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護衛2
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私が十歳になる頃、ダンに結婚の話が持ち上がった。
軽い冗談のようなものだったらしいけれど、結婚なんて弾みでそのまま決まることもよくある。
だから私はそれを、ゴネにゴネて全力で阻止した。
だって許せなかった。
私のダンが、(私は当時、彼をこのように呼んでいた。常に側にいて私を見守ってくれる彼に、私はべったりだった)結婚だなんて。
「私のダンが結婚なんてダメよ!だってそうしたら私の世話は誰がするの!?」
結婚なんてしたら、ダンとの距離が開いてしまう。
今は私の続き部屋を与えられて、夜だってすぐ近くにいてくれるけれど。怖い夢を見たらダンの部屋のドアを叩けば、すぐに出てきて頭を撫でて慰めて、私が眠れるまで手を握って側にいてくれるけれど。
結婚したら、夜は家に帰ってしまう。奥さんの待つ家に。
それでは、私が怖い夢を見ても、抱きしめることなどできない。
朝方ふと目が覚めて、思いつきで部屋を抜け出そうとしたところを叱って。それでも根負けして、結局一緒に早朝の散歩に付き合ってくれる。そんな人がいなくなってしまう。嫌。
…それにきっと、結婚したらダンの一番は私ではなくなってしまう…。
それが一番嫌。
こんな理由なんて絶対に言えなかったけれど、私は「とにかく嫌」「絶対にダメ」と言いはった。
その成果か、元々、冗談のようなものだったためか、ダンの結婚の話はいつの間にかなくなっていた。
ダンを他の誰かに取られなくて、とてもほっとしたのを覚えている。
ダンは、
「仕方ありませんね、お嬢様は」
と、優しい顔で苦笑して、私の我が儘を許してくれた。
軽い冗談のようなものだったらしいけれど、結婚なんて弾みでそのまま決まることもよくある。
だから私はそれを、ゴネにゴネて全力で阻止した。
だって許せなかった。
私のダンが、(私は当時、彼をこのように呼んでいた。常に側にいて私を見守ってくれる彼に、私はべったりだった)結婚だなんて。
「私のダンが結婚なんてダメよ!だってそうしたら私の世話は誰がするの!?」
結婚なんてしたら、ダンとの距離が開いてしまう。
今は私の続き部屋を与えられて、夜だってすぐ近くにいてくれるけれど。怖い夢を見たらダンの部屋のドアを叩けば、すぐに出てきて頭を撫でて慰めて、私が眠れるまで手を握って側にいてくれるけれど。
結婚したら、夜は家に帰ってしまう。奥さんの待つ家に。
それでは、私が怖い夢を見ても、抱きしめることなどできない。
朝方ふと目が覚めて、思いつきで部屋を抜け出そうとしたところを叱って。それでも根負けして、結局一緒に早朝の散歩に付き合ってくれる。そんな人がいなくなってしまう。嫌。
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それが一番嫌。
こんな理由なんて絶対に言えなかったけれど、私は「とにかく嫌」「絶対にダメ」と言いはった。
その成果か、元々、冗談のようなものだったためか、ダンの結婚の話はいつの間にかなくなっていた。
ダンを他の誰かに取られなくて、とてもほっとしたのを覚えている。
ダンは、
「仕方ありませんね、お嬢様は」
と、優しい顔で苦笑して、私の我が儘を許してくれた。
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