本編完結R18)メイドは王子に喰い尽くされる

ハリエニシダ・レン

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第1章

24 兄弟の会話

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「兄上は何で母上のお尻でしないの?」

サイラスが不思議そうな顔で訊いてきた。

思わずため息が出た。
ずっと一緒に育ってきた弟だけれど、こいつとは分かりあえる気がしない。

「私は母上を愛しているからね」

どうせとっくに気づいているだろうから、隠す気にもなれない。
案の定、

「うん。知ってるけどさ?だからもっと触りたいんじゃないの?」

こいつは毎回、躊躇なく母上のお尻に挿れてるからな…。
少し呆れながら首を横に振る。

「私は母上とするのなら、ちゃんと抱きたいんだ」

「お尻だっていいじゃない。母上いつもちゃんと気持ちよさそうだよ?」

思わず殺意が湧く。
こいつに悪気がないのはわかっているけれど。
息を大きく吸って、気を静める。

「じゃあ逆に、何でおまえは前でしたがらないんだ?」

「えー、だって…」

聞き返すと、サイラスが口を尖らせた。

「流石に親子でそれは、ねぇ」

「普通の親子はそもそも私たちみたいなことしないけどね」という言葉は飲み込んだ。
私たちは、物心つく前から母上にそういう風に触れさせられてきたのだ。父上によって。
今さら変えようもない。

「それと似たようなものだよ。おまえは前には挿れたくないし、私は後ろではしたくない。それだけわかっていればいいだろう」

そう言って、この話題を切り上げようとしたのに

「でも、お尻でもいいなら、父上が来るたびに母上を抱けるんだよ?今みたいに、たった年に一度なんて、兄さん辛くないの?」

今日のサイラスは、何故かしつこかった。いつもは他人にほとんど興味を持たないくせに。
どうやら、ちゃんと答えるまで質問し続けそうだと、諦めて向き直った。

「私はお尻では我慢できそうにない。きっとお尻に挿れたら、前にも挿れたくなってしまう。でも誕生日以外の日には、父上はそれを許さないだろう。よほどの気まぐれを起こさない限り。そんなの私には耐えられない。だから触れない。それだけだ」

「そうかなぁ?だって父上、僕たちにたくさん母上のこと触らせるよね?」

サイラスは首を傾げるけれど、彼は理解していないのだ。
父上の、母上に対する執着を。
弟は誰に対してもあまり興味がないからわからないのだろう。その人でなければダメだ、という気持ちが。

私にはわかる。
父上と私は、同じ人に魅かれているから余計に。
父上がどれほど激しく母上を望んでいるのか、視線一つで理解できてしまう。


それでも、何故父上が私たち兄弟に母上を触れさせるのかは、つい最近までわからなかった。けれど、この前父上と話してようやくわかった。

それが、母上を苦しめるのにとても効果的だからだ。

実の息子に犯されるなど、母上には耐えがたい苦痛だろう。
思えばいつも、拒絶の言葉を口にしている。
それでも母上は、最後には私たちを受け入れる。

もしかしたら、父上は母上を脅しているのかもしれない。拒めば私やサイラスに危害を加える、などと言って。
正直、父上の性格ならそうしていても、まったく不思議はない。
私たちに散々母上の体を教え込んだくせに、本当は独り占めしたがっている大人げない歪なあの人なら。


ふと思いついてサイラスに尋ねた。前から気になっていたことを。

「どうしておまえは母上を抱くんだ?」

こいつが母上に特別な興味がないことはわかっている。
だから少し不思議だった。

「あー…」

サイラスは何故か言いよどんで視線を逸らした。
そして言いにくそうに口を開く。

「兄上は怒ると思うんだけどさ」

嫌な予感がした。
続きを聞くのをやめようか迷ったけれど、それよりサイラスが続ける方が早かった。

「母上の反応を見るの、嫌いじゃないんだ。特に僕がおもちゃ感覚で触ってるのに気づいて、怯えたり嫌がったりするところとか」

「…おまえは紛れもなく父上の子だよ」

ため息が出た。

「だいたい、父上が今さら僕たちの不参加を認めるとも思えないしさ」

それはそうだ。
まあ私も、母上に触れる機会を逃す気には到底なれないから、たとえ選択権があっても触れることを選ぶけれど。
母上が嫌がっていると、わかっていても。

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