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第三十二話 マリアの静かな生活?
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ザスベエリの悪魔騒動から数ヶ月、真教会は、変革の時を使えていた。
「まったく、法王のいないところで派手にやってくれたね。アドレー?」
「すまないって言ってるだろ、兄さん、でもザスベエリは悪魔だったんだぜ?それを倒した英雄をそんな風に扱わなくても……。」
「それはお前の婚約者のマリアさんのお陰だろ?お前はただ、美味しいところをもっていっただけだろ?」
「ひ、ひどいな……。あの時必死で切り伏せたって言うのに……。」
「ハハハハハハハ!まぁ、よく頑張ったな、アドレー!ところで、国の窮地を救ったマリアさんは聖女と言う話が出てきているのだが、どう思う?」
「ああ、あの時のマナの光は、一般の民衆に見えるほどに濃く、眩かったからな……なぁ、キース、………もし、出来るならさ、イデアルを神として祀りなおして、真教会に出来ないかな?………なんて…。」
「それも良いかもな。」
「え、本当に?」
「おい!でもすぐは無理だぞ?ザスベエリが悪魔だった事実は公表したが、その後でやっぱりこっちを祀ろうなんて、人の心は簡単にはいかないんだからな。」
「分かってるよ!そのためにも、キースお兄様のお力が必要なんじゃないですか。」
「気持ち悪いなアドレー。」
「フフフフフフ。本当に仲の良い兄弟ですね。」
「マリア、笑い事ではないぞ!君のこれからの話しでもあるんだからな。」
「はい、私の事を思って、ですものね。ありがとうございます。」
「まぁ、でもマリアさん、貴女の癒しの力でこの国は救われた。その事を広めて行けば、ドルイダスの汚名はそそがれ、イデアルを神とした……」
「ん~、でもイデアルさんはそんなこと望んでないと思いますよ。神とか、教会とかどうでも良いじゃないですか。それよりも、皆が仲良く、争いのない世界を創ることに力をそそぎましょ!」
「ふぅ~、マリアさん、それができれば苦労がないです。」
そんなこんなでキースとの話が終わり、夜になり、アドレーと寝室にて、
「マリア、今日もお疲れ様。」
「アドレーもお疲れ様。あ~あ、何かこの数ヶ月、激動だったな。」
「ん?疲れたのか?」
「ん~ん、違うの、私はもともと侍女として静かに暮らして、歳をとって……と考えて王宮に来たのよ。……それが、貴方と出会って、様々な事を経験して今がある。幸せよ。アドレー。」
「私も、君と出会って、幸せだ。愛の力でザスベエリも倒したしな。これぞ、信実の愛!」
「ふふ、それは止めて!これはね。……心からの愛なの。」
完
ここまでお付き合いありがとうございました。
また次回作にてお会いできますことを心より願っております。
「まったく、法王のいないところで派手にやってくれたね。アドレー?」
「すまないって言ってるだろ、兄さん、でもザスベエリは悪魔だったんだぜ?それを倒した英雄をそんな風に扱わなくても……。」
「それはお前の婚約者のマリアさんのお陰だろ?お前はただ、美味しいところをもっていっただけだろ?」
「ひ、ひどいな……。あの時必死で切り伏せたって言うのに……。」
「ハハハハハハハ!まぁ、よく頑張ったな、アドレー!ところで、国の窮地を救ったマリアさんは聖女と言う話が出てきているのだが、どう思う?」
「ああ、あの時のマナの光は、一般の民衆に見えるほどに濃く、眩かったからな……なぁ、キース、………もし、出来るならさ、イデアルを神として祀りなおして、真教会に出来ないかな?………なんて…。」
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「おい!でもすぐは無理だぞ?ザスベエリが悪魔だった事実は公表したが、その後でやっぱりこっちを祀ろうなんて、人の心は簡単にはいかないんだからな。」
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「フフフフフフ。本当に仲の良い兄弟ですね。」
「マリア、笑い事ではないぞ!君のこれからの話しでもあるんだからな。」
「はい、私の事を思って、ですものね。ありがとうございます。」
「まぁ、でもマリアさん、貴女の癒しの力でこの国は救われた。その事を広めて行けば、ドルイダスの汚名はそそがれ、イデアルを神とした……」
「ん~、でもイデアルさんはそんなこと望んでないと思いますよ。神とか、教会とかどうでも良いじゃないですか。それよりも、皆が仲良く、争いのない世界を創ることに力をそそぎましょ!」
「ふぅ~、マリアさん、それができれば苦労がないです。」
そんなこんなでキースとの話が終わり、夜になり、アドレーと寝室にて、
「マリア、今日もお疲れ様。」
「アドレーもお疲れ様。あ~あ、何かこの数ヶ月、激動だったな。」
「ん?疲れたのか?」
「ん~ん、違うの、私はもともと侍女として静かに暮らして、歳をとって……と考えて王宮に来たのよ。……それが、貴方と出会って、様々な事を経験して今がある。幸せよ。アドレー。」
「私も、君と出会って、幸せだ。愛の力でザスベエリも倒したしな。これぞ、信実の愛!」
「ふふ、それは止めて!これはね。……心からの愛なの。」
完
ここまでお付き合いありがとうございました。
また次回作にてお会いできますことを心より願っております。
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