世界最強だけど我が道を行く!!

ぶちこめダノ

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5章 冒険者らしい活動もしようよ!!

84.やらかすのがデフォ

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狭い通路での戦闘は面倒なので、広いところでモンスターを待ち受ける。

左右の通路からそれぞれモンスターが来ている。


「ルルは右の通路をお願い」


「分かりました!」


ルルが負ける相手ではないので安心して任せられる。

俺は左の通路に視線を向ける。

姿は見えないが、魔力探知で接近してきているのは分かっているので、通路の中に火魔法を適当に放つ。
モンスターに直撃することはなかったが、狭い通路に炎と熱の風が充満してダメージを与える。

俺は耐熱のために水の魔法を纏って通路に入る。

そこには全身を火傷して悶え苦しむモンスターたちがいた。
俺は魔剣を出してモンスターたちを次々に真っ二つにして絶命させる。
するとすぐにアイテムと硬貨に変化した。

それらを拾ってルルの方に行くと最後の1体を倒すところだった。

モンスターから得られるドロップは大して価値のないものばかりで、やはりこのダンジョンの旨味は鉱石だ。
討伐クエスト自体は種類関係なく15体倒せば達成になるので、これ以上モンスターを倒す利点はない。

ルルに壁をパンチするのは止めて貰って、再び鉱石採掘に取り掛かる。

俺は鑑定で価値の高いものが分かるので、効率よく集められた。

ルルも不器用な訳ではないらしく、やり方を教えてからは俺とそう変わらないスピードで鉱石を採掘していた。

度々、モンスターの襲撃があったが、俺が来た端から一撃で葬っていたので、ルルは気付いてもいなかった。






「いっぱい採れましたね!」


「そうだね」


ダンジョンから出てきた俺とルルは成果を確認して満足感を得る。
アイテムボックスには2人で半日かけて集めた鉱石が入っている。
採掘に関しては素人の俺たちにしては頑張った方だと思う。
これがどれくらいの価値になるか楽しみだ。

今日受けたクエストを今日のうちに達成するのは少し目立つかも知れないが、どうせAランクまで駆け上がるつもりだし、多少注目されるのは諦めることにした。


行きと同様、ルルを抱きかかえて転移魔法で帰還する。

夕方のラッシュの前に帰ってきたので、ギルドはそこまで混んでいない。
受付もすぐに俺たちの順番が来た。


「クエストの達成報告に来ました」


「では、ギルドカードを見せてください」


俺とルルはギルドカードを職員に渡す。
ギルドカードには討伐記録が残るので、クエストを達成したか否かはギルドカードを見れば一目瞭然なのだ。

職員は俺たちの記録を確認して驚く。


「凄いですね!!弱い部類のモンスターではありますが、おふたりとも数分で20体以上倒してますよ!」


「ダンジョンにいっモゴモゴ」


「偶然、群れでいたので魔法で何とか倒しました」


ルルがダンジョンに行ったことをバラしそうになったので、慌ててルルの口を塞いで誤魔化す。
ダンジョンはここから日帰りで行って帰ってこれる場所にはないので、怪しまれる。

職員は疑うことなく、クエスト達成の手続きをしに、奥の部屋に入っていったのでホッと胸を撫で下ろす。


「ご、ごめんなさい」


ルルも失言に気づき小声で謝ってくる。
悪気がないのは分かっているので咎めたりはしない。
まあ、暎斗だったら蹴り飛ばしていただろうが。



しばらくして、職員が討伐クエストの達成手続きを終えて戻ってくる。


「これでクエストは完了です。こちら報酬となります。それと、鉱石採掘も受注されているようですので、頑張ってください」


職員は今日受注した事を確認したのか、まだ達成していないと思ったらしく、激励の言葉をもらう。
しかしその言葉は受け取れない。
何故なら、もう達成してしまっているのだ。


「そっちのクエストも達成しましたよ」


俺はそう言って鉱石を入れた袋を取り出して見せる。

ゴトッと音を立てて置かれた袋には2人で集めたたくさんの鉱石が隙間なく入っている。


「えっ?」


職員は袋と俺を交互に見て目を瞬かせる。


「あの、これは・・・?」


「今日採ってきた鉱石です」


「そ、そうですか、えっと、あっ、専門の職員を呼んできますのでお待ち下さい」


「分かりました」


職員は俺たちが持ってきた鉱石の量で驚いたようだ。
駆け出しの冒険者が討伐クエストをしながら採掘もこなすのは無理だ。
出来ても、採れる鉱石は雀の涙ほどの量になるだろう。

でも、俺たちが持って来たのは袋いっぱいの鉱石。
これは俺の魔力探知と2人のモンスターを瞬殺できる実力があって初めてできる芸当なのだ。

常人には理解できない領域だろう。


そこに鉱石の鑑定士が来て、袋からいくつかの鉱石を取り出して見定めていく。


「詳しい査定は時間が掛かりそうなので正確なことは分かりませんが・・・」


鑑定士はそう前置きを入れて結論を言う。


「少なくとも金貨100枚以上の価値があると思います」


「「「えぇぇーーー!!!???」」」


職員、俺、ルルの声がぴったり一致する。



どうやら俺はまたやらかしたらしい。
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