完結R18)夢だと思ってヤったのに！

プロポーズ

腰が抜ける


という感覚を、初めて味わった。
夢の中でだけど。
なんかもう凄い。
ゾクゾクする。
彼に抱きしめられて動けない。
彼のが中に入りっぱなしだけど、夢ではどうやっても妊娠しないので慌てる必要はない。
違和感はあるし、そこから気持ちいいのがずっときてて落ちつかない。でもやっぱり気持ちいいので、挿れっぱは正義。かもしれない。

そんな割とどうでもいい事を考えながら、イった後の彼に髪を撫でられたり頭や手にキスされたりしている。

…もう最高すぎる。
付き合いたい。
っていうかむしろ結婚して欲しい。
ずっとこうして可愛がられてたい。
夢だから無理だけど。
でも……

「好き…」

って言うくらいはいい筈。

「僕も好きだよ」

ほら、欲しい言葉を返してくれた。
嬉しくなって、額を彼の胸にグリグリと押しつける。
彼が笑う。

「どうしたの？」

「大好き。結婚したい」

…あ、言っちゃった。
まぁいいか、どうせ夢だし。
起きた時、妄想にプロポーズした自分の痛さに居た堪れなくなるだけだ。
どうせ彼は「うん、結婚しよう」って言ってくれーー

「………本気？」

………………あれ？

驚いて彼を見上げた。
真面目な顔で見下ろされている。

おかしいな。なんでだろ。
妄想力の限界かな？
流石にこんなイケメンが、たとえ夢とはいえ私と結婚してくれる筈がないとか、ストッパーがかかっちゃったんだろうか？

…本当に私ってやつは、いまいちのめり込めない………

ため息を吐いて首を横に振った。

「ううん、冗談」

ちょっとしょんぼりだ。
…折角、幸せな気持ちだったのに。
でも、そろそろ潮時かな。起きなきゃ。まぁ、意識的に起きれる夢でもない気がするけど。
けど随分長い夢だから、きっとこのまま眠ったら、一人のベッドで寂しく目覚める筈…。また…いつもの朝が……
と悲しい気持ちで目を閉じたら

「うん、いいよ。結婚しよう」

一拍置いた彼の、そんな嬉しい返事。
瞬時にニヤけてぎゅっと彼に抱きついて、再び眠りに落ちた。


流石夢だぜ。さすゆめ！