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第四十三話 城壁にて
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キースは、第二波のスライムモドキ攻撃の後に動きを見せない帝国軍に、スライムモドキにより足止めをされたことを確信する。
そして、魔法使い部隊が次々と空に浮遊してきた事から、歩兵部隊のこれ以上の進軍は暫く無く、魔法使い部隊のみだと判断する。
「良し!これならなんとかなりそうだ。」
キッ!
と、帝国軍を望める城壁の上で、皇帝ストロフガーダが居るであろう砦を睨み付けるキース。
そこへマリアに連れられ、アメリアが展望台より降りてくる。
「キース様、何をお考えなのですか?」
心配そうにたずねるアメリアにキースは、
「これからストロフガーダのところに挨拶に行ってくる。」
そう口にして、城壁を飛び去ろうとするキースにマリアが走りより、
「お父様、貴方は飛びかかる火の粉を払うためとはいえ、軍を動かし、この国の王を倒した人なんですよ。と言うことは、お父様が仮の王となってもおかしく無いのです。そんな人が供も連れずに臨戦態勢……いえ、侵略しに来ている者の中心に突っ込んで行くなんて……。」
マリアは父の顔を真っ直ぐ見つめて訴えた。
そんなマリアにキースは先程ギネリン王から奪い、指にはめた魔法を跳ね返す効果のある魔法の指輪をひとなでして、二人を見つめる。
「なぁに、心配することは無いよ。マリア、アメリア、君達が来るまでは帝国の侵行に心が折れそうでな……玉砕覚悟で帝国軍を迎え撃つつもりではあったが、見ろ!」
キースは眼前に広がる帝国軍の惨状を指す!
「この状態に陥った帝国軍と、疲れているとはいえ、我々の軍は怪我人一人も出していない。数ではまだ劣るものの、地の利もある。これならいくら強気の皇帝相手でも有利に交渉も出来るだろ?」
そう言ってマリアに微笑みかける。
そこへアメリアが進み出て、
「キース様、マリアさんがお止めしてもどうしても行かれるのですね……。これは母が幼い頃私にくれた魔法の指輪です。粗末なもので、効果も良くわからないのですが、お守りだと思って、これをお持ち下さい。」
そう言ってアメリアがキースに指輪を手渡す。
キースは指輪を受けとると指にはめようとするが、魔法の効果なのか上手くつけることが出来ない。
「ありがとう。しかし、これは……私にはつけることが出来ないようだな……そうだ、無くしては大変だからな………」
そう言って、キースの指には小さすぎる指輪を大事そうに胸ポケットにしまうと、落とさないように魔法をかける。
「さて、行ってくる。なに、交渉に行くんだ。戦闘にはならないさ。」
そう言ってキースは片手を降り、皇帝の居る砦を目指すのだった。
そして、魔法使い部隊が次々と空に浮遊してきた事から、歩兵部隊のこれ以上の進軍は暫く無く、魔法使い部隊のみだと判断する。
「良し!これならなんとかなりそうだ。」
キッ!
と、帝国軍を望める城壁の上で、皇帝ストロフガーダが居るであろう砦を睨み付けるキース。
そこへマリアに連れられ、アメリアが展望台より降りてくる。
「キース様、何をお考えなのですか?」
心配そうにたずねるアメリアにキースは、
「これからストロフガーダのところに挨拶に行ってくる。」
そう口にして、城壁を飛び去ろうとするキースにマリアが走りより、
「お父様、貴方は飛びかかる火の粉を払うためとはいえ、軍を動かし、この国の王を倒した人なんですよ。と言うことは、お父様が仮の王となってもおかしく無いのです。そんな人が供も連れずに臨戦態勢……いえ、侵略しに来ている者の中心に突っ込んで行くなんて……。」
マリアは父の顔を真っ直ぐ見つめて訴えた。
そんなマリアにキースは先程ギネリン王から奪い、指にはめた魔法を跳ね返す効果のある魔法の指輪をひとなでして、二人を見つめる。
「なぁに、心配することは無いよ。マリア、アメリア、君達が来るまでは帝国の侵行に心が折れそうでな……玉砕覚悟で帝国軍を迎え撃つつもりではあったが、見ろ!」
キースは眼前に広がる帝国軍の惨状を指す!
「この状態に陥った帝国軍と、疲れているとはいえ、我々の軍は怪我人一人も出していない。数ではまだ劣るものの、地の利もある。これならいくら強気の皇帝相手でも有利に交渉も出来るだろ?」
そう言ってマリアに微笑みかける。
そこへアメリアが進み出て、
「キース様、マリアさんがお止めしてもどうしても行かれるのですね……。これは母が幼い頃私にくれた魔法の指輪です。粗末なもので、効果も良くわからないのですが、お守りだと思って、これをお持ち下さい。」
そう言ってアメリアがキースに指輪を手渡す。
キースは指輪を受けとると指にはめようとするが、魔法の効果なのか上手くつけることが出来ない。
「ありがとう。しかし、これは……私にはつけることが出来ないようだな……そうだ、無くしては大変だからな………」
そう言って、キースの指には小さすぎる指輪を大事そうに胸ポケットにしまうと、落とさないように魔法をかける。
「さて、行ってくる。なに、交渉に行くんだ。戦闘にはならないさ。」
そう言ってキースは片手を降り、皇帝の居る砦を目指すのだった。
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