【完結】『サヨナラ』そう呟き、崖から身を投げようとする私の手を誰かに引かれました。

仰木 あん

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十六話 悪事の報せ

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アメリアが死んだと思い込んだフュルスト侯爵家が、アメリアは死亡したと発表してから数日後。

自ら望んだこととはいえ、娘が死んでまで、貶めるような事をするフュルスト侯爵の行いに、気にしていない素振りをみせるが、アメリアの悲しそうな空気を察したキースは、元々、暴こうとしていたロックス侯爵家とフュルスト侯爵家の悪事について、より一層真実を明らかにすることを固く決意する。

そもそもキースは、妻ローラの死後、ギネリン王への不信感から王の周りの黒い噂や、多くの疑惑、国土拡大の為に、隣国との戦争を企てていると言う話まで、ギネリン王に関することは多くの情報を集めていた。

そんな中で入ってきていたのがロックス侯爵家とフュルスト侯爵家の麻薬組織関連の情報だった。

両家は王に取り入り、秘密裏に麻薬組織の構築を行い、その販売をラジェンシー帝国にて密売することによって、国力の低下を狙う………そんな計画が約四年前より進んでいると思われた。

しかしその麻薬組織が、ここ三ヶ月の間、活発だった動きが静かになり、新たな工場の建設や、栽培地の開拓の情報がなかったのだ。

そんなときに、アメリアの死の発表をした、フュルスト侯爵は、また動き出していたとの情報が入る。

それは、オリビエ=フュルスト侯爵が、ロヌポルル地区、かつて伝染病が蔓延し、キースの妻、ローラが命を落とした地で何やら不穏な動きをしているという情報だった。

それを知ったキースは、中庭でマリアと遊んでいたアメリアを、応接室に呼び出す。


「アメリア、すまないが私は暫く屋敷を空けることにする。その間マリアを見ていてくれないか?」

と、告げる。
キースは貴族の令嬢として育ち、魔法学校では座学に長け、卒業後は王宮にて文官としての活躍も期待されていたアメリアの才能を遊ばせて置くのも勿体ないと、最近は家の采配を少しずつではあるが、任せていた。

そんなこともあり、ロヌポルル地区を調べるにあたり、アメリアに留守を預かってもらいたかったのだった。

「はい、構いませんが、遠くへ出掛けられるのですか?お支度はありますか?何かお手伝いしましょうか?」

そう訪ねるアメリアにキースは、

「ああ、おそらく一週間は出るつもりだからその用意を頼む。それと、マリアのこと、くれぐれも頼んだぞ。あの子には魔法なんて使わないで、平和で穏やかな人生を………。」

そう言いかけているキースの言葉を、中庭で起こる激しい爆発音が掻き消した!!!

「あ!まだまだ最大魔力はむりか………」

そう呟くマリアに、
キースは応接室の窓を勢いよく開け放つと、そこから顔を出し、

「マリア!またお前は!」

そう怒鳴り声を上げる!
マリアはシュンとして、

「ご、ごめんなさい…お父様。次は失敗しないから………。」

と謝るが、

「そういうことを言っているのではない!すぐに部屋まで来なさい!!」

そんなバタバタもあるなか、キースは麻薬組織の調査へと赴くのだった。
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