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第二話 出会い
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ホテルへと入ると、巨大な花瓶に花が活けてある。
ホテルのロビーはその花香りが充ちて、むせ返るようだった。
あまりにもリゾート、リゾートしたホテルに、少しうんざりしながらチェックインをすると、ベルボーイに荷物を預け、部屋に運ぶよう伝えると、ホテルのカフェでコーヒーでも飲もうと、歩き出す。
遠くの方から子供がふざけ合う声が聞こえてそちらに目をやると、何やら見覚えのある婦人が、二人の男の子を連れて、すれ違う。
「ん~、どこかで見たことがあるようなご婦人だったが……。気のせいかな?」
そんな独り言が口から漏れでたアルフレッドに振り返り、
「あの、すみません。ウィリアムズ先生ですか?」
婦人が声をかけてきた。
アルフレッドは、すこし驚いて、
「ああ、そうだが……。すまない、ハッキリと思い出せないんだ。」
気まずそうにするアルフレッドにそんなことは気にしない様子で婦人は続ける。
「あら、やっぱり先生!そうですよね、もう卒業してから二十年経ちますもの。先生にご指導頂いたマリア=アダムスです。あ!フェルストといった方がピンと来ますよね?」
マリアと名乗ったその婦人の顔をよく見て、記憶のなかを探り、
「ん?あ!ああ、マリア=フェルスト、君か、なんだ見違えてしまったな。」
「先生はお変わりなく。」
「はは、もう五十も手前の爺さんだよ。」
「そんなことはありませんわ、先生、あの頃から変わらず今も魅力的ですわ。」
お世辞にしても、嬉しいと思いながら、
「はは、ありがとう。で、アダムスと名乗っていたが、結婚されて、………こちらはご子息のかな?」
「はい、私の可愛い子達です。他に、上にも、もう一人いるのですが……あ!チャーリー!」
マリアが手を降る先に、チャーリーと呼ばれた青年がこちらに歩いてくる。
その姿はまだ青年と言うには華奢で幼さを残した顔はとても均整がとれ、美しく、すこし癖のかかった金髪は肩にかかる程の長さだった。
アルフレッドはチャーリーのあまりの美しさに見惚れていると、
「何ですか?お母様。」
「何よ、そんな冷たい態度をとって……。あ!この方はお母さんの恩師でウィリアムズ先生よ!挨拶して!」
マリアがチャーリーに挨拶を促した。
「はじめまして、チャーリー=アダムスです。」
チャーリーが握手を求める様に手を伸ばしてくる。
「ああ…、はじめまして、アルフレッド=ウィリアムズだ。」
チャーリーの美しさに呆けていたアルフレッドは我に返り、二人は握手をする。
「母が騒がしくてすみません。」
「はは、そんなことはないさ。」
チャーリーと言葉を交わしていると、マリアが間に入ってくる。
「先生は有名な数学教授なのよ!」
マリアの言葉に、鼻で笑うような態度でチャーリーは、
「母さん、そんなことは知っているよ。来年入学する大学の教授なんだよ?」
「おや?君は来年ウチの大学に来るのかい?」
「はい、よろしくお願いいたします。」
「マリア君、とても立派なお子さんだね。」
「いえ、なんだか口ばっかり偉そうになって、手を焼いているんですよ?」
「そうなのか?まぁ、このくらいの歳だと、世間のことを理解したように背伸びしたがるものさ。」
そんな話をしていると、マリアが時計に目をやる。
「あ!すみません、もうこんな時間!レストランの予約がありますので、失礼いたします。」
「マリア君はこのホテルに?」
「はい、そうなんです。またお会いすると思いますので、今日はこれで、失礼いたします。」
「ああ、また。」
チャーリーはアルフレッドに一礼して、
「それでは失礼いたします。」
最後に視線が重なり、『ドキ!』としたが、気のせいだと、思い直し、カフェへと向かった。
ホテルのロビーはその花香りが充ちて、むせ返るようだった。
あまりにもリゾート、リゾートしたホテルに、少しうんざりしながらチェックインをすると、ベルボーイに荷物を預け、部屋に運ぶよう伝えると、ホテルのカフェでコーヒーでも飲もうと、歩き出す。
遠くの方から子供がふざけ合う声が聞こえてそちらに目をやると、何やら見覚えのある婦人が、二人の男の子を連れて、すれ違う。
「ん~、どこかで見たことがあるようなご婦人だったが……。気のせいかな?」
そんな独り言が口から漏れでたアルフレッドに振り返り、
「あの、すみません。ウィリアムズ先生ですか?」
婦人が声をかけてきた。
アルフレッドは、すこし驚いて、
「ああ、そうだが……。すまない、ハッキリと思い出せないんだ。」
気まずそうにするアルフレッドにそんなことは気にしない様子で婦人は続ける。
「あら、やっぱり先生!そうですよね、もう卒業してから二十年経ちますもの。先生にご指導頂いたマリア=アダムスです。あ!フェルストといった方がピンと来ますよね?」
マリアと名乗ったその婦人の顔をよく見て、記憶のなかを探り、
「ん?あ!ああ、マリア=フェルスト、君か、なんだ見違えてしまったな。」
「先生はお変わりなく。」
「はは、もう五十も手前の爺さんだよ。」
「そんなことはありませんわ、先生、あの頃から変わらず今も魅力的ですわ。」
お世辞にしても、嬉しいと思いながら、
「はは、ありがとう。で、アダムスと名乗っていたが、結婚されて、………こちらはご子息のかな?」
「はい、私の可愛い子達です。他に、上にも、もう一人いるのですが……あ!チャーリー!」
マリアが手を降る先に、チャーリーと呼ばれた青年がこちらに歩いてくる。
その姿はまだ青年と言うには華奢で幼さを残した顔はとても均整がとれ、美しく、すこし癖のかかった金髪は肩にかかる程の長さだった。
アルフレッドはチャーリーのあまりの美しさに見惚れていると、
「何ですか?お母様。」
「何よ、そんな冷たい態度をとって……。あ!この方はお母さんの恩師でウィリアムズ先生よ!挨拶して!」
マリアがチャーリーに挨拶を促した。
「はじめまして、チャーリー=アダムスです。」
チャーリーが握手を求める様に手を伸ばしてくる。
「ああ…、はじめまして、アルフレッド=ウィリアムズだ。」
チャーリーの美しさに呆けていたアルフレッドは我に返り、二人は握手をする。
「母が騒がしくてすみません。」
「はは、そんなことはないさ。」
チャーリーと言葉を交わしていると、マリアが間に入ってくる。
「先生は有名な数学教授なのよ!」
マリアの言葉に、鼻で笑うような態度でチャーリーは、
「母さん、そんなことは知っているよ。来年入学する大学の教授なんだよ?」
「おや?君は来年ウチの大学に来るのかい?」
「はい、よろしくお願いいたします。」
「マリア君、とても立派なお子さんだね。」
「いえ、なんだか口ばっかり偉そうになって、手を焼いているんですよ?」
「そうなのか?まぁ、このくらいの歳だと、世間のことを理解したように背伸びしたがるものさ。」
そんな話をしていると、マリアが時計に目をやる。
「あ!すみません、もうこんな時間!レストランの予約がありますので、失礼いたします。」
「マリア君はこのホテルに?」
「はい、そうなんです。またお会いすると思いますので、今日はこれで、失礼いたします。」
「ああ、また。」
チャーリーはアルフレッドに一礼して、
「それでは失礼いたします。」
最後に視線が重なり、『ドキ!』としたが、気のせいだと、思い直し、カフェへと向かった。
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