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4章 商人ピエールの訪れ
73.イタズラは徹底的に
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ピエールが枝の散らばる道を進むのを俺たちは眺めながら話す。
「ルルは知らないだろうけど、ラウトは昔っからイタズラが好きでさあ」
「そうなんですか?」
「そうなの。とにかく騙すのが上手くて3日も連続で同じイタズラに引っ掛けられたりしたよ」
暎斗と穂花は反応が良いのでイタズラの被害者になりやすかった。
まあ、1番の被害者は姉でお互いにやってやられてを繰り返していた。
「あれ見てみろよ」
暎斗はそう言ってピエールの周りに転がる枝を指差す。
「一見するとただの枝だけど、よく観察すると全部同じ方向を向いて散らばってるだろ?」
「確かに言われるとそうです」
暎斗の言う通り枝は全て進行方向に向かって45°ほど傾いて置いてある。
勿論それには理由がある。
「あれのせいで車体が傾いて跳ねるから中は相当乗り心地が悪いだろうな」
暎斗は俺の狙いを正確に見抜いていた。長年、俺のイタズラを受けてきただけはある。
だが、暎斗よ。まだ見抜けていない所があるぞ。
枝を同じ向きに配置した理由はもう一つある。
「それにラウトのイタズラはひとつじゃ終わらないんだよね」
「そうだったなぁ」
穂花と暎斗は昔を思い出してそう言う。
よくご存じで。
ピエールの乗る馬車はやがて枝の散らばる道を通り過ぎた。
でも、馬車の乗り心地の悪さはまだ続いている。
その原因は馬車の車輪が歪んでいるせいだ。
同じ向きに配置された枝を踏み続けたせいで車輪が歪んでしまっていたのだ。
これが暎斗も気づかなかった狙いだ。
車輪が歪んでいる事で馬車は真っ直ぐに進まない。
こまめに方向転換をしないと道をはみ出してしまうのだ。
そうなると馬車は左右に揺らされ馬車の中のピエールは馬車酔いに悩まされる。
「うわぁ・・・ラウトのイタズラって想像のひとつ上をいくよな」
俺の隠れた狙いに気づいて暎斗が言って穂花も頷く。
だが、ルルは理解できなかったらしく説明してやる。
「そこまで考えていたんですね。凄いです」
「でもあれも本命じゃないだろうな」
暎斗はそう呟く。
「そうなんですか?」
「ラウトのイタズラは心を折ってくるからなぁ。あの突撃鳥の時がそうだっただろ?」
暎斗に言われて思い出したルルはそうだったと身体を震わせて言う。
ちょっとトラウマになっているみたいだ。
反省しよう。
まあ、暎斗の言う通りでこれは本命ではない。
本命はこれからなのだ。
ピエール達の馬車を見ていると俺の予想通り馬車を出て歩いて進むことを選択する。
街までそこまで距離もないので、そうするのは簡単に予測できる。
ここからケルビラまでは若干の登り道である。
それが俺の今回の本命となるイタズラにうってつけの地形なのだ。
ピエールたち一行が登りに差し掛かった時に先頭を進む用心棒が声を上げる。
「何だこれは」
その用心棒の視線は足下に向いている。
どうしたと言うのでしょう?
まあ、俺が仕掛けたものなので、どうなっているのかは知っているのだが。
俺が仕掛けたのはここらに群生している木の樹液だ。
樹液で何が起こるか予測してみて欲しい。
分かったら、その人はイタズラの才能がある。
でも、完璧に予測できる人はいないと思う。
なにせ今まで散々イタズラを受けてきた穂花と暎斗もどうなるか予測できず、その様子を見つめているのだから。
さて、答え合わせといこう。
樹液、そこからは甘い匂いが漂っている。
日本人なら馴染みがあるだろうが、樹液には多くの虫が集まるのだ。
虫の種類はハエやカナブン、蛾など多種多様。
どれも人に害をなす虫ではないが、数が数だけに歩いてるだけで飛び回っている虫が顔や身体にぶつかってくる。
鬱陶しくて仕方がないはずだ。
「うわぁぁぁ!!」
そんな中、用心棒の一人が悲鳴を上げる。
どうしたのかと皆がそっちを見ると樹液に足をとられて転倒していた。
樹液はヌルッとしていて虫たちに気を取られて足元の注意を怠るとステンっと転んでしまう。
はい、ここで思い出して欲しい。
ここがどんな地形だったかを。
そう、上り坂である。
つまり、転んだ人はと言うと。
「あぁぁぁぁぁ!!」
ヌルヌルの樹液で立つこともできないまま坂の一番下まで滑り落ちていった。
もうお分かり頂けただろう。
これは上にも下にも注意を払いながら登り道を進まなければいけないという地獄となっているのだ。
「ほんとにいい性格してる」
次々と坂道を滑り落ちていく人を見ながら暎斗が呟く。
ルルも穂花も暎斗と同様に、呆れ顔でその光景を眺めていたが、やがて滑稽なピエール達の姿と森に響く奇声の面白さに笑いを堪えきれずお腹を抱えて笑い始めるのだった。
ひとしきり笑った4人はピエール達よりひと足先に街に戻る。
樹液の仕掛けた量にも限りがあるので、そのうち街にたどり着くだろう。
それから俺は3人に先に帰ってもらって、俺のイタズラに巻き添えを喰らう形になったピエールの追跡者に謝罪に行く。
俺は転移でその人物のいる場所の近くに移動する。
その人物は俺の気配に気づいて、隠れる。
魔力探知で位置が分かっているので俺はその方向に声をかける。
「ピエールへのイタズラに巻き込んでしまって本当にすみません」
その人物は姿を出す気はないようだ。
「あの、これ一応、謝罪の印です。売れば金貨10枚にはなると思うので置いておきますね」
俺はダンジョンで拾った宝石をいくつか地面に置く。
前にその手の店で高価な値がついていたので、少しでも謝罪になればと思って差し出す。
「これでも足りなければ、スラムに近い屋敷を訪ねてください。できる限りのことはするので」
長居しても迷惑になりそうだったので、俺はそう言い残してその場を去った。
俺が去った後、木の影から姿を現したのはポニーテールの少女ーーヒアだ。
ヒアはラウトの置いていった宝石を見ながら口を開く。
「気配を消したのに」
ヒアは訓練をこなしてきた一端の暗殺者である。
組織の中でも暗殺の腕は上の方だった自負もある。
だが、さっきの男はしっかりと、こっちの存在を認識していた。
ヒアは男の置いていった宝石を拾うことなく、ピエールの追跡を再開した。
「ルルは知らないだろうけど、ラウトは昔っからイタズラが好きでさあ」
「そうなんですか?」
「そうなの。とにかく騙すのが上手くて3日も連続で同じイタズラに引っ掛けられたりしたよ」
暎斗と穂花は反応が良いのでイタズラの被害者になりやすかった。
まあ、1番の被害者は姉でお互いにやってやられてを繰り返していた。
「あれ見てみろよ」
暎斗はそう言ってピエールの周りに転がる枝を指差す。
「一見するとただの枝だけど、よく観察すると全部同じ方向を向いて散らばってるだろ?」
「確かに言われるとそうです」
暎斗の言う通り枝は全て進行方向に向かって45°ほど傾いて置いてある。
勿論それには理由がある。
「あれのせいで車体が傾いて跳ねるから中は相当乗り心地が悪いだろうな」
暎斗は俺の狙いを正確に見抜いていた。長年、俺のイタズラを受けてきただけはある。
だが、暎斗よ。まだ見抜けていない所があるぞ。
枝を同じ向きに配置した理由はもう一つある。
「それにラウトのイタズラはひとつじゃ終わらないんだよね」
「そうだったなぁ」
穂花と暎斗は昔を思い出してそう言う。
よくご存じで。
ピエールの乗る馬車はやがて枝の散らばる道を通り過ぎた。
でも、馬車の乗り心地の悪さはまだ続いている。
その原因は馬車の車輪が歪んでいるせいだ。
同じ向きに配置された枝を踏み続けたせいで車輪が歪んでしまっていたのだ。
これが暎斗も気づかなかった狙いだ。
車輪が歪んでいる事で馬車は真っ直ぐに進まない。
こまめに方向転換をしないと道をはみ出してしまうのだ。
そうなると馬車は左右に揺らされ馬車の中のピエールは馬車酔いに悩まされる。
「うわぁ・・・ラウトのイタズラって想像のひとつ上をいくよな」
俺の隠れた狙いに気づいて暎斗が言って穂花も頷く。
だが、ルルは理解できなかったらしく説明してやる。
「そこまで考えていたんですね。凄いです」
「でもあれも本命じゃないだろうな」
暎斗はそう呟く。
「そうなんですか?」
「ラウトのイタズラは心を折ってくるからなぁ。あの突撃鳥の時がそうだっただろ?」
暎斗に言われて思い出したルルはそうだったと身体を震わせて言う。
ちょっとトラウマになっているみたいだ。
反省しよう。
まあ、暎斗の言う通りでこれは本命ではない。
本命はこれからなのだ。
ピエール達の馬車を見ていると俺の予想通り馬車を出て歩いて進むことを選択する。
街までそこまで距離もないので、そうするのは簡単に予測できる。
ここからケルビラまでは若干の登り道である。
それが俺の今回の本命となるイタズラにうってつけの地形なのだ。
ピエールたち一行が登りに差し掛かった時に先頭を進む用心棒が声を上げる。
「何だこれは」
その用心棒の視線は足下に向いている。
どうしたと言うのでしょう?
まあ、俺が仕掛けたものなので、どうなっているのかは知っているのだが。
俺が仕掛けたのはここらに群生している木の樹液だ。
樹液で何が起こるか予測してみて欲しい。
分かったら、その人はイタズラの才能がある。
でも、完璧に予測できる人はいないと思う。
なにせ今まで散々イタズラを受けてきた穂花と暎斗もどうなるか予測できず、その様子を見つめているのだから。
さて、答え合わせといこう。
樹液、そこからは甘い匂いが漂っている。
日本人なら馴染みがあるだろうが、樹液には多くの虫が集まるのだ。
虫の種類はハエやカナブン、蛾など多種多様。
どれも人に害をなす虫ではないが、数が数だけに歩いてるだけで飛び回っている虫が顔や身体にぶつかってくる。
鬱陶しくて仕方がないはずだ。
「うわぁぁぁ!!」
そんな中、用心棒の一人が悲鳴を上げる。
どうしたのかと皆がそっちを見ると樹液に足をとられて転倒していた。
樹液はヌルッとしていて虫たちに気を取られて足元の注意を怠るとステンっと転んでしまう。
はい、ここで思い出して欲しい。
ここがどんな地形だったかを。
そう、上り坂である。
つまり、転んだ人はと言うと。
「あぁぁぁぁぁ!!」
ヌルヌルの樹液で立つこともできないまま坂の一番下まで滑り落ちていった。
もうお分かり頂けただろう。
これは上にも下にも注意を払いながら登り道を進まなければいけないという地獄となっているのだ。
「ほんとにいい性格してる」
次々と坂道を滑り落ちていく人を見ながら暎斗が呟く。
ルルも穂花も暎斗と同様に、呆れ顔でその光景を眺めていたが、やがて滑稽なピエール達の姿と森に響く奇声の面白さに笑いを堪えきれずお腹を抱えて笑い始めるのだった。
ひとしきり笑った4人はピエール達よりひと足先に街に戻る。
樹液の仕掛けた量にも限りがあるので、そのうち街にたどり着くだろう。
それから俺は3人に先に帰ってもらって、俺のイタズラに巻き添えを喰らう形になったピエールの追跡者に謝罪に行く。
俺は転移でその人物のいる場所の近くに移動する。
その人物は俺の気配に気づいて、隠れる。
魔力探知で位置が分かっているので俺はその方向に声をかける。
「ピエールへのイタズラに巻き込んでしまって本当にすみません」
その人物は姿を出す気はないようだ。
「あの、これ一応、謝罪の印です。売れば金貨10枚にはなると思うので置いておきますね」
俺はダンジョンで拾った宝石をいくつか地面に置く。
前にその手の店で高価な値がついていたので、少しでも謝罪になればと思って差し出す。
「これでも足りなければ、スラムに近い屋敷を訪ねてください。できる限りのことはするので」
長居しても迷惑になりそうだったので、俺はそう言い残してその場を去った。
俺が去った後、木の影から姿を現したのはポニーテールの少女ーーヒアだ。
ヒアはラウトの置いていった宝石を見ながら口を開く。
「気配を消したのに」
ヒアは訓練をこなしてきた一端の暗殺者である。
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