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第四章 タイ・ラオス・ベトナム駆け足雨季の旅
サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 118
しおりを挟む第二話
プロンポン駅周辺はバンコク滞在の日本人向けの飲み屋やマッサージ店が多い。
ハタサット2は駅を降りてスクンビット通りをアソーク方面へ少し戻り、シンキット公園を越えて左折したところにあるニューハーフショーが行われる「マンボー」の裏手に所在している。
(この辺りは2011年ごろだったか、駅近くの開発の影響で、ハタサット2も周辺の風俗店なども殆ど無くなっています)
ハタサット2はかなり大きなマッサージ店、日本人も多く訪れる。
中に入ると妖艶なタイ女性が迎えてくれて、エロと一種怪しげな雰囲気・・・は残念ながらない。
普通のマッサージ店である。
日本での半年あまりの間で堆積した全身のコリを取ってもらうため、ボディーマッサージをお願いした。
フットマッサージを中心にたっぷり二時間、最後のあたりはまるで器械体操でもしているかのようなダイナミックなマッサージで、間接がゴキゴキと鳴る。
全身がフワリと軽くなったような気がするほど丁寧なマッサージで、これで300B(1200円弱)、マッサージ嬢は「嬢」ではなく「オバチャン」だったが、満足したのでチップを100B渡した。
こうなると差し当たりこの日はすることがない。
目指すは当然「一等食堂」。
BTSビクトリーモニュメント駅(別の名をアヌサワリー・チャイ駅)で降りてランナム通りを歩く。
◆ビクトリーモニュメント駅の高架から見た戦勝記念塔あたりの風景
この通りは半年単位で訪れるごとに、ますます賑やかになって変貌が顕著である。
一等食堂の並びにも欧米人向けのバーが新しくオープンしていて、歩道にまで客があふれていた。
午後五時過ぎで、当然(?)一等食堂のオーナーのMさんはまだ店には出てきていない。
この日のお勧めメニューボードに書かれていた「焼きサバ」と、やっぱり「冷やっこ」でビールを飲み始めた。
店の女の子たちも変わりない。
因みに、この店はオーナーのMさん以外はタイ人の女性四人がスタッフである。
店を切り盛りしているのは女性たちと言っても過言ではなく、Mさんは馴染みのお客さんの相手をすることが、ほぼ毎日の仕事となっている。(つまりお客さんの酒を飲むわけだが)
元バックパッカーのMさんだが、バンコクに根を下ろし、この一等食堂を開業して八年程(いや、九年だったか?)、しっかりしたタイ人女性たちのおかげで商売は順調に運んでいるようだ。
以前はランナム通りに滞在する日本人が相手で、売り上げはそれほど伸びなかったという。
しかし、味付けの工夫や新メニューをどんどん増やしていったことなどで、高級店に比べてすごく安い価格の日本食に、地元のタイ人や欧米人客が増えてきたようだ。
因みに、讃岐うどんをメニューに加えたらいかがですかと、以前僕が何の根拠もなく言ったところ、今では人気メニューのひとつになっているとか。
そんな一等食堂のオーナーのMさんだが、僕がシンハビールを二本飲み干したころに出勤してきた。
「あれ?藤井さん、いつこちらへ?」 とんねるずの木梨さんに似た顔つきのMさんが、いつものようにジーンズとTシャツ姿で僕の席に来た。
◆一等食堂は、この旅行記の2年後に家主の陰謀で店を乗っ取られ(店内に200冊はあったと思われる日本の漫画や小説なども全てやられました)たにもかかわらず、数ヶ月後にはラチャプラロップ通りに長月をオープン、現在も営業しています。
◆長月
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