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第三話 重なる唇
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アルフレッドはカフェで一息つけると、自分の部屋へと向かい、トランクの荷物をクローゼットにしまうと、シャワーを浴びた。
シャワーを浴びながら目を綴じると、先程のチャーリーの視線を思い出す。
中性的なその顔立ち、美しさと、精悍さがあいまった雰囲気が何故か気になる。
アルフレッドには、別れてしまったが妻と子がいる。
そんな自分が?
そんな筈はないと首を振り、水飛沫を辺りに散らす。
汗を流し、バスローブを身に纏ったアルフレッドは、下半身に滾るものを感じながらも、気のせいだと自分に言い聞かし、ベッドの上で大の字になり、目を閉じた。
すると、移動の疲れもあったのだろう、直ぐに眠りに落ちていく………。
ハッと気がつくと、辺りは暗闇に包まれ、夜が訪れていたことを教えてくれている。
枕元の時計を確認すると、十時を過ぎてしまっていた。
「ああ、夕飯を食べそこなってしまったか……。」
ルームサービスをとってもよかったのだが、なんとなく夜のホテルを散策したくなり、再びスーツに身を包んだアルフレッドはホテルの最上階にある、バーラウンジを目指した。
どうやらバーラウンジはまだ営業しているようで、軽くツマミでも頼んで、空腹をまぎらわそうと、店内へと歩み入る。
「お客様、いらっしゃいませ、一名様ですか?」
黒服の支配人であろう人物が声をかけてくる。
「ああ、そうだ。」
「お煙草はお吸いになられますか?」
「ああ、喫煙席を頼む。」
アルフレッドは席に案内されると、チーズとワインを注文する。
夜景を眺めながらグラスを傾け、少し酔ってきたので、アルフレッドは店をあとにすることにした。
まだもう少しホテルを見てみたい衝動に、一階のロビーに降りると、ピアノの音が遠くから聞こえてくる。
アルフレッドはその演奏が気に入り、おとの方へと進むと、チャーリーが弾いているようだった。
酔いの勢いも手伝って、ピアノの傍まで進み、チャーリーに話しかける。
「こんばんは、またあったね。」
チャーリーはピアノの手を止め、アルフレッドに挨拶をする。
「あ、これはウィリアムズ先生、こんばんは。」
「おっとすまない続けてくれ。」
アルフレッドはチャーリーの演奏を止めたことに謝罪し、続ける様に促す。
「はい。」
「うん素晴らしい演奏だ。」
今度は小さな声で呟く様に演奏を褒める。
「ありがとうございます。」
アルフレッドは、しなやかな動きでピアノを弾くチャーリーの手を見つめていると、
「ふふ、そんなに見つめられると照れます。」
そう言いながら、アルフレッドを見つめ返してくる。
しばらく二人が見つめ合う中、チャーリーの演奏は続く……。
『ああ、なんて美しいんだろう。』
そう心で呟くアルフレッドの心を見透かしたのか、チャーリーが微笑みかけてくる。
アルフレッドは、チャーリーの持つ、美しいブルーの瞳に引き込まれる様に顔を寄せる。
チャーリーはそれを拒む素振りも見せずに、自然に二人は唇を重ねた。
その時間はおそらく数秒だったのだろうが、アルフレッドは唇から伝わる温もりに、電流が駆け巡ったような衝撃を感じた。
「す、すまない………ちょっと酔ってしまったようだ。」
我に返ったアルフレッドは、慌ててその場を去っていく。
そんな彼を追うことはせず、チャーリーは優しい微笑みをたたえ、そのまま演奏を続けるのだった。
シャワーを浴びながら目を綴じると、先程のチャーリーの視線を思い出す。
中性的なその顔立ち、美しさと、精悍さがあいまった雰囲気が何故か気になる。
アルフレッドには、別れてしまったが妻と子がいる。
そんな自分が?
そんな筈はないと首を振り、水飛沫を辺りに散らす。
汗を流し、バスローブを身に纏ったアルフレッドは、下半身に滾るものを感じながらも、気のせいだと自分に言い聞かし、ベッドの上で大の字になり、目を閉じた。
すると、移動の疲れもあったのだろう、直ぐに眠りに落ちていく………。
ハッと気がつくと、辺りは暗闇に包まれ、夜が訪れていたことを教えてくれている。
枕元の時計を確認すると、十時を過ぎてしまっていた。
「ああ、夕飯を食べそこなってしまったか……。」
ルームサービスをとってもよかったのだが、なんとなく夜のホテルを散策したくなり、再びスーツに身を包んだアルフレッドはホテルの最上階にある、バーラウンジを目指した。
どうやらバーラウンジはまだ営業しているようで、軽くツマミでも頼んで、空腹をまぎらわそうと、店内へと歩み入る。
「お客様、いらっしゃいませ、一名様ですか?」
黒服の支配人であろう人物が声をかけてくる。
「ああ、そうだ。」
「お煙草はお吸いになられますか?」
「ああ、喫煙席を頼む。」
アルフレッドは席に案内されると、チーズとワインを注文する。
夜景を眺めながらグラスを傾け、少し酔ってきたので、アルフレッドは店をあとにすることにした。
まだもう少しホテルを見てみたい衝動に、一階のロビーに降りると、ピアノの音が遠くから聞こえてくる。
アルフレッドはその演奏が気に入り、おとの方へと進むと、チャーリーが弾いているようだった。
酔いの勢いも手伝って、ピアノの傍まで進み、チャーリーに話しかける。
「こんばんは、またあったね。」
チャーリーはピアノの手を止め、アルフレッドに挨拶をする。
「あ、これはウィリアムズ先生、こんばんは。」
「おっとすまない続けてくれ。」
アルフレッドはチャーリーの演奏を止めたことに謝罪し、続ける様に促す。
「はい。」
「うん素晴らしい演奏だ。」
今度は小さな声で呟く様に演奏を褒める。
「ありがとうございます。」
アルフレッドは、しなやかな動きでピアノを弾くチャーリーの手を見つめていると、
「ふふ、そんなに見つめられると照れます。」
そう言いながら、アルフレッドを見つめ返してくる。
しばらく二人が見つめ合う中、チャーリーの演奏は続く……。
『ああ、なんて美しいんだろう。』
そう心で呟くアルフレッドの心を見透かしたのか、チャーリーが微笑みかけてくる。
アルフレッドは、チャーリーの持つ、美しいブルーの瞳に引き込まれる様に顔を寄せる。
チャーリーはそれを拒む素振りも見せずに、自然に二人は唇を重ねた。
その時間はおそらく数秒だったのだろうが、アルフレッドは唇から伝わる温もりに、電流が駆け巡ったような衝撃を感じた。
「す、すまない………ちょっと酔ってしまったようだ。」
我に返ったアルフレッドは、慌ててその場を去っていく。
そんな彼を追うことはせず、チャーリーは優しい微笑みをたたえ、そのまま演奏を続けるのだった。
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