106 / 205
第三章 バンコク近郊・意外展開旅行記
サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 106
しおりを挟む
カンチャナブリ その三
「戦場に架ける橋」に納得してから、来た道を再び歩いて三十分以上もかけて宿に戻った。
すぐに水シャワーで汗を流してさっぱりした。
ところがさて、何もすることがない。夕刻だがまだ晩御飯には早過ぎるし、お腹も空いていない。
やむなく再び散歩に出た。
通りを少し市街地方面に戻ると一軒のネットカフェがあった。
入るとエアコンが強烈に効いていてすこぶる快適だ。おそらく外との温度差は十度以上あるだろう。
メールをチェックして自分のHPを見ると、アレレ?キチンと表示されない。
なぜだろうと思ったら、インターネット・エクスプローラーではなくネットスケープだからだ。
再び外に出てウロウロするが、のんびりした街並みでサムローやトゥクトゥクも誰も話しかけてこず、アユタヤと随分違いがあることに拍子抜けする。
そこそこ大きな町なのだが、人々はあまり観光客に擦れていないのかもしれない。(今は全く違いますけど)
観光客自体が多くないし、日本人旅行者にいたっては一人も見かけない。
日本ではお盆が終わったので、バンコクに近いこの観光地は繁忙期を過ぎたのだろう。
どうも僕には少し違和感を覚える町で、ここに二泊する予定をしていたがちょっと気持ちが変わってきた。
一時間ほど街歩きをして宿に戻った。時刻は午後七時前だ。
バンガローにも宵闇が迫ってきて、カンチャナブリの夜が始まった。
本当に何もすることがないので、川に突き出ている宿の桟敷レストランで食事をすることにした。
最も川側の席につくとすぐに宿の女の子が注文を聞きにきた。
この宿は欧米人の宿泊客が多いようで、料理のメニューはバラエティーに富んでいた。
昼食にチャーハンを食べたのでヌードルスープウイズポークとイタリアンサラダ、それにシンハビールを注文した。
運ばれてきたイタリアンサラダは大きな皿に一杯盛り付けられていた。
食べきれないくらいの野菜だが、数日前に体調が悪かったことを考えるとちょうど良い。
クゥエー川を見ながら食事をしていると、どうも心寂しくなってきた。
周りを窺うと一人で食事をしている欧米人はいない。
若いカップル、中年夫婦、女性同士など、会話をしながら食事を楽しんでいた。
これまでの旅で、たった一人で夕食を摂るのは初めての経験だ。
朝食や昼食を簡単に一人で済ませることはあっても、一人の夕食は本当に初めてだと気がついた。
しかし旅は基本的に一人であると、僕はこれまで何度も言ってきたはずだ。
そういう考えであっても、たまたまこれまでは偶然滞在先で日本人旅行者と知り合い、夕食を一緒に食べ続けていただけなのだ。
今更基本に戻ったのに心寂しいとは、自分自身の弱気に腹が立ってきた。
僕は何かに挑戦するように大盛りサラダを一気に食べ切り、ヌードルスープのスープまで全部飲み干して部屋に戻った。
今夜は早く寝て明日から気持ちを切り替えよう。
蚊帳の中に入ってしばらく本を読んでいたら、満腹感もあって急に睡魔が襲ってきた。
知らないうちに電気をつけたまま眠ってしまった。
目が覚めるとまだ午後十時過ぎだった。
窓からレストランを覗くと、まだ欧米人数人がビールを飲みながら楽しそうに話していた。
僕は電気を消して再び寝た。明日は移動しよう。
「戦場に架ける橋」に納得してから、来た道を再び歩いて三十分以上もかけて宿に戻った。
すぐに水シャワーで汗を流してさっぱりした。
ところがさて、何もすることがない。夕刻だがまだ晩御飯には早過ぎるし、お腹も空いていない。
やむなく再び散歩に出た。
通りを少し市街地方面に戻ると一軒のネットカフェがあった。
入るとエアコンが強烈に効いていてすこぶる快適だ。おそらく外との温度差は十度以上あるだろう。
メールをチェックして自分のHPを見ると、アレレ?キチンと表示されない。
なぜだろうと思ったら、インターネット・エクスプローラーではなくネットスケープだからだ。
再び外に出てウロウロするが、のんびりした街並みでサムローやトゥクトゥクも誰も話しかけてこず、アユタヤと随分違いがあることに拍子抜けする。
そこそこ大きな町なのだが、人々はあまり観光客に擦れていないのかもしれない。(今は全く違いますけど)
観光客自体が多くないし、日本人旅行者にいたっては一人も見かけない。
日本ではお盆が終わったので、バンコクに近いこの観光地は繁忙期を過ぎたのだろう。
どうも僕には少し違和感を覚える町で、ここに二泊する予定をしていたがちょっと気持ちが変わってきた。
一時間ほど街歩きをして宿に戻った。時刻は午後七時前だ。
バンガローにも宵闇が迫ってきて、カンチャナブリの夜が始まった。
本当に何もすることがないので、川に突き出ている宿の桟敷レストランで食事をすることにした。
最も川側の席につくとすぐに宿の女の子が注文を聞きにきた。
この宿は欧米人の宿泊客が多いようで、料理のメニューはバラエティーに富んでいた。
昼食にチャーハンを食べたのでヌードルスープウイズポークとイタリアンサラダ、それにシンハビールを注文した。
運ばれてきたイタリアンサラダは大きな皿に一杯盛り付けられていた。
食べきれないくらいの野菜だが、数日前に体調が悪かったことを考えるとちょうど良い。
クゥエー川を見ながら食事をしていると、どうも心寂しくなってきた。
周りを窺うと一人で食事をしている欧米人はいない。
若いカップル、中年夫婦、女性同士など、会話をしながら食事を楽しんでいた。
これまでの旅で、たった一人で夕食を摂るのは初めての経験だ。
朝食や昼食を簡単に一人で済ませることはあっても、一人の夕食は本当に初めてだと気がついた。
しかし旅は基本的に一人であると、僕はこれまで何度も言ってきたはずだ。
そういう考えであっても、たまたまこれまでは偶然滞在先で日本人旅行者と知り合い、夕食を一緒に食べ続けていただけなのだ。
今更基本に戻ったのに心寂しいとは、自分自身の弱気に腹が立ってきた。
僕は何かに挑戦するように大盛りサラダを一気に食べ切り、ヌードルスープのスープまで全部飲み干して部屋に戻った。
今夜は早く寝て明日から気持ちを切り替えよう。
蚊帳の中に入ってしばらく本を読んでいたら、満腹感もあって急に睡魔が襲ってきた。
知らないうちに電気をつけたまま眠ってしまった。
目が覚めるとまだ午後十時過ぎだった。
窓からレストランを覗くと、まだ欧米人数人がビールを飲みながら楽しそうに話していた。
僕は電気を消して再び寝た。明日は移動しよう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる