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オマケ(彼視点)
知らない女の子
しおりを挟むそんな知識はあったんだけど……
あの夜、いきなり見知らぬ女の子が僕の部屋に現れた時は驚いた。仕事が終わって、さぁ寝ようって時の事だった。
彼女を一目見た瞬間、この世界の人間じゃないと思った。上手く言えないけど、纏う空気が何となく違ったから。
凄くびっくりしたけど、昔資料を読み漁った異世界人だと思ったら、一気に興味が湧いてしまった。
雰囲気以外は僕らと一緒だったから忌避感は無かったし。
………ちょっと好みだったし。
だから、寝ぼけた顔をしてる彼女にゆっくり近づいてみた。でも、全然怯える様子が無い。
僕、初対面の男なのに。
ベッドの上に、二人きりなのに。
身の危険を感じて逃げようとするどころか、手を伸ばしてキスしてきた。
唇は、普通の女の子みたいに柔らかかった。だからつい、胸に触れてみた。そしたら可愛く喘いだ。
…そんな声出されたら、つい調子にのってしまうのは仕方がないと思う。
その後も可愛い反応ばかり返すから、止まれなくなって最後までしてしまった。
彼女も完全に合意の上だったとはいえ、会ったばかりで碌に会話もせずにヤったのはちょっと不味かったかなって、終わってから思った。
…でも最後まで全然嫌がって無かったし、一応「欲しい?」って聞いたら、むしろねだられたし……
僕もちょっと疲れてて眠くて、判断鈍ってたところがあったし……
一度眠って目が覚めたら、彼女は僕の隣で幸せそうな顔で眠ってた。
あ、夢じゃなかったんだって思いながら、そのまましばらく寝顔を眺めてたら、目を閉じたまま枕を抱えて転がりだした。
何それ可愛い。
ニヤニヤしまりのない顔で笑う彼女は、隙しかなくて可愛かった。
しばらくそうした後、転がるのをピタっとやめた彼女が不意に呟いた。
「凄く気持ちよかった」
って。
思わず僕までニヤけてしまった。
そんな風に言われて喜ばない男は、そういないと思う。
でも
「それは良かった」
って返したら、彼女は固まった。
絵に描いたようにピシッて。
僕がここにいるなんて、思ってもいなかったって感じで。
その反応でなんとなく察した。
彼女は昨夜のあれを、夢だと思ってたのかもって。そう言えばかなり眠そうだったなって。
でも、躊躇いがちに目を開けて僕を見て、何故かすぐにまた甘えてきた。
よくわからないけど「…する?」って聞いたら頷いたから、ついまたヤってしまった。
まだ夢だと思ってるのかなって気もしなくはなかったけど、裸の女の子にあんな風に甘えられて止まれるほど僕は枯れてない。
こっちはだいたい状況がわかってるのにそれを伝えないのは、騙してるみたいかもって思ったんだけど…。
…でもちょっと我慢できなかった。
で、彼女が2回目の眠りに落ちる前にプロポーズされた。
正直かなりびっくりした。だって結婚って一生ものの事だ。
だから聞き返した。「…本気?」って。
でも、僕のその反応にしょんぼりする彼女を見たら、何だか猛烈に彼女の事が欲しくなってしまって、気づいた時には「いいよ」って答えてた。
それを聞いた途端に、彼女は凄く嬉しそうな顔になった。
それで、その顔のまま眠っちゃった。
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