完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん

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第十八話 エーファとシーヴァ

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マリアがエーファの家へと招き入れられると、
暖炉の側の椅子へと案内される。 

「さ、かけておくれ。」

「はい。では、失礼します。」

マリアが座ると、エーファはマリアの向かいの椅子に腰かける。 

「さ、どこから話そうかね………。」

「あ、あの~なぜいきなり、私だけ家によばれたんですか?」

「おお、では、そこから話そうかね。それは、イデアルに聞いたからじゃ。」

「イデアル?あの植木鉢さんの本体ですか?」

「ん~、本体というのが正解かは、わからんが、そんなもんじゃな、奴から聞いておらんか?記憶は集約されると。」

「ええ、聞いてます。って…………!!!!!じゃあ!」

「ああ、マリアさん、貴女がドルイダスだとわしは知っておるよ。アドレーは知っているかどうだか知らんがね。」

「そうなんですね。」

「ああ、だから今回は一人で家にきてもらった訳じゃよ。」

「お気遣いありがとうございます。」

「なんの、なんの、アドレーはドルイダスの研究をしておるが、あれでも、一応、エネローワの王子、ドルイダスとの関わりはあまり公言するもんではないからのぅ……。」

「しかし……よく顔を見せておくれ………。」

「は、はい。」

マリアはエーファの顔を見つめる。

「やはり、面影があるかのぉ…。」

「面影?」

「ああ、先程わしの歳を教えたじゃろ?ワシはアンタの先祖、シーヴァの姉じゃ!」

「ええ!!!」

「ふぉ、ふぉ、まぁ、驚くのも無理もないかの。イデアルのドルイダス殲滅作戦の時、ワシはランシッグの王都にいての……難を逃れたのじゃ……。エネローワも国境を越えて攻めては戦争になってしまうからの……しかし、そのために、わしの故郷のネネンは滅び、このランシッグ王国内でわしが新しく作ったのがこの、ネネンとなるのじゃ……。」

「そ、そんな過去があったのですね。」

「ああ、妹のシーヴァはエネローワの当時の王、チャーリーに見初められてのぅ……。側室としてじゃが、王宮に入ったのじゃよ……。それからしばらくは幸せに暮らしていたようじゃが、王が亡くなると、全ては変わってしまったようじゃな……。」

「それが、300年前なんですね。」

「そうじゃ、王が亡くなるとすぐに当時の皇太后エリザベスが、新しくザスベエリ真教会を作り、ドルイダスを虐殺していった。」

「な、なんでそんなことを………。」

「嫉妬じゃよ。シーヴァが王宮に入るまで、エリザベスは、王妃として我が儘放題、やりたい放題にしていたそうじゃ、それに嫌気をさしたチャーリー王は視察と称して王宮を空けることが多くなった。そして、イデアルの森で、シーヴァとであったのじゃ。」
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