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第11段階
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「ユナ…君さぁ、昨日僕らが『何』をしたのか覚えてる?」
静寂の中、アレン様は言いました。それもかなり参ったようなトーンで
「え?」
……何かしたっけ?私は目の前の『爆弾』のレシピを広げながらアレンの言葉を適当に受け流していた
「うん。あのね…さすがにその反応は見過ごせないというか。男としていたたまれないというか。仮にも婚約者関係にある男女の『初めての営み』をもう少し記憶に残しておいてくれないかな」
アレン様はやれやれと頬杖を立てながらため息を着いた
「ユナさーん。お願い。爆弾よりも…もう少し俺に興味を持って」
私はというと目の前の『爆弾』レシピの中からどれを選ぶか必死に考えている。正直アレン様どころではない。横で永遠にブツブツ話しているが…これは一世一代の大チャンス。アレン様のお墨付きで奪われる心配もなく爆弾を所有できるというこのビッグチャンスを目の前に他のことに耳を傾ける事などできない。
「ずっと気になってたんだけど…君の優先順位で俺はいったい何処にいるの?てか…何処まで上がったのかな」
何やら聞こえてきた質問に私は直球に答える
「うーん。2番目。だって、アレンは私の旦那様でしょ」
「…うん。ちなみに1番目は?」
「魔法、罠、爆弾」
「だよねぇ。あはは…はぁ。嬉しいやら複雑やら。もう分からないけど。君が旦那様だと言ってくれたからもういいや。ちなみに俺は君の家族より上に来るの?」
「うーん。もちろん家族は私にとってかけがえのない大切なものだよ。それでも優先順位をつけるとして、命をかけられるもので見るんだけど」
「うんうん」
「アレン様と家族で見たら…アレン様に傾く気がしたから。ならそれが答えかなって。それに…あのおやじ…お父様はちょっとやそっとじゃ死なないだろうから」
「ユナ…君のお父様は最近ストレスで胃薬飲んでるらしいよ」
あのおやじが?というのが感想である。何処に言っても負け知らずの父がいったい何にそこまでやられたと言うのか
「へぇ。あのお父様をそこまで追い詰められる人って存在するのね。一度お目にかかってみたいかも」
「…いや、お目にはかかれないかな。その人は身内らしいんだけど、ある日から時限爆弾みたいになって…家を迷宮並みに作り替えては目を輝かせてるらしくて。教育を徹底してきたはずが思わぬ方向に進んで手を焼き胃が持たない。そこにタイミングの良い話が飛び込んで来たから、心の安寧のためそこへ放り込むことにしたらしいよ」
「そう。お父様も苦労人ね。とんだ暴れ馬の時限爆弾私とそっくり。紹介してくれればお友達に慣れたかも知れないとのに。凄く気が合いそう」
私がそう言うと、どこからか呆れたような溜息がこぼれ何やら呟いた
「まぁ…気が合うも何も、君のことだし」
「え?」
「…なんでもない」
「そう。なら良いけど」
「まぁ、君のお父様は大丈夫さ。放り込んだおかげで今は心の安寧を取り戻し大変優雅に暮らしてるそうだから」
あの仕事人間が?とも思うが、まぁ長生きしてほしいとは思うので『暴れ馬』から解放されたのなら良かったのではないだろうか
「ところでその『爆弾レシピ』を広げてるけど…まさか自分で作るつもりかな」
ここはアレン様の執務室なのだが今となっては私の私物も大分増えていた。それもこれも自分の時間が明けば一日中私をそばに置こうとするので、仕事をしてほしいアレン様の従者たちが考えた最良の案が『私を執務室に置く』ことだったのだ。私を見ながらするアレン様の仕事量と質は格段に上がるようで…この案を考え実行した従者たちは今までのどんな商談の成功よりも喜んでいたとか。
「うん。だって取り寄せるよりも私が作ったほうが良いものできるし。好きに加工できるしね」
それに私が作れば、たった1つの爆弾でもたくさんの機能を注ぎ込み…何十個にも匹敵するものにすることができる。ジャラジャラつけてた時よりも身が軽くなるし、管理も簡単。何より『私』が作ったものなら…アレンは『壊す』ことができない。昨晩の情事から得た唯一の利益である。
「…従者たちには感謝だな。君をここに置いて置いて良かったよ。ユナ…この部屋を広くして君の研究場所作ってあげるから。そこでやるんだよ」
「研究場所!?」
それに飛びついた私。その時はそれが何を意味するのか考えることなどない。
静寂の中、アレン様は言いました。それもかなり参ったようなトーンで
「え?」
……何かしたっけ?私は目の前の『爆弾』のレシピを広げながらアレンの言葉を適当に受け流していた
「うん。あのね…さすがにその反応は見過ごせないというか。男としていたたまれないというか。仮にも婚約者関係にある男女の『初めての営み』をもう少し記憶に残しておいてくれないかな」
アレン様はやれやれと頬杖を立てながらため息を着いた
「ユナさーん。お願い。爆弾よりも…もう少し俺に興味を持って」
私はというと目の前の『爆弾』レシピの中からどれを選ぶか必死に考えている。正直アレン様どころではない。横で永遠にブツブツ話しているが…これは一世一代の大チャンス。アレン様のお墨付きで奪われる心配もなく爆弾を所有できるというこのビッグチャンスを目の前に他のことに耳を傾ける事などできない。
「ずっと気になってたんだけど…君の優先順位で俺はいったい何処にいるの?てか…何処まで上がったのかな」
何やら聞こえてきた質問に私は直球に答える
「うーん。2番目。だって、アレンは私の旦那様でしょ」
「…うん。ちなみに1番目は?」
「魔法、罠、爆弾」
「だよねぇ。あはは…はぁ。嬉しいやら複雑やら。もう分からないけど。君が旦那様だと言ってくれたからもういいや。ちなみに俺は君の家族より上に来るの?」
「うーん。もちろん家族は私にとってかけがえのない大切なものだよ。それでも優先順位をつけるとして、命をかけられるもので見るんだけど」
「うんうん」
「アレン様と家族で見たら…アレン様に傾く気がしたから。ならそれが答えかなって。それに…あのおやじ…お父様はちょっとやそっとじゃ死なないだろうから」
「ユナ…君のお父様は最近ストレスで胃薬飲んでるらしいよ」
あのおやじが?というのが感想である。何処に言っても負け知らずの父がいったい何にそこまでやられたと言うのか
「へぇ。あのお父様をそこまで追い詰められる人って存在するのね。一度お目にかかってみたいかも」
「…いや、お目にはかかれないかな。その人は身内らしいんだけど、ある日から時限爆弾みたいになって…家を迷宮並みに作り替えては目を輝かせてるらしくて。教育を徹底してきたはずが思わぬ方向に進んで手を焼き胃が持たない。そこにタイミングの良い話が飛び込んで来たから、心の安寧のためそこへ放り込むことにしたらしいよ」
「そう。お父様も苦労人ね。とんだ暴れ馬の時限爆弾私とそっくり。紹介してくれればお友達に慣れたかも知れないとのに。凄く気が合いそう」
私がそう言うと、どこからか呆れたような溜息がこぼれ何やら呟いた
「まぁ…気が合うも何も、君のことだし」
「え?」
「…なんでもない」
「そう。なら良いけど」
「まぁ、君のお父様は大丈夫さ。放り込んだおかげで今は心の安寧を取り戻し大変優雅に暮らしてるそうだから」
あの仕事人間が?とも思うが、まぁ長生きしてほしいとは思うので『暴れ馬』から解放されたのなら良かったのではないだろうか
「ところでその『爆弾レシピ』を広げてるけど…まさか自分で作るつもりかな」
ここはアレン様の執務室なのだが今となっては私の私物も大分増えていた。それもこれも自分の時間が明けば一日中私をそばに置こうとするので、仕事をしてほしいアレン様の従者たちが考えた最良の案が『私を執務室に置く』ことだったのだ。私を見ながらするアレン様の仕事量と質は格段に上がるようで…この案を考え実行した従者たちは今までのどんな商談の成功よりも喜んでいたとか。
「うん。だって取り寄せるよりも私が作ったほうが良いものできるし。好きに加工できるしね」
それに私が作れば、たった1つの爆弾でもたくさんの機能を注ぎ込み…何十個にも匹敵するものにすることができる。ジャラジャラつけてた時よりも身が軽くなるし、管理も簡単。何より『私』が作ったものなら…アレンは『壊す』ことができない。昨晩の情事から得た唯一の利益である。
「…従者たちには感謝だな。君をここに置いて置いて良かったよ。ユナ…この部屋を広くして君の研究場所作ってあげるから。そこでやるんだよ」
「研究場所!?」
それに飛びついた私。その時はそれが何を意味するのか考えることなどない。
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