮こまるように寝ているルルの身体だった。
俺が背中に感じた感触はおそらく腕のあたりだったのだろう。
そのことに俺は安堵を覚えた。
しかし、それを塗り替えるように俺の心を支配する感情があった。
それは言葉で表せるほど単純ではなく、どうしようもなく溢れて来るものだった。
まず最初に感じたのは庇護欲に似た感情だった。
まるで猫のように丸くなって寝ているルルは純粋に心惹くものがあった。
次は、ある種の衝撃だった。
それはルルの寝顔を見た時に起こった。
艶やかな銀髪に包まれるように白くシミひとつない綺麗な肌に、整った容姿。
優しく閉じられた唇。
スッとまっすぐ伸びる長いまつ毛。
その何もかもが、元々高かったルルの女の子としての魅力を押し上げていた。
その瞬間、俺は心臓を握られたような衝撃を受けた。
俺が確認したたった数秒という時間で、ルルはいとも簡単に俺の心を奪った。
俺は意識を失ったように、しばらくルルの寝顔を見続けていた。
俺は気づいてしまった。
俺はルルが好きになりそうだと。
もっと早く気づくべきだった。
俺の心は思うより強くない。
穂花への恋心をひた隠しにしたまま日常を送ることは、想像より心にきていたのだ。
でも、穂花に伝えることは出来なくて、その板挟みの中でとうの昔に俺の心は崩れかけていた。
だから、俺は無意識の内にルルという美少女をあれこれ理由をつけて手元に置こうとしたんだ。
想いを伝えられない穂花のかわりになるような存在が欲しくて。
そのことに気づいた瞬間に心に激痛がはしった。
それは罪悪感の痛みだ。
俺はただ自分のためにルルの人生を変えてしまった。
そして変えた俺は、その責任をとる術がない。
取り返しがつくのだろうか。
(そうじゃない、必ず俺がなんとかしないといけないんだ)
俺が変えたなら、俺が戻せばいい。
それが俺の使命なのだろう。
そして、その使命は俺が生きている限りずっと背負い続けなくてはならない重荷なのだ。
2人とも黙っていると、静寂に包まれる。
それはもう、アリの足跡が聞こえてきそうなほど、無音である。
そんな中、隣で寝ているルルの息遣いが聞こえて来る。
その息の音が、目を閉じていてもひしひしとルルの存在を感じさせた。
そこには言い知れぬ背徳感があった。
俺はその無音で居た堪れない空間の中で、意識を沈ませていった。
翌朝、俺は静かに目を覚ました。
不思議なほど心が落ち着く目覚めだった。
意識がゆっくりと落ちて来るように覚醒していき。
やがて目を開いて朝日を感じた。
視線は地面に平行に向いている。
俺は寝るときに仰向けで寝始めたはずだから寝返りをうって、横を向いたのだろう。
そこで、ふと俺は思い出した。
昨日、ルルと同じベッドで眠りについたことに。
すると、意識を向けたせいか、俺の背中の感覚がいきなり鋭敏になった。
背中に温かく柔らかい感触を覚えた。
俺はその感触に危機感を抱く。
俺の背中に当たっているものが何かを考えたとき、まずそれがルルの身体であることは言うまでもない。
しかし、身体のどこの部分かと言うのは、今この瞬間に関しては、非常に大事なことだ。
それがもし、女性特有の部位であったりすれば大惨事だ。
そうだった場合、俺は速やかにここを退室すべきだろう。
そう思って、俺は掛け布団を持ち上げて確認した。
ーーそこで俺が見てしまったその光景は、俺を安堵させるものでもあり、後悔させるものでもあった。
そこにあったのは、小さく丸まって縮こまるように寝ているルルの身体だった。
俺が背中に感じた感触はおそらく腕のあたりだったのだろう。
そのことに俺は安堵を覚えた。
しかし、それを塗り替えるように俺の心を支配する感情があった。
それは言葉で表せるほど単純ではなく、どうしようもなく溢れて来るものだった。
まず最初に感じたのは庇護欲に似た感情だった。
まるで猫のように丸くなって寝ているルルは純粋に心惹くものがあった。
次は、ある種の衝撃だった。
それはルルの寝顔を見た時に起こった。
艶やかな銀髪に包まれるように白くシミひとつない綺麗な肌に、整った容姿。
優しく閉じられた唇。
スッとまっすぐ伸びる長いまつ毛。
その何もかもが、元々高かったルルの女の子としての魅力を押し上げていた。
その瞬間、俺は心臓を握られたような衝撃を受けた。
俺が確認したたった数秒という時間で、ルルはいとも簡単に俺の心を奪った。
俺は意識を失ったように、しばらくルルの寝顔を見続けていた。
俺は気づいてしまった。
俺はルルが好きになりそうだと。
もっと早く気づくべきだった。
俺の心は思うより強くない。
穂花への恋心をひた隠しにしたまま日常を送ることは、想像より心にきていたのだ。
でも、穂花に伝えることは出来なくて、その板挟みの中でとうの昔に俺の心は崩れかけていた。
だから、俺は無意識の内にルルという美少女をあれこれ理由をつけて手元に置こうとしたんだ。
想いを伝えられない穂花のかわりになるような存在が欲しくて。
そのことに気づいた瞬間に心に激痛がはしった。
それは罪悪感の痛みだ。
俺はただ自分のためにルルの人生を変えてしまった。
そして変えた俺は、その責任をとる術がない。
取り返しがつくのだろうか。
(そうじゃない、必ず俺がなんとかしないといけないんだ)
俺が変えたなら、俺が戻せばいい。
それが俺の使命なのだろう。
そして、その使命は俺が生きている限りずっと背負い続けなくてはならない重荷なのだ。
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