上 下
35 / 35

第三十二話 マリアの静かな生活?

しおりを挟む
ザスベエリの悪魔騒動から数ヶ月、真教会は、変革の時を使えていた。 

「まったく、法王のいないところで派手にやってくれたね。アドレー?」

「すまないって言ってるだろ、兄さん、でもザスベエリは悪魔だったんだぜ?それを倒した英雄をそんな風に扱わなくても……。」

「それはお前の婚約者のマリアさんのお陰だろ?お前はただ、美味しいところをもっていっただけだろ?」

「ひ、ひどいな……。あの時必死で切り伏せたって言うのに……。」

「ハハハハハハハ!まぁ、よく頑張ったな、アドレー!ところで、国の窮地を救ったマリアさんは聖女と言う話が出てきているのだが、どう思う?」

「ああ、あの時のマナの光は、一般の民衆に見えるほどに濃く、眩かったからな……なぁ、キース、………もし、出来るならさ、イデアルを神として祀りなおして、真教会に出来ないかな?………なんて…。」

「それも良いかもな。」

「え、本当に?」

「おい!でもすぐは無理だぞ?ザスベエリが悪魔だった事実は公表したが、その後でやっぱりこっちを祀ろうなんて、人の心は簡単にはいかないんだからな。」

「分かってるよ!そのためにも、キースお兄様のお力が必要なんじゃないですか。」

「気持ち悪いなアドレー。」

「フフフフフフ。本当に仲の良い兄弟ですね。」

「マリア、笑い事ではないぞ!君のこれからの話しでもあるんだからな。」

「はい、私の事を思って、ですものね。ありがとうございます。」

「まぁ、でもマリアさん、貴女の癒しの力でこの国は救われた。その事を広めて行けば、ドルイダスの汚名はそそがれ、イデアルを神とした……」

「ん~、でもイデアルさんはそんなこと望んでないと思いますよ。神とか、教会とかどうでも良いじゃないですか。それよりも、皆が仲良く、争いのない世界を創ることに力をそそぎましょ!」

「ふぅ~、マリアさん、それができれば苦労がないです。」

そんなこんなでキースとの話が終わり、夜になり、アドレーと寝室にて、

「マリア、今日もお疲れ様。」

「アドレーもお疲れ様。あ~あ、何かこの数ヶ月、激動だったな。」

「ん?疲れたのか?」

「ん~ん、違うの、私はもともと侍女として静かに暮らして、歳をとって……と考えて王宮に来たのよ。……それが、貴方と出会って、様々な事を経験して今がある。幸せよ。アドレー。」

「私も、君と出会って、幸せだ。愛の力でザスベエリも倒したしな。これぞ、信実の愛!」

「ふふ、それは止めて!これはね。……心からの愛なの。」


                      完


ここまでお付き合いありがとうございました。

また次回作にてお会いできますことを心より願っております。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ゆうちゃん
2022.03.26 ゆうちゃん

第4話のタイトルは再開では無く再会では?

再開→辞めていた事を再び始める事。

再会→会っていなかった人に久しぶりに会う事。

気になったので指摘しておきます。

業 藍衣
2022.03.26 業 藍衣

ご指摘ありがとうございます。修正しておきます。

解除
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約者の浮気をゴシップ誌で知った私のその後

恋愛 / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:360

拗れた恋の行方

恋愛 / 完結 24h.ポイント:248pt お気に入り:125

わたくしは二度婚約破棄にあいましてよ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:12

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。