性悪聖者と悪魔のしもべ

ハリエニシダ・レン

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聖者との二回目3

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目を開けると、温かい腕に包まれていた。
他人の体温。緩やかな鼓動。
ほんの少しだけ離れがたさを感じて、それを腹立たしく思いながら身体を起こした。

いつの間にか脱がされていた服に手を伸ば……そうとしたところで、手首を掴まれた。

「泊まっていかないのか?」

事後のかすれ声にゾクリとする。

「……冗談じゃない」

その事実を隠してそう答えると、マトンの手はあっさり離れた。

「そうか。残念だ」

そんな台詞にドクンと音を立てる心臓が忌々しい。
それから目を背けるように、手早く服を身につける。

着終わって、ふと気づいて聖者の手を掴んだ。

「なんだ。気が変わったか?」

笑う聖者は無視して、クルリと返して手の甲を見る。

……………消えてなかった。

聖痕は、当たり前のようにそこにあった。
予想はしてたが、思わずため息が出る。

………あれだけ頑張ったのに………

「そう落ち込むな。気持ちよかったぞ?」

そんな言葉が慰めになるとでも思っているのか。聖者は囁いて俺にキスをした。
厚い胸板を手で押して距離を取る。

………確かに今日はこいつを気持ちよくさせるつもりだったけど、最終目的はそれじゃねえ。

もう一度ため息を吐いて立ち上がる。
この宿より数段劣る、自分の宿に戻るのだ。辛うじて個室なだけの、狭い部屋に戻って……そしてまた悪魔たちに夢の中で犯されて穢れを溜めて……


「………また来るのか?」

俺を見上げる聖者に吐き捨てる。

「当たり前だ」

………聖痕に変化はなかったけど、こいつは今日、前回の時より多分興奮してた。
悪くは…なかった筈だ。

こいつがまだ俺を抱く気があるなら、俺はまた悪魔たちに抱かれて穢れをこいつに運ぶだけだ。
こいつを穢して堕とす為に。

「…そうか。またな、シェボン」

何気ない言葉に、胸がざわついた。
それが悔しくて、グッと唇を噛む。
ぎゅっと目を瞑って気持ちを抑え込む。
そして

「ああ。またな、マトン」

無理矢理笑って、部屋を出た。


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